「海街diary 3巻 陽のあたる坂道」のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
吉田秋生(よしだあきみ)先生の、鎌倉を舞台とした傑作漫画「海街diary」(全9巻)。
主人公のすずと3人の姉達の父が亡くなって、1年が過ぎようとしていました。
一周忌のため、山形へ向かった四姉妹。
そこで、ある事実が突き付けられます。
すずは鎌倉のサッカーチーム「オクトパス」のチームメイト、裕也のことが気になりだしたり…。
長女の幸は、3年間交際を続けている男性から、アメリカに行くと告げられます…。
海街diary 3巻 陽のあたる坂道 には全4話が収録されています。
海街diary 3巻 陽のあたる坂道 のネタバレ、あらすじ
1 思い出蛍
すずたち四姉妹は父の一周忌のため、父が晩年を過ごした山形へと向かいます。
一年前と同じく、かつて父が働いていた温泉旅館に宿泊することになりました。
そこで父の再再婚であり、すずの義母である陽子は、もうこの町にはいないと、陽子のおじから告げられます。
驚きを隠せない四姉妹。
陽子はもう別の男性と交際していて、米沢にいるとのことでした。さらに、一周忌には出られる立場にはないと…。
施主は結局、長女の幸(さち)が務めることになりました。
幸は陽子のおじに対して、『おめでとうございます どうぞお幸せに』と声をかけます。
幸の発言にすずは、憤りを覚えます。
すずは幸に対して、『陽子さんひどいって! なんで言ってくんないの!?』と言って口論となります。
そのまま部屋を出ていったすず。
次女佳乃(よしの)は、『初めてじゃない?すずがお姉ちゃん口答えしたの』と。
三女千佳(ちか)も『なんかフツーに口げんかしてたよねー』と。
そして、一周忌法要の当日をむかえることとなります…。
2 誰かと見上げる花火
鎌倉へと戻ったすず。所属するサッカーチーム「オクトパス」のメンバーにお土産として温泉まんじゅうを差し入れます。
チームメイトからは、『いいなあー 温泉かー』とうらやましがられますが、裕也(ゆうや)だけは、父の一周忌だということに気付いてくれます。
『なんだかドキドキする』とすず。
裕也に対して、特別な感情があるのに気付いてしまいます。
幸は看護師長から、新設される「緩和ケア病棟」への異動の打診を受けます。
交際している男性に、電話で相談する幸。
花火大会の日にその男性と会う約束をしていましたが、急に用事が入り会えなくなったと言われてしまいます。
千佳は勤めているスポーツ店の店長から、横浜で幸のことを見かけたと告げられます。
『なんかデートだったみたいだよと』と。
その相手とは…。
3 陽のあたる坂道
裕也が手術後初めて、試合形式の練習に参加します。
すずをはじめとした「オクトパス」のチームメイトは、ショックを隠せません。
それは―『裕也はやっぱり以前の裕也じゃないんだと』―と。
それが皆、もろに顔に出ていますが、風太だけは一人冷静なのでした。
『いつもであれば まっさきにカオに出るのに』と不思議に思うすず。
夏休みも終わりに近づき、すずは思います。
―『もうすぐ1年になるんだ』―
山形から鎌倉に来て、香田家の異母姉(いぼし)達と暮らすようになって、初めての夏休みが終わろうとしています。
すずはサッカーの練習から帰宅すると、幸から『甘いもん食べに行かない?』と誘われます。
甘味処を訪れた2人。
そこで幸からすずは、『高校のこと考えてる』と言われます。
『え?』と思わず固まってしまうすず。
すずは来年には、中学校3年生になるのでした。
そして、この鎌倉にきてからの、1年を思い返すのでした…。
4 止まった時計
幸は交際している男性の部屋に来ていました。
そこで男性から、『おれアメリカへ行こうと思ってるんだ』と唐突に言われます。
そして、『いっしょにきてくれないか?』とも…。
自分の正直な気持ちがわからず、迷っている幸がいました。
『それが今のあたしの正直』と…。
幸は、すずが所属するサッカーチームの監督であり、同じ病院に勤務する理学療法士の井上泰之(いのうえやすゆき)と一緒に、院内のアロマテラピーの講習会に参加していました。
そこに、同僚から患者の急変が重なり、手伝ってほしいと助けを求められます。
そこで、典型的なダメナースだと思い込んでいたアライが、丁寧にエンゼル・ケア(死後の処置のこと)を行うことに初めて気が付きます。
泰之もサッカーチームのキャプテンである風太から、右足を切断し、今は義足をつけてプレーしている裕也が『右足はもう見切って左の精度を上げようとしている』と言われショックを受けていました。
泰之はそのことには、まったく気付いていなかったからです。
病院からの帰り道、泰之は『一杯飲みたい気分なんです』と言って幸を誘います…。
幸は交際相手に、稲村ケ崎の海へ降りるいつもの階段で待ち合わせしようと、メールを送ります。
そして当日、幸は交際相手にあることを告げるのでした…。
海街diary 3巻 陽のあたる坂道 の感想
―止まったままの時計も、いつかは少しずつ動き出す―。
そんなフレーズが、「海街diary 3巻 陽のあたる坂道」のキーワードではないでしょうか。
すずは父の一周忌のため、かつて暮らした山形に向かいます。もちろん3人の姉たちと共に。
そこで元・義母である陽子が、もう山形にはいないと聞いて、驚きと怒りを隠せません。
その不満を、長女の幸にぶつけたすず。口げんかとなった二人。
しかしそれは本当の意味で、すずと3人の姉達が、姉妹となった瞬間ではないでしょうか。
つまり、気をつかう間柄ではなく、感情をぶつけ合うことのできる間柄になったということ。
すずの時計は、父が死んでから止まったままだったかもしれません。
しかし、鎌倉に住む3姉妹の妹となり、その針は徐々に動き出したように思えました。
一方の幸は、3年間交際をつつけている男性との関係に、ある決断を下します。
信用金庫に勤める次女の佳乃は、窓口業務から「融資課長席付お客様相談係」へ出世?します。
お得意様の前ではなった、『生きてナンボです!』は名言ですね。
三女の千佳は、すずと一番仲が良いのではないでしょうか。一緒にお菓子作りに励んだり…。
すずの裕也への淡い恋模様も描かれます。
サッカーチームのチームメイト、風太の精神的成長もたくましいです。
登場人物は多いですが、その分丁寧に読んでいただきたい作品。それが「海街diary」です。
物語は、「海街diary 4巻 帰れない ふたり」へと続いていきます。
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