「この世界の片隅に」(中巻)のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
この巻では、昭和19年7月から昭和20年4月までの出来事が描かれています。
嫁ぎ先である呉の北條家での生活にもだいぶ慣れてきた「すず」ですが、それに反するかのように第二次世界大戦下の日本の状況は悪化の一途をたどっていきます。
しかしそんな中でも人々の日常はあり、工夫をして生きていく姿があります。
この世界の片隅に(中巻)のネタバレ、あらすじ
第12回 19年7月
すずは呉の海岸線を写生しているところを、憲兵に見つかってしまいます。
間諜行為(かんちょうこうい=スパイ行為)だと憲兵にこっぴどく叱られるすずと北條家の人々でした。
第13回 19年8月
昭和19年8月より砂糖の配給が停止となり、いっそうの倹約が求められることになります。
砂糖を求めてヤミ市へと向かったすず。
そこには砂糖はもとより、スイカや浴衣生地、絵具までもがあるのでした。
何とか砂糖は購入できましたが、帰り道で迷子になるすずでした。
第14回 19年8月
ヤミ市からの帰り道、迷子になったすずは遊郭の遊女リンに道を教えてもらい、何とか帰宅するのでした。
第15回 19年9月
すずは周作から職場に、帳面を持ってきてほしいと頼まれます。
でもそれは周作が急ぎでもないないのに、わざと帳面を届けさせたのでした。
たまには息抜きをしなければという周作の心づかいに、しみじみとニヤニヤするすずでした。
第16回 19年9月
すずはリンのもとに、はっか糖やすいかの絵を描いた紙をもって訪ねます。
「ありがとうね」と言われるすずでした。
すずはリンにある悩みを打ち明けます。
そこでリンから「誰でも何かが足らんぐらいで この世界に居場所はそうそう 無うなりゃせんよ」と言われます。
「ありがとう」というすずでした。
第17回 19年10月
周作の父の姉夫婦が、物資疎開のため北條家を訪れます。
一家総出で手伝う中、すずは納屋の二階でりんどうの柄の茶碗を見つけます。
第18回 19年10月
すずは、竹やり訓練のための竹を切りに来ていました。
そんな中すずは、あることに気付いてしまいます。
周作の留守中にそっと書斎の机の引き出しを開けて、表紙の一部が切り取られたノートを見つけてしまいます。
第19回 19年11月
すずは落ち葉を使って、木炭の代用品を作っていました。
しかし夜になっても、周作の秘密が脳裏を離れないのでした。
第20回 19年11月
人々の悩みや相談に、径子が答える形で物語は進んでいきます。
第21回 19年12月
すずが井戸で水くみをしているところに、海軍に入隊していた水原哲(みずはらてつ・すずの小学生時代の同級生)がやってきます。
重巡洋艦「青葉」の乗員となっていた水原は、入湯上陸で外泊が許され、すずの家を訪れたのでした。
周作の判断で納屋の二階で寝ることになった水原。
周作はすずに、水原のもとに行火(あんか)を持って行くよう促します。
そして「せっかくじゃし ゆっくり話しでもしたらええ」「もう会えんかも知れんけえのう」と伝えるのでした。
第22回 19年12月
水原はおみやげとして海の真ん中で会った鳥の羽を、すずに手渡します。
すずはその羽を「羽ペン」にするのでした。
そして水原から「すずがここで家を守るんも わしが青葉で国を守るんも 同じだけ当たり前の営みじゃ」「そう思うてずうっと この世界で普通で...まともで居てくれ」と言われるのでした。
第23回 20年正月
正月ということで、「愛国いろはかるた」が紹介されています。
第24回 20年2月
すずの兄、要一(よういち)の遺骨が、広島の浦野家に帰ってきます。
それに合わせてすずと周作も浦野家を訪れていました。
そこに空襲警報が鳴り響きます。急いで畑の退避壕(たいひごう)へと逃げ込む一家。
警報が収まったとき、要一の遺骨の入った箱が何かの拍子に開いてしまいます。
しかし、その中身は…。
第25回 20年2月
雪の積もった日、すずはヤミ市に買い出しに向かいます。
その後、リンのいる遊郭へと向かいます。リンにあの「りんどうの茶碗」を渡すためです。
リンに直接会うことはできませんでしたが、テルという遊女がすずに話しかけてくれたおかげで、茶碗を託すことができました。
テルは風邪をひいており、高熱がある様子でした。
冬が嫌いだというテルのためにすずは、雪の積もった地面に竹やりを使って、南の島の絵を描いてあげるのでした。
たいそう喜ぶテルの姿がありました。
第26回 20年3月
ある春の日は、たんたんと始まり過ぎていきます。周作は出勤し、すずは野菜に水やりをし、周作の母はぬいものをしています。
突然、すずと晴美の上空に無数の戦闘機が飛来します。
ちょうど周作の父が帰ってきて「陰へ入れ 伏せえ!!」と叫びます。その声のもと、物陰に隠れる3人。
とうとう呉の街にも、空襲が押し寄せたのでした。
第27回 20年3月
ある夜の浦野家。空襲があっため、電灯には覆いがされています。
そこで径子は娘の晴美が小学校に入学するのに伴い、必要となるものの調達方法を考え悩んでいました。
教科書は、周作の父の同僚に譲ってもらうことにしました。
すずと径子は買い出しの帰りに、その同僚の家を訪ねました。
しかしその家は、先の空襲で大きな被害を受けていたのでした。譲り受ける予定だった教科書もすべて焼けていたのでした。
すずと径子はその帰り道、木材の下敷きになったまま放置されている遺体を目にします。
そこには「死が日常」である日常がありました。
第28回 20年4月
桜の時期、北條一家は二河(にこう)公園へお花見に出かけます。戦時下という非常時にも関わらず、多くの人でにぎわっています。
そこですずは、リンと再会します。そして「りんどうの茶碗」を託したテルのその後を知ってしまいます。
そしてリンは、「人は死んだら記憶も消えて無うなる」、「秘密は無かったことになる」とすずに話すのでした。
この世界の片隅に(中巻)の感想
「この世界の片隅に」(中巻)では、日々厳しくなる第二次世界大戦下の呉や広島の日常が、細やかに描かれています。
戦争は一般国民にも、直接的に影響をもたらし始めます。
食料や衣料品等の物資不足。戦地におもむいた者の死。昼夜構わず鳴り響く空襲警報、大量の戦闘機による空襲、そしてその死者…。
誰もがギリギリの状態であり、すぐとなりに「死」がある世界。そして誰しもが「死」を意識して生きている世界。
そんな世界でも時には家族で笑いあったり、桜の時期にはお花見に出かけたり…。
人々は健気に生きているのです。「すず」もそんな人々の一人なのです。
呉に嫁いで、ようやく友達のような関係を持つことができたり、周作の過去にふれて悩んでみたり…。
「この世界の片隅に」のタイトルの通りに、確かにこの世界の片隅に北條すずは生きているのです。
今後、「この世界の片隅に」という作品はどうなっていくのでしょうか。
そしてすずはこの後、あの昭和20年8月6日を、昭和20年8月15日をどのように迎えるのでしょうか。
ぜひ最終巻である、「この世界の片隅に」(下巻)を最後の一コマまで読んでみてほしいと思います。
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