ペットショップで売れ残った成猫を引きとり、一緒に暮らす素敵なイケメンのおじさま。猫とおじさまをめぐるさまざまな出来事。
おじさまと猫 4巻は、素敵なおじさまと猫・ふくまるとの生活を描いた物語です。
おじさまと猫 4巻のあらすじ・ネタバレと感想を紹介します。
おじさまと猫 4巻のあらすじ・ネタバレは?
4巻はおじさま(神田冬樹)に対してピアニストとしての強いライバル心を抱く日比野 奏の回想シーンから始まります。
日比野はこれまでおじさまが実力と人気があることを快く思わず、集まりで一緒になることがあっても自ら話しかけることはしませんでした。
その後、おじさまはピアニストとしての表舞台から退いてしまったので会うこともなくなりました。
そして猫用品を買いにきたペットショップで、日比野は目の前に現れたおじさまにどう対処したら良いものかと迷っていました。
もし、自分のことを知らずに誰かと思われるのはかっこが悪い、最近の自分のコンサートでは途中で帰ってしまい腹が立つ…等々。
するとおじさまの方から「日比野 奏さんですよね お久しぶりです」と話しかけてきました。
おじさまも実はピアニストとして落ちぶれた自分と、世をときめく日比野とを比べて、その場から逃げ出したい気持ちだったのです。
しかし、つまずいて倒れ、猫用品を床に散らかした日比野を見て思わず体が反応して「大丈夫ですか」と駆け寄ったのでした。
日比野も「こちらこそお久しぶりです」と答え、自分のことを知っていてほっとする一方、ライバルとしての敵対心も強く複雑です。
おじさまは日比野が猫用品を買おうとしているので自分も猫を飼っていることを話します。
日比野は今日、知人(母親)が猫を置いていったので飼うことにしたと答えます。
おじさまは今から日比野の家に行き、猫を育てるのに必要なことを手伝うと言うと日比野は丁重に断るのですが、おじさまに押し切られてしまいます。
おじさまが日比野の自宅に着くと猫はキャリーケースの中にはいませんでした。
おじさまは直感でピンときたのか壁と家具の間に隠れている猫を発見します。
その猫はふくまるにそっくりなのでおじさまは驚き、思わず「ふくまる!?」と呼かけます。
おじさまはふくまるにそっくりで可愛いとスマホのふくまるの写真を日比野に見せます。
そして、今度はふくまるを連れてくると言うのでした。
おじさまは日比野に猫の名前を聞きますが、分かりませんでした。それならば新しい名前を付けましょうと言います。
しかし、日比野は聞きなれた名前があればその方がよいだろうと思い、母親に電話で聞いてマリンという名前を知ります。
日比野が「マリン」と猫の名前を呼ぶと猫はこの家にいても良いのだと分かり、近づいてきて安堵の表情を見せるのでした。
おじさまも帰り、日比野とマリンの生活が始まります。
日比野はマリンの名前を呼ぶと近くに来てくれ、自分に懐いてくれて幸せな気持ちになりました。
そしてマリンは最高にかわいい猫だと抱きしめました。
別の日、今度は日比野がマリンを連れて、おじさまの家にやってきました。
おじさまはふくまるはマリンが兄弟かもしれない?会えば分かると思っています。
ふくまるの目の前で日比野がマリンのキャリケースの扉を開けると、なんとふくまるとマリンは体をすり寄せて再会を喜ぶのでした。
マリンはふくまるのお姉さんだったのです。マリンとふくまるはお互いに幸せなことを知って安心します。
おじさまは音楽教室の同僚の森山良晴にふくまるとマリンの写真をメールします。
森山は実家で飼っている猫に無性に会いたくなり、実家に帰ります。
母親から猫は弟・雅人の部屋で寝ていると聞かされ、雅人の部屋に行きます。
すると雅人は留守ですが、部屋にはおじさまの演奏会のポスターが貼ってあり、CDや雑誌などもあり、雅人がおじさまのファンであったことを知ります。
森山は二匹の猫(バディ、ボブー)に再会し、癒されて元気をもらいます。
そして改めておじさまがすごいピアニストであったことを知り、再び舞台に立てるように力になりたいと思うのでした。
おじさまは、音楽教室の職場で森山に以前に聞いていたバンドのライブ演奏日を聞きます。
森山は来週の土曜日と答え、おじさまにそのチケットを渡します。
おじさまは、来週の土曜日では近すぎる、また音楽ホールで気分が悪くなり、迷惑をかけてしまうと不安になり、親友の小林に相談します。
小林は、グランドピアノのないライブ会場なら問題ないかもしれない、その前に練習のためにロックのライブに行こうと言います。
