復讐の未亡人 7巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
かつて密が美月と呼ばれていた頃。
周囲から母の薫に似ていない事を気に病み、髪を黒く染め、メガネを掛けてお揃いにして母の愛情を欲していた彼女。
母と子は心で通じ合っているのだと無垢に信じ、それは現在の密であっても変わらない想い。
そして密が生き別れた娘・美花と自分は繋がっていると信じる純粋な想いでもありました・・。
「復讐の未亡人」7巻には30話から33話が収録されています。
復讐の未亡人 7巻のネタバレ、あらすじ
第30話 お母さんに似ている?
鏡台の前にて髪を整えていた密。でもいつもの銀髪の色を抑え、今日は黒髪へと染めていました。
自分の髪の色は目立ってしまうと、かつて幼い頃に自分で髪を染め、母親と同じ色にしていた美月。
他人から母親の薫に似ていると言われたく、母と同じ髪色に染めてメガネを掛けていた美月の想い。
しかし育ての親である優衣は複雑な想いでした。
薫から邪険に扱われているにも関わらず、母親に気に入られようとする美月の想いをまるで汲んでくれないと優衣は、薫に言います。
どんな事があろうとも、子どもにとって母親は神だと・・。
純粋に母親を想う美月の気持ちを、薫は自分にはそんなものは無かったと突き放します。
美月は自分の髪が母親に似ているのかと陽史に訊ね、彼は素っ気なく似ていると返しますが、優吾はその言葉に怒り、似ていないと叫びます。
滅多に感情を荒げない優吾が感情的になり、あの母親に似ていない、美月は他所から連れ去られたのだと言い、あんな母親に似ていないと必死に言います。
しかし美月は、自分は間違いなく母親の子であると告げます。
自分は薫の娘であると信じている美月。
しかし髪を染めて目立ちにくくなった彼女はある日、不審者に攫われてしまいます。
薄汚い部屋に閉じ込められてしまった美月。
どうなってしまうのでしょうか?
第31話 どっちに似るだろう
美月が攫われたと優吾が告げ、必死に近所を探し回る優衣。
しかし薫は落ち着いている様子で、こうなると思っていたと冷静に語ります。
自分の娘が居なくなったにも関わらず、まるで他人事の様に振舞う薫は、知り合いに電話をします。
そんな薫の行動に苛立ち、すぐに警察に電話すべきだと言う優衣。
しかし薫が電話をしていたのは、美月の父親候補の一人で、この付近の監視カメラをハッキングし、インターネットで美月を探してもらおうと、既に手を打っていたのです。
美月には沢山の父親候補がおり、その男達に協力させ、子育てを効率よく行っていた薫。
薫は、美月を攫ったであろう不審者の自宅へと赴き、宅配を装い、劇薬のスプレーを吹きかけ、怯んだ隙に美月を救出します。
無事に娘を取り戻した薫ですが、美月の無事に安堵している様子は無く、これからの援助を相談しているなど、まるで美月の事を心配していません。
美月も自分の父親が助けに来てくれるのかと期待していましたが、訪れなかったことに落ち込んでいました。
無事に戻ってくるも優衣から、やり過ぎなのではと薫の行動は否定されてしまいます。
美月を助けるためとはいえ、相手を劇薬で失明させるのはやり過ぎなのではと言う優衣に、薫は毅然と言います。
相手に復讐の機会を与えないために、徹底的にやるべきだと言い、報復できない様に再起不能にするのが、もっとも最善な行為だと告げる薫。
そして優衣の態度にも冷静にこうも告げてきます。
自分を非道な人間に仕立て上げ、清らかさをアピールする行為・・、それが優衣の戦略だと。
自分は的確な行動を行ったのだと、自分の考えを揺るがさない薫。
二人の母親を前にして、美月は将来、優衣と自分のどちらに似るのかと、薫は嬉しそうに言います。
そんな過去の出来事を想い出していた密は、髪を黒く染め上げた後、メガネを掛けて産婦人科へと向かいますが、後ろからそっと忍び寄る男がいました。
出掛ける前に、凛と共に出掛けた真言から警告されていた不審者の情報。
しかし既に、その男の情報を知っていた密。
臆する事なく、悠然としながら自分を襲おうとする男──佐藤に振り向きます。
彼は女性相手にひったくりを行っていました。
その手口は水を引っ掻け、怯んだ隙に鞄を盗むといった卑劣な行為。
そんな行為の先手を取り、事前に用意した瓶の開け、中に入った液体を彼に浴びせます。
大慌てで顔を抑え、地面に転げ回る佐藤。
しかしただの水だと密は告げ、痛みや激痛などが無い事を知り、佐藤は呆然とします。
気を取り戻した彼は、密に怒鳴り、水を掛けた事を責めてきますが、振り返った密の顔を見て驚きます。
整った顔立ちに全てを見通す様な眼差しと、美女である密の美しさに戸惑う佐藤。
