魔法使いの嫁 5巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
チセが灰ノ目から祝福に贈られた物は人狼の毛皮でした。
毛皮によって狐となったチセは本能のままに野を駆け回り人であることを忘れそうになります。
しかし、帰るべきところを持った心は元に戻り無事に帰る事が出来るのでした。
その夜、バラの庭のリャナン・シーが悲痛な声を上げチセに助けを求めてきます。ジョエルに何が・・。
魔法使いの嫁 5巻には第21篇から第25編が収録されています。
魔法使いの嫁 5巻のネタバレ、あらすじ
第21篇 Looks breed love.
血を吸う美しい妖精のリャナン・シーの悲痛な叫びに応じてジョエルの元へと向かうチセ。
そこにはチセの呼びかけにも応じない精気の抜けたジョエルの姿がありました。
ほどなくエリアスが現れ「死にかけている」と告げると、リャナン・シーは動揺を隠しきれず「愛してなんていない」と繰り返し呟くのでした。
リャナン・シーによって少しずつ命を削られてきたジョエルは限界を迎えている様です。
ようやく目を覚ましたジョエルにエリアスが事情を説明すると、ジョエルは叶うのなら、最後にリャナン・シーをひと目見たい様でした。
ジョエルとリャナン・シーの二人に最後の時が近づいている事に、チセは自分に何かしてあげられることはないかと考え、妖精の塗り薬の作成を思い付きます。
・・が、それは本来人間に使うべきものではないものでした。
第22篇 A conteneted mind is a perpetual feast.
妖精の塗り薬の作成には5日かかります。
しかも妖精の力は借りられないため、自分の操る魔力だけで状態を安定させ、ずっと薬の瓶から離れることはできません。
最初は魔力を安定させる事が出来ずに失敗しましたが、魔法の流れるイメージを集中することで何とか安定させることが出来ました。
何故そこまでしてくれるのかとのリャナン・シーの問いにチセは、自分の為に笑ってくれた人にはそのままでいて欲しいだけだよ、と答えるのでした。
5日目の朝、ようやく完成した薬を、自分の好きにしていいんだよ、とリャナン・シーに渡しました。
ジョエルは最後にリャナン・シーと意思疎通が図れ、お互いの想いを語った後に逝ってしまいました。
家に帰ると、妖精王オベロンが妖精の塗り薬は人間が作るのはご法度なんだよ、と言って回収に来ました。
しかし、残りを渡そうとした時、チセは血を吐きその場に倒れこんでしまいました。
第23篇 Fools rush in where angels fear to tread.
チセが作り出した魔力の大きさに体が耐えられず血を流し始めた様を見て、妖精王オベロンはエリアスに妖精の国へつれてくる様に言います。
エリアスは少し抵抗がある様ですが、シルキーに留守を頼みオベロンと共に妖精の国へ向かうのでした。
チセが意識を取り戻すと、ここは妖精の国の蟻塚と呼ばれる所だと説明を受けます。
治療と説明をしてくれたのは、人の世界で医者をしていたチェンジリングの妖精でシャノンと名乗りました。
エリアスが妖精王オベロンからチセを妖精の国に留め人間を捨てさせてしまった方がいいと言われている頃、チセは傷によく効くという池に沈められてしまいます。
エリアスはたとえそれがチセにとって良い事だとしてもチセには人間のままでいて欲しいと答え、チセは死んでしまうより生きていたいと願い水の中から出て来ます。
生きたいと願わなければ傷は塞がらなかったとシャノンは言い、チセの傷は塞がるのでした。
治療を終え妖精の国を出ると、外は一面の銀世界へと変わっているのでした。
第24篇 There is no place like home.
チセが妖精の国で治療を受けてる間の留守を頼まれたシルキー。
季節は夏から秋へと変わりましたが、チセとエリアスはまだ帰って来ない様でした。
庭掃除をしたり模様替えをしたりと二人の帰りを待ちます。
シルキーは玄関を入って来たらすぐに分かるように呼び鈴を掛けますが、鈴が鳴っても客人が来るだけでした。
ソファーに横になり目を閉じると、そのまま昔を思い返すようでした。
シルキーはかつて人の死を予見し泣く女の妖精バンシーであり、付いていた家が絶えしまい放浪しているところスプリガンに出会いました。
スプリガンに家はどうしたのか?と問われ、人の傍にいたいと告げるとそれを察して人の住む家を勧め、今度はお前が明かりを守ればいい、とバンシーをシルキーへと変えてくれるたのでした。
ふと気付くと、窓の外は銀世界に変わっています。
すると呼び鈴が鳴りチセとエリアスが帰って来た様でした。
第25篇 The longest day has an end.
冬至になるとやってくる妖精ユールの双子が冬至の支度が出来たか聞きにきました。
冥府の者が悪さしないように、冬至の日にユールログの薪を燃やすようです。
冬至は1年の中でも特別な日なのでやることが沢山あるんだ、とエリアスが言いました。
ユールの双子はヒイラギとキヅタを置いて、あちらこちらと呼びかけにまた飛び立っていきました。
ヒイラギは日本でも魔除けだったけどツタは日本にはあまりなく、あちらでも魔除けになるのかと疑問を抱くチセですが、その土地の言い伝えなどによって違うだろうからならないだろうね、ということです。
チセはこの国のやり方を教えようと言われエリアスと出かけます。
イチイの枝は死神から守ってくれるから持っておいて、と言われました。
オークの枝を取っているとルツが何かに気付きエリアスがチセに目を閉じて木に隠れようと言います。
黒い女神と冥府の鹿が現れ、先ほどのイチイの枝のおかげで見つからずに通り過ぎて行くのでした。
魔法使いの嫁 5巻の感想
リャナン・シーとジョエルの為にと妖精には疎まれる薬を作ろうとするチセ。
誰かの為にと魔法らしい魔法を初めて使って妖精の塗り薬の作成に挑みます。
それは隣人の力を借りられず、自らの魔力のみでしか作ることが出来ない代物であり、魔力量と魔力操作を5日間も一定に維持しなければ完成しないのです。
スレイ・ベガとしては魔力を吸収する力が優れている為に魔力量は問題ないとしても、チセは自分でその事は調整出来ない様です。
アンジェリカに作ってもらった指輪が切れてしまい薬の完成後に体調を崩してしまいました。
チセは妖精の国で治療を受けて何とか回復しますが、能力を制御出来ないままでは短命となるという寿命との闘いはまだまだ続くようです。
自分に笑顔でいてくれた人には笑顔でいてもらいたい、と奮闘しますが自己犠牲感がまだ強い印象を受けます。
これから先、今まで以上に人と接する事が増えてきた時に、何かのきっかけで自分も大事にすることを願うばかりです。
第25篇では英国の冬至の習わしみたいな物語になっています。
アットホームな感じが見れ、人とは違う為に不幸だったチセが本当の居場所を得た様な、とても暖かな気持ちになりました。
さて、最後はアリスが何やら手紙を送るところで終わっていますが、誰にどんな内容を宛てたのでしょうか。次巻のお楽しみです。
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