復讐の未亡人 21巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
毒親により襲われる、とき先生を救う為に自分の父親に手を掛ける事になる和代。
大切な居場所を失い、バレエの世界から離れ、とき先生と離別する事に。
しかし、和代は一連の行為に後悔はしていませんでした・・。
時が戻っても、同じ事をすると、和代は凜に自分を反面教師にしろと告げます。
その言葉を受け止めた凜は、何を思うのでしょうか?
復讐の未亡人 21巻には第74話から第76話が収録されています。
復讐の未亡人 21巻のネタバレ、あらすじ
第74話 別離
とき先生を押し倒し、馬乗りになりながらに拳を振り下ろしてくる和代の父親。
手前勝手な持論を並べ立て、財産のすべてを寄越(よこ)せと暴力で事を成そうとします。
彼の暴力は止まらず、とき先生の顔に何度も拳を振り下ろしてきます。
そんな現場に訪れた和代は、ただ冷静に行動します。
おばあさまの部屋にあった帯締めを持ち出し、それを自分の父親の首に巻き付け、ただ冷静に、父親の首を締め上げました。
この日のために、ずっと頭の中で反復練習し、自分がどうやって親を殺すのかと考えてきた彼女。
もし殺せば、自分は死刑になる。
どうしたら自分は裁かれずに済むかと、その方法を模索していた和代は、ある記事を見つけます。
それは自分と同じように苦しめられていた少女の行った行為。
自分を何度も犯し、子どもを妊ませ、堕ろさせ、追い詰められた少女が、復讐のために自身の父親を殺し、そして死刑を回避した顛末。
親を殺せば死刑になる時代は終わり、被害者となる子どもが守られる時代が来たのだ。
自身の手で復讐を果たす決意をする和代には、もう迷いはありませんでした。
第75話 反面教師
和代の過去の行いを知り、凜は言葉を失っていました。
そんな凜に和代は訊ねます。殺人者と一緒に住むのは怖いのか、と。
その問いに凜は素直に怖いと言うも、自分と重ねて見てしまう和代の凄惨な境遇に共感できる気持ちがありました。
そして和代は続けます。
父親を殺したことに何の罪悪感を抱いていない。
自分の父親はあまりにも酷い人間であり、常に自分を虐待し、それを喜んで行っていた人間だ。
絞め殺すときには、何の躊躇もなく、帯締めを引くことが出来た、と告げます。
エリサと言う、とき先生の名前を捨て、和代と名前を戻し、自分の娘が夫を殺したのだと、母親にも復讐を果たした和代の人生。
それは、とき先生との別れともなりました。
どんな事情があろうとも、人を殺した人間には変わりはありません。
世間から見れば自分は親殺しの娘でしかなく、とき先生を守る為にバレエを捨てるしかありませんでした。
それは、とき先生との決別でもあり、本当の意味で親を失ったのだと告げます。
でも自分の手で復讐を果たしたかったと、復讐をする甘美な誘惑には勝てませんでした。
後悔をしているのかと凜に問われるも、和代は言います。
もし時間をやり直せても、同じ結果を選ぶ。
それだけ復讐は甘美なモノであるのだと、そう告げた後に和代は凜に言います。
自分みたいにならず、私を反面教師にしなさいと。
その和代の言葉を凜は素直に受け取ります。
第76話 夢の計画
凜にバレエを教えるためにと早速に専門店へと訪れ、衣装から必要なモノを買い揃えてくれる和代。
そんな中で凜は、自分と同じ歳の少女に声を掛けられます。
声を掛けてきたのは時崎美羽。
かつて同じ幼稚園に通っていたと、凜は聞いてもいないことを一気に喋ってくる美羽に圧倒されてしまうも、彼女の母親に止められます。
美羽の母親もどうやらバレエ教室を開いており、彼女もまた、とき先生の下でバレエを習っていた生徒だったと知り、和代はここに凜を通わせることを決めます。
怒濤の勢いでバレエに必要な一式を手に入れ、和代は盛り上がっていました。
密は凜に本当に習いたいのかと訊ねます。
凜は未だに良く解らず、どうすれば良いのか決断に迷っていました。
しかし和代も密も決めるのは凜だと言い、彼女は静かにバレエを学ぼうと決意します。
和代が見出してくれた可能性や、和代がどん底から這い上がることの出来たバレエに可能性を信じた凜。
そんな彼女に、密は素晴らしい夢の計画を立てる事を約束してくれます・・。
復讐の未亡人 21巻の感想
今回は和代さんの壮絶な過去の一編が描かれていました。
最初は変なお婆ちゃんかと思っていたのですが、相当に苦労していたんですね。
毒親に苦しめられてしまう人生とは・・、考えると憂鬱になってしまう内容でした。
まともな親ならば問題はありませんが、そうでない親ならば、どんでもない最悪の人生になってしまう・・、まさにその通りだと思います。
世の中にはそんな悪い親は居ないと言い切ってしまう人が多いですが、実際にはそんな大人もいるのだと、経験者が語れば重い内容となりますね。
和代さんにとって毒親は憎むべき相手などとは、簡単には語りきれないほど、相当な恨みを抱えていたようです。
彼女の闇が重くのし掛かってきました。
確かに、和代さんはどこかぶっ飛んでだ感じのお婆ちゃんですが、あのような人生を送っていれば、そうなりますね。
それに密さんと同じように、復讐の甘美を知っており、彼女もまた、復讐に身を投じた女性だったんですね。
世の中は、綺麗な部分もあれば、汚い部分もあるなど、解ってはいる事なんですが・・。
実際にそんな汚い部分に生きていく事になれば、どうなってしまうのでしょうか?
生き抜くためには人を殺すことが出来るのかという、その覚悟は、並大抵のものではないでしょう。
それだけ和代さんの親に対する憎しみが強かったのですね・・。
彼女の人生は、常にそんな過去からの脱却を目指したモノだったのだと、改めて凄みを感じます。
息子が自由になりたいと告げた時に、必死になって止めたのも、過酷な人生を経験したからこそ、息子にはそんな人生を歩ませたくないという彼女の愛だったんですね。
凜の境遇を知り、彼女の運命を大きく変える為にバレエに可能性を見出そうとするとは、本当に良いお婆ちゃんです。
これまで悪いお婆ちゃんと思っていたことをお詫びしたいですね。
凜ちゃんのバレエ活動がどうなっていくのか、今後の展開が読めなくなってきました。
次巻はどんな展開かと気になりますね・・。
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