「海街diary 8巻 恋と巡礼」のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
吉田秋生(よしだあきみ)先生の、鎌倉を舞台とした傑作漫画「海街diary」(全9巻)。
本巻では、三女・千佳の妊娠が明らかになります。
しかし、それを知っているのは、千佳とすずだけ…。千佳は交際している浜田店長にも、そのことを伝えていないのでした…。
「海街diary 8巻 恋と巡礼」は、目を離すことのできない物語、全4話と「千佳&すずの鎌倉パワスポめぐり」が収録されています。
海街diary 8巻 恋と巡礼 のネタバレ、あらすじ
1 乙女の祈り
すずの所属するサッカーチームは、地元の大会の試合に臨んでいました。
その試合ですずは同点ゴールを決め、風太は見事にPK戦を制したのでした。
その後チームメイトは、山猫亭で祝勝会を行っていました。
そこにある女性がやってきます。
最初は誰もが、誰だかわかりませんでしたが、それはアフロヘアから髪を短く切った千佳なのでした。
すずは思いを巡らせます。
―『髪を切ったのって ひょっとして』―
千佳は持参したパソコンで、今はネパールに滞在している浜田店長からのお祝いメッセージを見せてくれました。
パソコンの画面をのぞき込む、すずやチームメイトたち。
浜田店長は日本にいた時のメタボな体形からすっかり痩せていて、皆は驚きます。
そして千佳から、浜田店長は友人のエベレスト登頂のサポートとすると言っているとも…。
山猫亭の仙一は、驚きを隠せません。
そして千佳に対して、浜田店長が一時帰国した時に山猫亭に寄るよう伝えます。
季節は、一番ゼミの頃をむかえていました。
―『夏が来るんだ みんなですごす最後の夏が』―
すずはサッカーの練習の帰り道、地蔵堂の軒下で横になっている千佳を見つけます。
顔が「まっさお」な千佳。
すずは、思わず『…赤ちゃん いるの?』と千佳に問うのでした…。
2 恋と巡礼
千佳とすずは、8千メートル級の山、エベレストへと向かう浜田店長のために、鎌倉のパワースポット8か所を回っていました。
すずは、まだ3か所しかクリアしていないので、期末テストの最終日に残り5か所を半日で回りたいと、チームメイトに相談します。
将志は、地図に強い風太に一緒についていってやれと助言しますが、すずはやんわりと断ります。
―『安全祈願が目的だけど 安産祈願もしたいわけで…』―
千佳が妊娠していることは、本人とすず以外知らないのでした。
結局、パワースポットを回る順番は、風太が考えてくれることになり、何かあれば風太の兄・光良の携帯に連絡することとなりました。
晴れた夏の日の午後。千佳とすずはパワースポット巡りに向かいました。
すずは道に迷ったため、風太の兄・光良の携帯電話に助けてほしいと連絡をします。ちょうど光良と風太は、配達の仕事の途中ですぐに向かってくれることになりました。
そんな中、千佳は体調を崩し、路肩に座り込んでしまします。
風太達と合流した千佳とすず。
『…大丈夫 少し休めば…』という千佳。
しかしすずは、『赤ちゃんにもしものことがあったらどーずんの!!』と思わず叫んでしまうのでした…。
3 姉との旅
すずが所属するサッカーチーム。3年生であるすず達は、公式戦引退の時期をむかえていました。
キャプテンも、風太から後輩へと引き継がれました。
そこで監督の泰之から、すずが静岡にあるサッカーの強豪高校に特待生として進学することが、チームメイトに告げられました。
泰之から『ひと言お願いします』と突然ふられたすず。
『今度また新しい街で新しいチームに入ります でもゼロからのスタートは慣れているので大丈夫です』と力強く答えるのでした。
すずと幸は、高校の説明会のため、静岡の掛川に向かっていました。
新幹線からローカル線に乗り換える、2人の旅路。
駅で、いかにもスポーツをやっていそうな女子学生を数名見かけます。
みんな、不安そうな表情をしているのでした。
幸は『みんな同じ 新しいことを始める時は 誰だって不安でざわざわする』と、すずを諭すのでした。
千佳と佳乃は、鎌倉のパワースポット巡りの続きで、由比若宮(ゆいわかみや)にお参りに来ていました。
その帰り道、佳乃は千佳に母親の都(みやこ)に、妊娠したことを連絡したのか問います。
『…いや まだ』と千佳。
『お母さん喜んでくれるかな』と思いを巡らすのでした…。
4 満月と言霊(ことだま)
大船の大叔母が、妊娠中の千佳を心配して、香田家を訪れていました。
そこで「つわり」がひどいという千佳のために大叔母はすずに、つぶしたトマトとすりおろしたリンゴを混ぜた『とまとちゃんつぶし』の作り方を教えてくれました。
千佳は思わず『なつかし~』と喜び、ペロッとたいらげたのでした。
大叔母の帰り際、千佳宛てに新巻ジャケ1本と大量のトウモロコシが届きます。
それらは、今は札幌に住んでいる千佳たちの母親、都からのものでした。
的外れの贈り物に対して、幸や佳乃はあきれ返ります。
結局、香田家では持て余してしまうので、すずと風太は、チームメイトの美帆や山猫亭の仙一らに鮭とトウモロコシをお裾分けに行くことになりました。
配り終えた2人は甘縄神明宮(あまなわしんめいぐう)で、すずの手作り弁当を食べることにしました。
たあいのない会話の中、風太は『中学生最後の』という言葉を思わず飲み込んでしまうのでした。
―『口に出すと 言葉は力を持って 何もかも「最後」になってしまう気がして』―
5 千佳&すずの鎌倉パワスポめぐり
作品に登場した、鎌倉の神社仏閣が2ページにわたり、紹介されています.
海街diary 8巻 恋と巡礼 の感想
「海街diary」も8巻まできました。物語もいよいよ大詰めです。
妊娠をしたことを、隠し通すつもりだった千佳。
―『彼には山に集中してもらいたいから』―
それは父親になる浜田店長に、エベレスト登頂のサポートという大仕事に集中してもらいたいという、千佳の気持ちからでした。
しかし、すずには偶然に、妊娠の事実がばれてしまいます。
秘密を抱えることになったすず…。
『―だけど それでいいのか…な』
妊娠してことを父親になる浜田店長にも、隠そうとする千佳に対して、すずは違和感を覚えます…。
ほんとうの意味での、優しさとは、人を思うとは何なのかを考えさせられます。
一方、すず本人も高校進学という事実に、直面していました。
すでに静岡のサッカー強豪校に特待生として、進学することが決まっているすず。
その説明会のため、長女・幸とともに静岡へと向かます。
沸き上がる不安に、みんな同じだと幸は優しく諭します。
そして、『どうしても だめだと思ったら』、『帰っておいで』と幸は続けます。
それは異母妹であるすずが、もう本当に家族の一員であることを、疑いようのない事実であることを表していると感じました。
「海街diary」も残すところあと1巻。最後まで目を離すことはできません。
物語は、いよいよ最終巻「海街diary 第9巻 行ってくる」をむかえます。
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