そんな彼に密は素直に謝罪します。
相手が弱気だと知るや否や、弁償しろと強気に30万円を要求する佐藤。
密はその要求通りに30万円を差し出します。
思いがけない展開に戸惑う佐藤でしたが、差し出された30万円を取り上げ、その場を逃げ出します。
大金が簡単に手に入ったと喜ぶ佐藤。
でもそれが自身の破滅へと繋がる大金とは知らずにいました・・。
第32話 母親の事
山下は今日も仕事に追われていました・・。
他人から任されていたプログラムに追われ、自分の仕事が疎かになっていた山下は、真言に注意をされてしまいますが、彼女に任せ過ぎだと、仕事を押し付けていた面々に注意をし、他人に押しつけるなと言います。
真言が自分の為に周囲を怒ってくれるのが嬉しくて笑みをこぼす山下。
しかし真言に、自分の仕事が終わってから他人の仕事を手伝うようにと注意され、彼女は落ち込んでしまいます。
山下は、いつもこうだ、他人が大変な事を自分が進んでしなければ、自分は幸せになれない。
そのせいでいつも結果的に自分が不幸になり、周囲も不幸になると、嫌な循環に頭を悩ませていました。
自分が他人から仕事を押し付けられていたと見抜かれたのは、仕事の効率アップの為に新しく組まれたプログラムのおかげでした。
このプログラムで作業効率が良くなったと感心はするも、何か視線を感じてしまう山下。
その視線は、以前に微かに感じた密の視線でした。
オフィス全体が密の視線の支配下に置かれている様だと感じてしまいます。
山下のその察知は正しく、密は自宅から会社のオフェスを監視していました。
自分に視線を送る相手を調べる為に、変装して近づいた山下の素性を調べていた密。
しかし視線はもっと別の人物のものだと、別の誰かの視線を察していました。
はたして、その別の誰かの視線とは、誰なのでしょうか?
第33話 放っておけないひと
密を調べていた少女・美花は、凛の個人情報を調べ、彼女の本当の素性を知ります。
凛が密と呼んでいた女性は母親では無い事を知り、じゃああれは一体誰なのかと、密に興味を持つ美花。
それを知ろうとしていた中、美花に奇妙な感覚を感じていた陽史から、ふと話しかけられてしまいます。
──母親を探しているのか、と。
訊ねられる美花は、慌てて陽史を追いかけます。
そんな娘の情報をネットで知った密は、美花が煽り運転をしていた男を事故へと追い込んでいたことを知り、誰に似たのか、かつて自分も同じようにネットでやった事だと感慨にふけり、ある男性の事を思い出します。
自分にパソコンの技術を教えてくれたマコトという男性。
父親の様に優しく、父親の様に振舞ってくれた自分の恩人であり、また美花の名付け親。
彼にだけ伝えた、優吾の子どもを妊娠した事実。
美花を身籠った時の事を思い出し、優吾が自分を独占したく、無理矢理に孕まされてしまった美花への想いを募らせていました。
そして想い出します。美花を孕まされてしまった、あの日の事を・・。
復讐の未亡人 7巻の感想
今回は実に生々しい展開となっていました。
そして密の過去は・・、あまりにも凄すぎます。
まさか誘拐されていたとは、あまりにも恵まれなさすぎです。
薫のような毒親に育てられていたにも関わらず、よく性根がねじ曲がらずに育ったものです。
彼女の心の強さは昔の出来事から培われたモノだったのですね。
それにしても母親とお揃いになりたいからと言って、髪を黒く染めてしまう美月。
子どもの頃から聡明なのは分かるのですが、そこまでやる程に母親の愛が欲しかった。
今の母性が強くなった経緯は、そんな過去があったからなのだと、泣けてしまいます。
しかし一応、娘の危機を救った薫ですが、やる事が躊躇ない行動力です。
まさか劇薬で相手を倒すとはと、昔からネジが外れていた薫。
そんな彼女の姉である優衣と、将来どちらに似るのかと楽しみにされていましたが、結果として二人に似てしまったのではと思います。
そんな密の過去が明かされ、美花が密の娘だという確信が強くなってきました。
はたして二人は再開できるのかと気になります。
真言を狙う山下もさることながら、優吾が密を無理矢理に妊娠させたとの驚くべき情報が出てきました。
まさか美花を身籠ったのは、優吾が無理矢理に密を襲った?何やらと深い闇がありそうです。
そして美花ちゃんなのですが、育ての母親に対しての行動があまりにも怖いです。
しかもネットで情報を調べつくせるとは、将来が恐ろしいですね。
さて次回の8巻では、どんな過去が明かされていくのか、目が離せません!
美花の誕生の経緯や、また優吾の想いなど、どんな展開が待っているのでしょうか?
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