ペットショップで売れ残ってしまっていた一匹の成猫。
その猫を気に入り、買ってくれた素敵なイケメンのおじさま。
おじさまと猫 3巻は、素敵なおじさまと猫・ふくまるとの生活を描いた物語です。
おじさまと猫 3巻のあらすじ・ネタバレと感想を紹介します。
おじさまと猫 3巻のあらすじ・ネタバレは?
おじさまとふくまるの幸せな日々は続きます。
おじさまはふくまるに長生きするんだよと声をかけます。
ペットショップでふくまるを受け取ったとき、おじさまは店員の佐藤よりもうすぐすぐ1歳になるので早めに去勢手術を受けさせるように言われていました。
しかし、手術のことは分かっていても、いざとなると心配して悪いことを考えてしまうおじさまでした。
動物病院の先生にふくまるを預けるときも、何度もふくまるを抱きしめます。
しびれを切らした先生さんから「まだですか」と言われ、おじさまは渋々ふくまるを渡します。
手術の間もおじさまは心配でなりませんが、無事に手術も終わり、ふくまると再会したおじさまは大喜びで家に帰ります。
そして、おじさまとふくまるは一緒にお風呂に入ったり、遊んだりと幸せな日々が再び始まります。
一方、音楽教室の若い同僚の森山はおじさまがピアノ演奏しているのをこっそりを聴いて以来、リズムやメロディー、言葉がどんどんとひらめくようになり、つい夢中になって3日も夜通しで曲作りをしてしまいました。
風呂も入らずに異臭を放つ森山を音楽教室の同僚女性は注意しますが、森山は反省する様子はありません。そこで女性は、おじさまに森山が臭くないかの確認をお願いしようとします。
森山は尊敬するおじさまにそのようなことはさせては失礼と思い、自分の行動を反省して女性に謝ります。そんな森山のやり取りをおじさまは笑いながら見ています。
森山はおじさまの笑顔に親しみを感じて、おじさまがピアノ室でこっそり演奏していたきらきら星変奏曲に感動したことなどを話します。
更に調子に乗って今度、ピアノコンサートに行くのでよかったら一緒にどうですかと誘うとおじさまはご一緒させてくださいとOKします。
ピアノコンサート当日、森山はおじさまとの待ち合わせにテンションが上がります。
そこへダンディな装いをしたおじさまが登場して、森山はエスコートします。
そして、コンサートが始まります。
演奏者は日比野奏、いま話題のピアニストです。
森山は、日比野の演奏は確かにとても上手いのですが、おじさまの演奏と比べると劣ってしまうように感じたのでした。
森山は改めておじさまの演奏は凄いと思い、おじさまを見ると体調が悪いのか、様子が変です。
びっくりした森山はおじさまの手を取り、会場から出ます。
森山はおじさまを家まで送り届け、音楽教室に顔を出します。
森山は職場の女性に一部始終を話し、おじさまはピアニストなのと聞きます。
すると森山は、音楽をやっている人で神田冬樹(おじさま)の名前を知らない人はアホかバカと言われてしまいます。
そして、おじさまは奥さんが亡くなられてから6回目のコンサートが終わったところで倒れ、その日を境に表舞台から姿を消したことを森山は知らされます。
森山は慌てて、おじさまの家に行き、コンサートに誘ったことを大変申し訳ありませんと謝ります。
おじさまは、意外にも嬉しかった、迷惑でなければまた誘ってください、更に今日、私のピアノでよければ聴いていってください、それと自慢のふくまるを紹介したいのですと言われます。
森山は、おじさまのピアノ演奏とふくまるとの出会いに大喜びです。
森山は、自分のバンド演奏を聴きにきてくれませんかとおじさまにお願いします。
するとおじさまは、喜んでと答えてしまいます。
その後、おじさまは自分がもしライブ会場で倒れて演奏をストップさせてしまったらどうしようかと反省して小林に相談します。
小林は、それなら行かなければ良いと伝えますが…。
おじさまは、自分の気持ちはライブに行きたいし、最後まで見たいし、聴いていたい。医者には何度も行っているがよくならないがどうすればよいのか、助けてほしいと小林に相談します。
