魔法使いの嫁 4巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
リンデルに杖を作りにドラゴンの国へ一人で来たチセ。そこでリンデルとエリアスの過去の出来事を知ることになります。
一方のエリアスは、チセが来てから初めて寂しさを感じるのですが、本人はそれが寂しいという感情なのだという事が分かりませんでした。
魔法使いの嫁 4巻には第16篇から第20編が収録されています。
魔法使いの嫁 4巻のネタバレ、あらすじ
第16篇 Once bitten, twice shy.
その冬は南に行くのをやめて独りで過ごそうとしていた時、狼が出て夜通し寝ずの番をする羽目になったリンデル。
しかし狼は現れず、代わりに化の者、後にエリアスと名付けられる者が現れました。
彼は何処から来たのか、自分が何者なのかも分からない様子だったので、これも何かの縁と思い師匠に尋ねることにしました。
しかし、師匠も何も分からないとのことで、リンデルに面倒をみるように言い、その者にエリアスという名前を授けました。
そうして何年か一緒に旅をすることとなったのです。
ある時、食べ物が少なくなったので人里に寄り、病の治療の代わりに食料を分けてもらおうとしていました。
リンデルの影の中に隠れていたエリアスを人の子が見つけ騒動が起きてしまい、無理やり魔法を使ってしまった為に酷く疲労したリンデルを介護していたエリアス。
ふと一言「よく覚えていないけど、人間を食べたことがあるんだと思う。」と言うのです。
第17篇 Lovers ever run before the clock.
もし、自分の師が人食いの化け物だったらどうする?とリンデルはチセに問いました。
するとチセは、日本に居る時にも人間をおいしいとかいう化け物が居て襲われたりして怖かったけど、エリアスの事は一度も怖いと思った事がないと言うのです。
もし本当に人間を食べた事があったとしても・・。
それ以上は直接エリアスに言えと口をつぐまされてしましました。
逆にリンデルはどう答えたのかと問うと、とにかく話をそらしたそうです。
杖の握りの部分の樹を選び、加工は己と対話しながら自分で持ちやすいようにやれと言われたチセ。
チセは自分の事を何も考えてこなかったからと、樹を削りながら黙々と加工していたら暗くなっていたことも気づかずリンデルに呼ばれるまで削り続けていました。
続きは明日にして、今夜は月が明るいから良いものを見せようとリンデルが歌い、苔に花が咲き、エルフが踊り、それはそれはとてもきれいな景色なりました。
この景色をエリアスにも見せたいと思ったら、魔法の力で水鏡みが開きエリアスとつながったのです。
第18篇 Better to ask the way than go astray.
杖が出来上がり、最後の仕上げをリンデルが行うと、チセの意識が交わらぬものが交わること許されるという境目まで飛んで行き、杖に使った枝を通してネヴィンとつながりました。
ネヴィンに促されてチセは思っている事を話します。
最初はいつ放り出されてもいいと思っていたのに、いつのまにかエリアスが話してくれない事が心配で不満になってしまったと。
でも、エリアスが今まで放り出すような素振りを見せたことがないのなら、そんな心配なんかするだけ無駄だとネヴィンに言われてしまいました。
それに、自分を捨てられるものみたいに低くみるということは、チセに救われた者たちも、どうでもいいと思っているのと同じだとも言われてしまいました。
自分に誇りを持って自身がどうしたいかを考えて欲しいと、言いたい事も聞きたい事もすぐに言葉にしたほうがいい。と言葉を残して境目は閉じてしまいました。
そう言われたので、リンデルに礼を言うと魔法を使ってエリアスの元へと飛んで行くチセでした。
第19篇 It is a long lane that has no turning.
本当に飛んで帰って来たので魔力の消費が激しくてそのまま眠ってしまった様で、目が覚めたのは2日後だったみたいです。
窓の外には綿虫と呼ばれるものが、うようよ飛んでいました。
エリアスと一緒に綿虫の毛刈りをしながら綿虫の説明を受けて、綿虫は冷気を食べて羊に似た毛を生やすのだとか、魔法や魔術に利用するのに適していて、枕にすると良く眠れるそうです。
でも、綿虫に似た雪虫というのが居て暖気を食べるとかで、チセは襲われて体の熱を奪われてしまいました。
エリアスが抱きかかえながら綿虫を引っ付けてくれたので何とか回復できました。
その流れでドラゴンの国での事とかの話をしましたが、例の人間を食べた話題になった時、エリアスが記憶を消そうとしましたが、大事な人の記憶なので消さないで欲しいと頼みました。
それとエリアスが怖いとかではなく、手を離される事が怖いと伝えたら、チセが居ない時寒かったのは人としてはどういう感じなのかと聞かれたので、それは「寂しい」という感情だと教えました。
第20篇 East,west,home’s best.
チセは自分の1日を手紙に書くようです。
エリアスにお客が来たので呼びにいったら、まだ寝ていました。どうも朝が弱いようです。
お客は羊に見えましたが、ルツに言われ本来の姿を目にしましたが、見なかった事にしたようです。
そのうちサイモンさんが喉の薬を取りに来ました。
咳き込んでいたので薬と一緒にニワトコの花のシロップを渡したら、エリアスに初めてもらったのもこれだったと言って、ちょっとした昔話をしてくれたようです。
午前の仕事が終わったら魔法の勉強の時間です。
リスクを知らずに使うと痛い目をみるのでしっかりと学ばないといけない様です。
勉強中にお客は帰ったみたいでエリアスが杖を見に来ました。
本当はエリアスが仕上げをしたかった様ですが、次があったら頼む事にしました。
夕暮れにまたお客が訪ねてきましたが、何千年と生きている人ではない者で、チセの事を祝うと言って人狼の毛皮をくれましたが、おかげでチセは狐になってしましました、と綴ったようです。
その日が終わり寝ようとしているとリャナン・シーが助けを求めてチセの元へやってくるのでした。
魔法使いの嫁 4巻の感想
リンデルの元で杖を作り仕上げを終えた時に、杖に使った枝を通してネヴィンとつながり、もっと自分の事を言葉にして話すようにと背中を押されたチセは、これまでよりも積極的にエリアスと会話をするようにします。
チセ自身もエリアスも、最初は自分を買ってくれてそこに置いてくれるだけで良かったのに、手を離されるのではないかという心配。
最初は形だけ弟子という事にして傍に置いておくだけのつもりだったのに、手を離れていくのではないかという感情。といった互いに悪い結果になるのを心配していた事が分かり、互いに必要な存在だと認識したようです。
リンデルが言っていた通り、エリアスは人としては何かが抜けている、まるで子供がそのまま大きくなって大人のふりをしているような感じです。
その足りない人としての感情をチセが人間の先生として教えていくのも、チセが自分自身と向き合いながら、今までとは違う人との関わり方が出来るようになる為に丁度良いのではないかと思います。
さて、巻末でバラの庭で会ったリャナン・シーがチセに助けを求めて来ました。
いったい何が起きたのでしょう。続きは次巻のお楽しみです。
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