魔法使いの嫁 19巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
リズベスを取り込み魔術書から顕現したのは名もない、なりそこないの神と呼ばれるものでした。
アダムの呪いに女神モリガンまでも加わります。
果たしてチセ達は窮地を乗り切る事が出来るのでしょうか。
魔法使いの嫁 19巻には第91篇から第95編が収録されています。
魔法使いの嫁 19巻のネタバレ、あらすじ
第91篇 Of two evils choose the less.Ⅱ
魔術書がリズベスを取り込むと、何かが顕現しました。
そこにモリガンが現れ、それに向かって言いました。半端ものが、と。
出てきたソレはリズベスの用意した術と、カレッジの生徒から奪った魔力を足掛かりにあちらから此方にと誘われ、名も与えられぬまま現れた、なりそこないの神だと。
モリガンはアダムの呪いにソレを祓うために自分の槍となれ、と言いました。
そしてソレと対峙する時、チセに向かいもはや自分は忘れられた存在ゆえに、ソレを滅ぼすそのものにはなれないぞ。と言うのでした。
モリガンはとても楽しそうに舞いながらソレと戦っています。
エリアスの影の中から様子を見ていたチセは、何故かとてもワクワクして楽しげな気持ちになるのでした。
どうやらモリガンに名を与えた影響を受けているようです。
ついにはルツまでが戦いに加わってしまいました。
しかし、モリガンは戦いを楽しんでいるだけで、ソレを倒そうとはしていない様です。
その時、ソレの枝がエリアスを狙って伸びてきました。
エリアスが枝を弾くのと同時にアイザックが枝に連れて行かれ、それを止めようとしたルーシーも引っ張られて行ってしまうのでした。
第92篇 Keep the pot boiling.Ⅰ
人が始めたものは、人が終わらせなければならない。
理(ことわり)を悟ったチセたちはソレを帰すためにはどうすれば良いのか考え、まだ魔術書の所有者として認められているであろうフィロメラが、魔術書を用いてみることに掛けました。
ソレの中にある魔術書を取り出すため、モリガンにソレの魔術書が在るであろう辺りを裂いてもらいます。
すると、魔術書と一緒にソレに取り込まれていたリズベスも出てきました。
リズベスは取り込まれていた間に身体が溶けてしまい、まともに動くことは出来ない様です。
魔術書を手にしたフィロメラは直ぐに呪文を唱えようとします。
しかし、呪文を唱え始めた瞬間リズベスの精神支配にのまれていくのでした。
フィロメラを支配しようと迫るリズベスに、今度はしっかりとした自分の意志でリズベスの支配を解くのでした。
我に返ったフィロメラは、ソレを帰す為の呪文を唱えます。
すると、異界の穴が開くと同時にその穴から異郷のモノが現れソレを掴んで穴の中へ消えていくのでした。
第93篇 Keep the pot boiling.Ⅱ
カレッジの方では、召喚された擬い物の神ならざるモノを還したことで、魔力を吸われていた者たちが目覚める様子。
フィロメラたちは張り詰めていた緊張が解け、身体から力が抜け落ちたようでその場に倒れてしまいます。
モリガンは戦を嬉(うれ)しむことが出来たことで満足したようです。
更なる対価は求めないこととヤドリギを忘れないようにと、チセに言い残してその場を去って行きました。
アダムの呪いはリズベスの姿に憐れみを口にしたあと、フィロメラに別れを告げて消えていきました。
虫の息のリズベスにフィロメラは聞かなければならないことがある。とウェブスター家を襲った理由を聞こうとしましたが、答えは貰えずにリズベスは人狼によって息の根を止められてしまいました。
するとそこに小さな人狼がザッケローニに追われて現れるのでした。
小さな人狼はカルナマゴスの魔術書を奪い、逃げていってしまいました。