小林は、自分を頼ってくれて嬉しい、40年付き合って初めてだ、荷物は捨てるか人に持ってもらわないと軽くならない、お前はぜんぶ背負ってしまうが、捨てられなければ人に持ってもらえと言います。
そして小林はおじさまに、お前はかっこ悪いところも弱いところもすべて見せてふくまるに荷物を持ってもらっていると教えます。おじさまはそのことに気がつき、ふくまるを抱きしめます。
日比野は自宅でおじさま(神田)がコンサート途中で帰ったことに腹を立てていました。
そこに日比野の母親が猫をキャリーケースに入れて訪ねてきます。
猫の名前はマリン、母親はマリンが小さいうちは可愛いがってくれましたが、大きくなるにつれて興味がなくなっていったのでした。
引っ越し先のマンションがペット禁止なのでこの猫をもらってと日比野に預けてすぐに帰ろうとします。
母親は日比野が子供の頃のピアノ発表会にも彼氏と会うから行けないというような人でした。
日比野はふざけるな、生き物はおもちゃじゃないと怒りますが、母親はよろしくねと言って帰ります。
困った日比野は森山(弟)が猫を飼っていたことを思い出し、電話で聞きます。
森山は猫を飼うのに必要なものを電話とメールで伝えます。
日比野は森山からの情報をもとにペットショップに買い物に行きます。
種類が多すぎて何を選んだら良いかと迷っていると店員の佐藤が声をかけてくれました。
日比野は店員さんから勧められた山のようなたくさんの商品を持ち歩いていると、足をつまずいて倒れ、商品を床にぶちまけてしまいます。
日比野はあまりの格好悪さに恥ずかしくなり、こんなところを絶対知人に見られたくないと思います。店員さんが心配して大丈夫ですかと声をかけてくれました。
そこになんと大量のキャットフードを手にしたおじさま(神田)が現れます。
日比野は目の前にかつて目標にして一緒懸命に頑張ったけれども届かなかった神様の最高傑作ともいべき男がなぜここにいるのかとあっけにとられます。
3巻のラストシーンです。
日比野は森山から言われたにとおり段ボール、ビニール袋、新聞紙で引き取った猫マリンのトイレを作りました。
マリンは恐る恐るキャリーケースから出てトイレで用を足します。
マリンは本当に日比野の家においてもらえるのかと涙を流して不安な様子です。
そこに買い物から日比野、そしておじさまが帰ってきます。
さて、この後の展開はどうなるのでしょうか。楽しみですね!
おじさまと猫 3巻の感想
3巻もおじさまとふくまるの穏やかな日常生活が描かれ、読んでいて幸せな気持ちになりました。
ふくまるの去勢手術のところでは、動物病院に預ける際におじさまが心配になって何度もふくまるを抱きしめてしまうところが、ほほえましくふくまるはおじさまに大切に思ってもらえて素敵だと感じました。
音楽教室の若い同僚の森山はおじさまの名ピアニストとしての過去を知る前も知った後もおじさまに対する態度が変わらずに率直に自分の気持ちを伝えている点が興味深く思いました。
おじさまもそうした裏表のない森山の人柄に年齢の隔たりを超えて好感を持っているものと思いました。
また、小林がおじさまに言った、荷物は捨てるか人に持ってもらわないと軽くならない、お前はぜんぶ背負ってしまうが、捨てられなければ人に持ってもらえ、との言葉も強く印象に残りました。
この言葉は、筆者自身にもよく響きました。
作者がこの作品を通じて伝えたい大切なメッセージのひとつなのだと思います。
日比野はおじさまに対して強いライバル心があり、ピアニストとしての実力は認めるもののあまり良くは思っておらず当初、気難しい人柄のように感じました。
しかし、母親から預かった猫マリンを引き取って育てるなど優しい面もあるようで良かったです。
ラストシーンは日比野とおじさまが買い物の荷物をもって日比野の家に入っていく姿が描かれて印象的です。
日比野とおじさまの人間関係はどうなっていくのでしょうか。
マリンは無事に日比野に気に入ってもらえ、安心して暮らせるのでしょうか。
続きが気になりますね。
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