復讐の未亡人 19巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
凜は自分の母親の事を思い出していました・・。
誰かに依存しては、悪い男に騙され、自分がどんな目にあっても、何も助けてはくれなかった母親。
そして凜はそんな母・和代に、あなたの母親はどんな人だったのか、と尋ねます。
その問いに和代の答えは?
「復讐の未亡人」 19巻には第68話から第70話が収録されています。
復讐の未亡人 19巻のネタバレ、あらすじ
第68話 勇者
その日の晩。
凜は夢の中で母親と再会しました。
新しいお父さんだと笑顔の母親に、凜は呆れながらに無関心に、一人喜んでいた母親を無視します。
冷たくあしらう凜にいらつきを隠せない母親は、何で自分が幸せになるのを邪魔するのかと、家族なのに、娘なのにと、必死にすがってきます。
でも凜は、そんな母親を見て、冷静に言い放ちます。
子どもは家畜ではない。
言うことを聞かなければ、子どもをすぐに虐待し、暴力を振るい、食事を抜き、置き去りにし、ついには見捨てるのは、もう親でも何でも無いと。
それでも母親は必死に告げます。
ただ冷たく、冷酷に母親に対して辛辣に事実を言い放つ凜に、母親は必死に味方で居て欲しかったと、泣き叫びながら訴えてきます。
そこに居るのは、もう凜の知っていた母親ではなく、ただの大きな子どもでした。
そして最後に激高しながらに母親は叫びます。
なんで俊が死んで、おまえが生きているんだ、と。
汚く罵る母親の言葉は暗がりに沈み、凜の目の前には、蜜をはじめとする家族が待っていてくれました。
そしてこれが夢だと安心し、目覚める凜はベットから身を起こします。
隣には萌愛がぐっすりと寝ており、彼女を起こさないように凜はベットから抜け出し、今観た夢の母親の事を思います。
人の訴えを受け入れずに、自分の事ばかりに全てを向け、母親として機能を失ったのか、自分の母親の変わり様を間近に見ていた凜は、ただ願います。
もう二度と自分の前に現れないで欲しい…。
俊みたいな不幸な子どもを増やさないでと、切なそうに願う凜の言葉は、ただ冷たくも切実な想いが込められていました。
第69話 ポストマニ
独りでリビングでうなだれていた凜を見て、和代は何かを食べるかと尋ねてきます。
しかし今は食べる気などは無く、凜はただうなだれていました。
そして、ふと和代には母親が居たかと尋ねてしまう凜でした。
和代は言います。
物心がついたときから、親は居なかった、と。
彼女は幼い頃から恵まれていた生活を送っては居なかったのです。
以前に話したドブネズミの様な貧乏な女の子は、自分だったと言います。
和代はお金持ちの女の子の遊び道具みたくに扱われ、奴隷のような生活を送っていたのです。
猫のマネや犬のマネと、ほぼ遊び道具と化していた和代。
でもその生活もある事件で一変してしまいます。
それは・・、お金持ちの女の子が風船を樹に引っかけてしまい、それを取りに行かされ、そして樹から落ちたことで、自分の育ての親が賠償金をせしめました。
自分が怪我をした事に喜び、まるで自分を心配しない毒親。
和代はその日の晩に自宅を抜け出し、独りで生きる事を選んだのです。
親にも愛されず、家庭にも恵まれず、友達もおらず、何もない自分を幸せにしたいと願った和代は、偽りの中で生きてきました。
そしてその偽りの中で、唯一の真実として創り上げた息子。
彼はこれから幸せな人生を歩めるはずでした。
でも彼が望んでいたのは、人類を救うと言う、あまりにも現実離れした想いだったのです。
第70話 ちびねずみ
和代の息子は、自分の事を嘘偽りだらけの人生だと言い放ちます。
惨めな自分ではなく、恵まれたお姫様になりたかったと、芥子粒夫人(ポストマニ)と呼ばれる童話のネズミみたくに、人間の美しいお姫様になりたいと願っていました。
小さなネズミでは、いつか猫に殺されると猫になるも、次は犬に襲われ、犬になるも餓えに苦しみ、猿になり餌をもらうも、猿は残酷で生きづらく、人間になる事を決めたネズミ。
次から次へと過去を変えて生きる和代の生き方は、まさにそのネズミでした。
幸せな日々を送り、どんなモノにもなれるそんな幸せを願う母親の事を、空っぽだと言い、その母親の言う事を聞いていた自分は何もないと言った息子。
彼は何かを成したい事をやりたいと言い、自分の命をかけて彼は世界を救いにいったのです。
貧しい人を救う為にと、貧しい海外の国にボランティアとして旅立った息子…。
そんな和代の話を聞き、凜はその芥子粒夫人(ポストマニ)が最後はどんな結末になるのかと興味を持ちました。
幸せを願ったネズミの行き着く先にあるモノとは?
復讐の未亡人 19巻の感想
凜ちゃんのお母さん再登場、彼女の夢から始まる内容と、今回もハードな展開から進んできます。
何というか・・、凜ちゃんのお母さんって、本当にアレですよね。
メンヘラと言って良いのでしょうか?
もはやサイコなお母さんだったと、どれだけ凜ちゃんの事を苦しめてきたんでしょうか?
依存性の強い人だったと感じては居たんですが、あまりにも酷いですよね。
子どもは親を選べないと言いますけど、彼女の場合はまさに親になって欲しくない母親でした。
凜ちゃんはあんなにも聡明なのに、なんでこんな母親なんでしょうか。
まあこのお母さんも、本当のお父さんが生きて居た頃は、もっとしっかりしていたのですが、死んでから狂ってしまったと、考えるのが妥当ですね。
やはり全ての元凶はあの駄目親父だったと、彼と出会ったことが最大の不幸だったと言うしかありません。
最後の方はまるで怨霊みたくになっていましたが、今も昏睡状態の母親の怨霊だったのでしょうか?
そんな凜ちゃんを心配してくれる和代さんと、彼女も色々とハードな人生を送っていたんですね。
息子を立派に育て上げるほどに、苦労した人生を歩んでいた和代さん・・。
彼女もただの意地悪なおばあちゃんではなかったみたいです。
息子さんも頭が良すぎたのか、世界を救うなんて、なんかすごいことを考えていますね。
こういう考えってどうなんでしょうか?
貧しい人達の為に生きる事も確かに大事かもしれませんが、自分の幸せも考える事も大事だと思うのですが・・。
まあ子どもは思い通りにいかないと、彼女の経験からしっかりと解っているからこそ、凜にしっかりと生きて欲しいと考える和代さん。
良いおばあちゃんですね。
凜ちゃんには幸せになってほしいです、ほんとに・・。
次巻へと続きます。
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