魔法使いの嫁 1巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
その少女チセは酷く疲れている様子でした。
人には見えないものが見えてしまうせいで退けられ、頼れる人も帰る場所もなく、勧められるがままに自分自身をオークションに出品するのでした。
しかし、彼女はある世界にとってはとても貴重で特別な存在だということを、彼女自身は知らないのでした。
魔法使いの嫁 1巻には第1篇から第5編が収録されています。
魔法使いの嫁 1巻のネタバレ、あらすじ
第1篇 April showers bring May flowers.
とあるオークション会場。競り値がやたらと吊り上がっていきます。
希少な存在として出品された少女チセは、自分に価値があるなどと思っていませんでした。
しかしやがて破格の値段で競り落とされます。落札したその者は滅多に人前に現れない魔法使いエリアス・エインズワースでした。
今まで、人には見えないものが見えてしまう事で退けられ苦しんできたチセ。
いつか良かったと思えるようにしようとエリアスは言います。
そして、チセは一瞬で別の場所に連れて来られます。そしてエリアスは弟子として歓迎するよと言って家へと招き入れるのでした。
お風呂や食事を与えられ、本当に歓迎されているようだと思ったチセ。
あなたは本当に魔法使いですか?弟子とは?とエリアスに質問をしてみます。
その問いに魔法使いのエリアスはこう答えるのでした。
本当さ、今は若手不足で、才能がある者は人身売買も容認されている。君のようにと。
夜、寝床に現れたのは昼間に寄ってきた妖精でした。
妖精はチセを夜の散歩へと連れ出し、とある場所へと引き入れようとするのでした。
第2篇 One today is worth two tomorrow
朝、目覚めると、チセは魔法使いに買われ弟子にすると、更には嫁にすると言われた事を思い返します。
エリアスは今日、彼女を弟子にしたことを買い物ついでに知人に紹介するということで街へ出かけるのでした。
訪れた所は表向きは営業しているとは思えない様子でしたが奥に入っていくと、現れたのはアンジェリカという女主人でした。
いろいろな物が置かれた工房と思われる所に通され、エリアスが弟子チセを取った事を告げ、彼女が使う道具を揃えてほしいと女主人に頼むのでした。
女主人は、自分は魔女で「マギウス・クラフト」の技師だとチセに告げます。
女主人の娘も魔女の素質があるとのことで、魔女の素質とは何なのかを尋ねてみるチセでした。
そして、チセは本当に自分にも魔法が使えるのか聞いたところ、試してみることになります。
すると、ここで「スレイ・ベガ」としての能力が初めて分かることになるのでした。
買い物を済ませ家に帰ると、そこには魔法使いと彼女を待っていたという神父の装いをした人が、ちょっとしたおつかいを頼みに来たと言うのでした。
第3篇 The Balance distinguishes not between gold and lead.
神父サイモンと魔法使いエリアスの話を聞いていると、どうやらエリアスは教会に監視されている様子でした。
今回、チセを弟子にしたことに関して、何十年と動きのなかったエリアスが動いたという事はかなりの大事で、さすがに教会に報告せざるをえないと告げる神父。
そして、その事を悪く捉えられないようにとエリアスに”おつかい”を持ってきたようでした。
さて、おつかいがてらにハネムーンに行ってこようかと、エリアスとチセが向かった先はアイスランド、ここにドラゴン達の巣があるというのです。
どうやら最近、そのドラゴン達の活動が活発になっていて、様子を見てくる事を頼まれたようでした。
ドラゴンの国に連れてこられたチセの目の前にはとても大きなドラゴンが、そしてそのドラゴンはもうすぐ地に還ると語る人。
このドラゴンの国を普通の人間から隠す役目をしている魔法使いが居るのでした。
大きなドラゴンと語り合うチセ。彼女の記憶を見たドラゴンは、本当に飛ぶ楽しさを教えた方が良さそうだと、心の中にある空を彼女に見せるのでした。
第4篇 Everything must have a beginning.
揺れる感覚に目を覚ましたチセ、どうやらドラゴンの巣を出た後すぐに眠ってしまったようでした。
次の旅行先に向かう列車の中での事。
客室に現れた車掌と思われる”それ”は、使者の来訪を告げに来た様で、この列車は人間用じゃないのさ、とエリアスは言うのでした。
通されたのは、人間の言葉を話す猫でした。驚くチセにその猫は、ななつめですから喋れない方がおかしいと話します。
猫には九つの命があり、命を経るごとに賢くなると語るのでした。
ウルタールで猫の王が待っている。
そうして辿り着いた町には猫が多く「猫の国」と呼ばれているようでした。
町を歩くうちに猫の王に出会い、魔法使いエリアスの事も、チセの事も既に知っている様でした。
嫌な気配がするんだよねぇ。そう言ってエリアスは様子を見に行ってしまったので、チセは猫の王に連れられ問題の場所へと案内されます。
案内された池の小島に澱みを封じ、代々の王が自らの命を使って澱みを縫いとめてきたが、どうやら出てこようとしているらしいとの事。
すると突然、彼女は何者かに池に投げ入れられてしまうのでした。
第5篇 Misfortune seldom come singly.
池に落とされた彼女は夢を見ます。
病弱な女性とそれを優しく看病する男性、どうやら二人は夫婦のようです。
女性の方がチセに話しかけます。
これは私の罪であり私は澱みの核みたいなものだ。
この澱みは男性で、私のせいでこんなにも醜いものになり果てたと。
そしてチセにあるお願いをするのでした。
気付くと魔法使いエリアスに抱きかかえられていたチセ。
エリアスはチセにやってもらう事ができたと告げます。
君ならやれるとの言葉と、池の中の女性にお願いされた事もあり、チセはそれに応えるのでした。
人気のない夜に準備を整え、水の上を渡り小島へと辿り着くチセ。
魔法を使い澱みを消す事しか方法はないのか・・と思っていると、突如何者かに拘束されてしまいます。
それには利用価値があるので消されては困ると。
チセを拘束した者たちは、魔法使いエリアスの知る人物のようでした・・。
魔法使いの嫁 1巻の感想
主人公のチセは、人には見えないものが見えてしまい寄ってくる。そのせいでチセの母親は彼女の目の前で命を投げてしまいます。
人に退けられ、頼れる人も帰る場所もなく、全ては自分のせいでこうなっていると思ったチセは、世界を捨てようとしていたのでしょう。
そこで自分を欲しいと思う誰かに預けてみませんかと誘われた時に、果たしてチセはどう思っていたのでしょう。
競売場へ向かっているであろう場面で、チセを誘った人にこう言われています。
『貴女は特別ですから。』
チセはそう言われても、訳も分からないし、どうでもよかったのかもしれません。
自分を売るという事には何の目的も無かったのだろうと思いますが、彼女の意思や目的に関係なく、特別な存在として魔法使いエリアスに買われます。
魔法使いエリアスがなぜ弟子を取ろうとしていたのかは分かりません。
チセは今まで虐げられ自分自身を恨んできたその能力があったからこそ弟子として、家族として迎え入れられました。
さらには出会う人全てが優しく接してくれるという、今までとは真逆の世界です。
これから先、チセは魔法使いの弟子として、また嫁として、どんな事が起こるのか分かりませんがこの世界で、崩れてしまった心が少しずつでも治っていけたら良いなと思います。
続きが楽しみです。
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