魔術書を追う力もなく疲れ果てたチセたちは、一旦チセの家へと行くことにするのでした。
第94篇 Keep the pot boiling.Ⅲ
カルナマゴスの一連の騒動が終わり、サージェント家にカレッジの調査が入りました。
屋敷の周りにモリガンに敗れた者たちの亡骸が散らばっているのを、カレッジの隠蔽班が片付け、カレッジから遣わされた調査員が屋敷の中に入って行きました。
ヴァハマンはモームに、言う通りにしていれば面白いものが見られると言い、地下へ入って行きました。
ザッケローニを呼ぶヴァハマン。
屋敷での出来事を話させると、ザッケローニはヴァハマンに甘えるような仕草を取るのでした。
確かに面白いものが見れたと現れるモーム。
ザッケローニに名を告げると、早速仕事に取り掛かるのでした。
モームが行うのは死者の魂を呼び出し、話を聞こうという魔術です。
リズベスの亡骸の体裁を整え術をかけると、リズベスが現れるのでした。
その頃、チセとエリアスの家に向うリアンとトーリーの姿がありました。
途中、チセとフィロメラに出会い、フィロメラの無事を確かめるリアン。
すると丁度そこにユールの双子とエリアスが姿を見せます。
ユールの双子はモリガンが森でチセを待っていると告げるのでした。
第95篇 The show must go on.Ⅰ
カレッジではモームが学長にサージェント家の報告をしています。
リズベスの降霊には成功したが、何も話さなかった。
懐柔することも出来るが時間が掛かる。魂も消えかけているのでそのままにした方がいい。と伝えるのでした。
その頃、チセとエリアスの家には、ルーシー、アイザック、フィロメラ、ゾーイ、リアン、トーリーと、とても賑やかになっていました。
フィロメラとチセはポプリを一緒に作ろうと、包む袋を作るところから始めるようです。
好きな柄の布を選んで。とのチセの言葉に何を選んでいいのか迷うフィロメラ。
アンジェリカへのクリスマスプレゼントとしてテディベアを作るエリアスに興味深々なルーシーとアイザック。
ルツとたわむれるゾーイ。とても和やか雰囲気です。
チセはエリアスに、サイモンへのクリスマスプレゼントを一緒に贈ると提案をすると、エリアスはわざわざサイモンの所へ行き、何か欲しい物がないかと尋ねるのでした。
エリアスが出掛けたあと、チセはカルタフィルスの所に、今回の出来事で自分がしたことの愚痴を話します。
魔法使いの嫁 19巻の感想
成り損ないの神が現れた時、女神モリガンも現れましたが、これは争いの匂いにつられて来た様でした。
チセが女神に名を与えた事で、モリガンと何等かがつながっているのでしょう。
モリガンが戦いを楽しむ感情がチセにも流れてきていました。
同じくルツにも、術を行い出現させたのが人間なら、後始末をするのも人間のすることだとモリガンが言います。
では、どの様にして送り返せばいいのか考えている時に、危うく魔術書を見た事があることをチセに話しそうになります。
魔術書を成り損ないの神の中から取り出し、フィロメラはリズベスの精神操作から自力で抜け出して、成り損ないの神を送り返す術を唱えました。
ようやく落ち着いた時、リズベスに何故ウェブスター家を襲ったのか尋ねましたが、返事はもらえず結局分からず仕舞いでしたが、本編中にヴェロニカが何やら関与している様子が伺えました。
今回の騒動にはかなり複雑な家同士の争いが関わっている様です。
カレッジの章はこれで終わりの様ですが、この騒動の詳細が気になるので、いつか見られることを願うばかりです。
騒動の後、エリアスとチセの屋敷は今までとは変わってとても賑やかになっています。
以前のエリアスでは考えられない状況だと思います。
カレッジに行った事で変われたのはチセだけではない様ですね。
さて、巻末ではリンデルと対峙するエリアスとチセの姿がありました。
一体何が起きたのでしょうか。
続きは次巻でのお楽しみです。