魔法使いの嫁 12巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
聴講生と魔法の臨時教師としてカレッジへに通うチセとエリアス。
チセとエリアス、クラスメイトとの関係も進展していきます。
ある日、思い悩んだようなアリスが今日はチセの家に泊まりたいと言ってきますが・・。
魔法使いの嫁 12巻には第56篇から第60編が収録されています。
魔法使いの嫁 12巻のネタバレ、あらすじ
第56篇 Better bend than break.Ⅰ.
レンフレッドが自分の事を「娘」と思っているとエリアスに告げている場面に出くわしたアリス。
レンフレッドに今日は帰らず調べものをしたいと言うのでした。
ルツが捉えたのはフィロメラ。フィロメラの家は諜報などが専門なのだとリアンがフォローします。
カレッジに来てまでそんな事をさせられているのか、とリアン。
フィロメラの事情に詳しそうなリアンに、チセが二人の関係を聞くと、リアンとフィロメラは”またいとこ”との事。
フィロメラ本人は諜報の練習をしていたというのです。
自分から誰かに言うつもりはなくても、言えと言われたら拒否できる権利がない、と言います。
仕方なく、リアンの提案で契約の術を結び、参加者に誰が裏切ったのか伝わるようにすることにしました。
授業が終わっての帰り際、中庭にアリスが居て何やら思い悩んでいるような顔をしています。
声を掛けると今日はチセの家に泊まりたいと言うのでした。
第57篇 Better bend than break.Ⅱ.
役に立とうとしてやってきた事をやる必要ないって言われたらどう思う?と切り出したアリス。
自分はレンフレッドの護り手として役に立とうと努力し、少しはマシになっていると思っていたつもりだったと。
カルタフィルスが来た時には自分を庇い片腕をカルタフィルスに取られてしまい、弱点と呼ばれて、そのせいでお使いと称して猫の国での澱みの回収をやらされたこと。
例えレンフレッドが自分のことを娘だと思い、守られる存在なのだと言ったとしても、自分は本当の父親と違ってあんな立派な人を父親のようには思えない。
何をどう解釈していいのか分からないとチセに悩みを話すアリスでした。
アリスに、エリアスとはどうなんだ?と聞かれ、チセ自身も実はよく分かりませんでした。
魔法の先生であり、人間の先生であり、夫婦であるけれど、自分もエリアスも手探りの状態だから、他の人に聞くと自分たちの関係は別のものと言われるかもしれない。
けれど中身は変わらないから、アリスとレンフレッドの関係もそれぞれの解釈で呼び方が違うだけかもと答えるのでした。
第58篇 Better bend than break.Ⅲ.
ウェブスターの話をチセに振ったそうだな、とジャスミンに詰め寄るリアン。
うっかり、ちょっときわどい世間話だと返すジャスミン。しかしリアンは問題視します。
家柄である七つの盾は力が強いから発言には考慮しなければいけない。
ジャスミンからすれば力を持っているのは存続に心配のいらない家だけだと言います。
存在意義のない朽ちかけた家には何も出来ない。
ジャスミンの家は獣から人の世界を守ってきたセント=ジョージ。
しかし、夜な夜な村を襲う怪物などいなく、吸血鬼も人狼も、増えた人の波に押され鳴りを潜めてしまった。
人から、魔術師から魔術師を守るリアンの家、スクリム=ジョーと違い、もうお払い箱なのだと。
でも、リアンは家を継ぐ気はない様です。
リアンは話を戻し、ウェブスターの話は危ないのでやめておけ、と言います。
生き残りが居る以上、終わっていない可能性があると言うのでした。
第59篇 Slow and sure.Ⅰ.
ブッシュクラフト。自然の中で暮らす知恵を学ぶ、いわばキャンプの様なものらしい。
いざという時に色々と出来る事を増やしておこうという目的のための授業の一環だそうと調理実習をしながら話す生徒たち。
この調理実習もそのためだとか・・。
何か起きた時に魔術を使うにしても魔力を温存しておかなければ、いざって時に使えないと困る。
ブッシュクラフトは1年に1回、2泊3日で行い、上の学年になると本格的にひとりでやったりするようです。
チセにとっては小学校の時の遠足の時の記憶がよぎります。
以前は‘おかしな子’扱いされ、グループに誘われる事がありませんでした。
しかし今は環境もチセ自身も変わっているので、チセとしても楽しみでした。
しかし、エリアスが付いて来ると言いそう・・とも思いながら。
アリスは授業にもしっかり出るようになり、銃の練習も今まで以上に熱心にやるようになったようです。
理由は、レフレッドに子供扱いされたことらしいのです・・。
第60篇 Slow and sure.Ⅱ.
キャンプ実習にやってきた生徒たち。
僕もついていこうかな・・。エリアスはやはりどこかで聞いていた様です。
リセは、ひとりや少人数で自然の中で生活できるようにする実習なので、エリアスがいては頼ってしまうかもしれないからダメだと断ります。
しかし、エリアスはどうしてもついて来たい様で、手を出さないからと分身してまでついて来てしまいました。
キャンプ地であるスコットランドには、隣人が多いみたいです。
人の語る隣人の話もスコットランドや北イングランドの話がたくさん残っているから、人と彼らの関りがそれぐらい濃かったのだろう、とエリアスが語ります。
しかし、チセはいつもより少し怖い気がして神経が尖っていく感じがするのでした。
キャンプ中、川へ水汲みにいくと、そこにはエッヘ・ウーシュカという馬の様な妖精を目にします。
エリアス曰く、それは背に乗せた人を溺れさせ食べてしまうものとの事。
チセは‘それ’に引き留められますが、乗らないよと断り、とりあえずその場から離れるのでした。
魔法使いの嫁 12巻の感想
チセとエリアスがカレッジに通うようになり、二人の関係の進展、周りの人たちの話も増えて気になるものが多くなります。
前巻ではサイモンがどうして牧師となり、エリアスの監視役となったのかの経緯が描かれていました。
今巻ではアイビーがなぜチセを退けていたのか、どうしてカレッジに通っているのか。
レンフレッドがアリスの事をどう思っていて、その事を知ったアリスはこれからどうしようと思ったのかなどが描かれています。
もちろんチセとエリアスのぎこちない関係もです。
更に、チセの同窓生であるリアンやルーシー、ジャスミンやフィロメア。
エリアスが他人に興味を持ち始めたことにより、アドルフの過去も少しですが語られます。
後半、フィロメラが実家に呼び戻され、お祖母様と呼ばれる人に叱責される場面がありますが、フィロメラの家とはどういう役なのか。
ヴェロニカ様と呼ぶのは何故なのか。リアンとのやり取りの中で少しだけ役について出て来ましたが、まだ謎は多いです。
さて、キャンプ実習の2日目の夜、ルーシーが何者かに魔力を奪われるという事件が発生しましたが、果たして無事なのでしょうか。
また、いったい何が起きたのか・・。
次巻へのお楽しみです。
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