ロックのライブの日、小林はおじさまと一緒にライブ会場の階段を上り、入口扉の前に止まります。
小林は扉の前で少しためらいますが、意を決めて会場に入ります。
すると…。
おじさまの身に変化はありません。大丈夫です。
おじさまは、ライブ演奏を楽しみ、これならば森山先生のライブに行けると喜びます。
二人は調子に乗って別のライブをはしごします。
おじさまはステージの近くに行くと、なんとギターを演奏しているのは日比野でした。
日比野はおじさまのいない世界に行きたくて最近、ギターを始めたのでした。
日比野はやっとおじさまを意識しない自分の世界を見つけたのに、目の前におじさまがいることに腹を立て、荒ぶった気持ちで演奏してしまいます。
演奏後、日比野はそのことを後悔しますが、観客さんからは情熱が入っていてよかったと声をかけられます。
おじさまからもピアノでもギターでも人を感動させてしまうと言われ、日比野はそれならはなぜピアノコンサートでは途中で帰ったのかと噛みつきます。
おじさまは、会場にいると息ができなくなることなど、これまでのことを話します。
日比野は勝手におじさまに悪い感情を持ち、厳しく当たっていたことなど自分の未熟さを知るのでした。
少し気まずい雰囲気の中、おじさまは日比野に「マリンちゃんは元気にしていますか?会いに行ってもいいですか?」と尋ねると日比野は「はい いつでも会いに来てください」と答えます。
おじさまの方が1枚上手のようです。
4巻のラストシーンです。
ふくまるはペットショップに引き取られたときに隣のショーケースにはメインクーンの黒猫がいました。
ママさんから引き離されて泣いているふくまるに対して、その猫はもう元の場所には帰れないこと、人に飼われるまではここが自分の家であることを教えてくれたのです。
その猫はある男の子に気に入られ、その母親に買われていきました。
しかし、なぜかふくまるの家の庭にいるのです。
さて、この後の展開はどうなるのでしょうか。
続きが気になりますね。
おじさまと猫 4巻の感想は?
4巻では、おじさまのことをライバル視している日比野とおじさまとの人間関係のことが一つの大きなテーマになっています。
日比野とおじさまとの出会いははるか昔、日比野が少年の頃におじさまがピアノを教えたことがありました。そのころから日比野はおじさまを追い抜いてみせるとライバル心を燃やしていました。
大人になっての日比野のおじさまに対する感情は、天才ピアニストとしての才能を認める一方、才能や人気に対する嫉妬心、どう努力しても近づくことが出来ない絶望感などが入り混じり、複雑です。
しかし、心の奥では日比野に対していつまでも目標とするライバルであってほしいのでピアニストとしてカムバックしてくれという気持ちもあるようです。
一方、おじさまはピアニストとして落ちぶれた自分に比べて、日比野は今を時めくキラキラと輝くうらやましい存在のようです。
しかし、親友の小林から「もっと人を頼る」ことの大切さを教えられ、それを実践することで人間としての幅が広がったようです。
日比野がおじさまに対してライバル心をあらわにしても、おじさまはそんなことは大したことではない、人生にはもっと大切なことがあるという雰囲気で大人の余裕のようなものを感じました。
そうした中でおじさまと日比野の関係も少しづつ変わってきます。
日比野もおじさまと同様に猫(マリン)と暮らすようになり、猫に心を許し、癒されていくように思いました。
何だかんだでおじさまと日比野が「猫友」になってしまうのは意外で興味深い展開でした。
また、おじさまはコンサート会場では体調が悪くなるので同僚の森山先生のライブには行けないのではと心配でした。
しかし、親友の小林のサポートもあり、事前練習のロックのライブコンサートでは問題なくて良かったでした。
ライブをはしごした会場では、なんと日比野がギターを演奏している?という設定には思わず笑ってしまいました。
そして、猫の世界でも日比野の飼うマリンはおじさまの飼うふくまるのお姉さんというのも興味深いです。
なんだかんだで日比野はおじさまとは不思議なご縁があるようです。
もともとは、お互いにあまり良く思っていなかったのですが、運命のいたずらでしょうか、学びのためにお互いに必要な人同士なのかもしれません。
4巻は、人生においてお互いを高めてくれる良きライバルとは?本当に困ったときに頼りになる親友とは?などについて考えさせてくれる内容でした。
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