岡崎京子「未刊作品集 森」のネタバレ、あらすじと感想 | やまねこの漫画ブログ

岡崎京子「未刊作品集 森」のネタバレ、あらすじと感想

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岡崎京子女史による「未刊作品集 森」のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。

「未刊作品集 森」は、表題作の「森」をはじめとして、1985年から1996年にかけて発表された、短編を集めた作品集です。

やはり必見は1996年に発表された「森」。その他、バラエティに富んだ短編が収録されています。

女史による「リーバーズ・エッジ」や「ヘルタースケルター」がお好きな方にお勧めできる、資料的価値の高い作品集。それがこの「未刊作品集 森」です。

 

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岡崎京子「未刊作品集 森」のネタバレ、あらすじ

1 森

主人公のヨコタは20歳の大学生です。

物語は彼がまだ小学生だった時の記憶から始まります。

『むかし授業中 小学校の窓から校庭の一本の大きな樫の木を見るのが好きだった。じっと見ているとそのしげみがずんずん大きな深い森に見えてくる。』…。

 

夜通しクラブで遊んで、朝方「友達」と別れるヨコタ。

気はいいけれど、電話番号と呼び名しか知らないような「友達」。

彼や彼女たちは、それぞれに帰っていく。

 

部屋に戻ったヨコタ。そこには恋人のヒトミがベッドでまだ寝ていました。

『たのしかった?』とヒトミから聞かれたヨコタ。『まあね そこそこ』と。

ヨコタはヒトミに問います。『君っているんだね』。『いるわよ』とヒトミ。

『とてもすてきなことさと』とヨコタは返します。

 

―『まだ彼女に話していない沢山のことがある。』―

―『去年 ぼくは4つの死にあった。』―

―『20歳にしては多いのか少ないのかわからない。』―

 

2月に実家の犬のポチが死んだ。

8月に叔母が子宮がんで死んだ。

9月にほとんど話したことのない大学のクラスメイトが電車にひかれて死んだ。

 

もう一人は、中学時代からのたった一人の「ともだち」だったマブチでした。

―『11月のよく空気の澄んだ寒い日の朝 マブチは死んだ。自分で。』―

 

ヨコタがヒトミと会ったのは、金持ちの同級生の自宅での退屈なクリスマス・パーティーの夜でした。

『すてきなジャケットね』と先に声をかけてきたのは、ヒトミでした。

そのまま2人でパーティーを抜け出したのでした。

ヒトミがヨコタに声をかけたのは、『人殺しの服をきてたからよ』との理由からでした…。

ヨコタは、アメリカ軍の古着を着ていました。

ヨコタは、『ただの古着だよ』と答えるも、ヒトミは『ベトナムで人を殺したアメリカ人の服よ』と…。

そんな始まりで、2人は出会い、愛を重ねていくのでした。

 

ある日、ヨコタは街である女性に偶然声をかけられます。

その女性は、マブチの5つ上の恋人だったミソギなのでした。

―『そしてぼくとミソギさんはまよいこんでしまう。』―

 

2 口に口紅 目に青葉

3 秋は柿色

2作品とも1985年に発表された、4ページの短編作品です。

 

4 GO GO!! 中学生ほか

初出不明(掲載誌が判明していないもの)の4コマ漫画です。

 

5 毎日がクリスマスだったら

1988年に発表された、短編作品です。

大野麻子(おおの あさこ)は『去年のクリスマスは最高だったなぁ』と思い返いします。

それはスエオと付き合っていたからです。しかしそのクリスマスの3日後に新しい彼女ができたと言って、スエオは麻子から去っていきました。

 

洋服店である服に目がとまった麻子。『このシャツ スエオが好きそうな色だなぁ』と。

と、そのお店にスエオの新しい彼女が入ってきます。

麻子は顔を合わせたくないと思うも、目が合ってしまいます。

その彼女は、麻子が目をつけていたシャツを買ってお店を出ていきました。

最低のクリスマスと思う麻子でしたが…。

 

6 ショコラな気持ち

1990年に発表された、短編作品です。

バレンタインデーをめぐる女の子たちのお話。

元々はデパートの企画モノの短編集として販売されたもの。(絶版)

その作品を、再録したものです。貴重です。

 

7 カルタムパウダー

1991年に発表された、6ページの短編作品です。

 

8 イラスト・エッセイ

文字通り、1992年に雑誌「フィールヤング」に掲載された、イラスト&エッセイです。

『旅行は小さな死である。』という一文が印象的です。

 

9 やさしくしてね

1995年に発表された短編作品です。

女史の短編集「チワワちゃん」の中の作品「GIRL OF THE YEAR」にも登場する、大山田君と幼馴染の水道橋のりことの物語。

女史のファンであれば、必見の作品です。

 

10 BABY IN ACTION GO!! GO!! GO!!

1995に発表された短編作品です。

女史による怪物作「へルタースケルター」の第1部と第2部の間に小休止的に発表された作品です。

ミラクル・ピンキィとワンダー・レッドが活躍するヒーローもの?

 

11 ギャラリー

女史による、単行本未収録のイラストが多数掲載されています。

 

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岡崎京子「未刊作品集 森」の感想

この岡崎京子女史による「未刊作品集 森」取り上げるにあたり、どうしても触れなくてはならないことがあります。

それは、そもそも表題作となっている「森」という作品は、1996年に「ヘルタースケルター」の連載終了直後から全3話の予定で連載が開始されたということです。

 

しかしながら、(ご存じの方も多いでしょうが)岡崎京子女史は、1996年5月19日午後6時35分頃、自宅近くを夫婦で散歩中に、前から来た飲酒運転の乗用車にはねられてしまいます。

一命は取り留めたものの、現在も休筆が続いています。(2021月9月現在)

 

そのため、残りの2話は、今現在発表されることなく、「森」は未完作となっています。

このことが、逆説的に「森」という作品の価値や意味合いを大きくさせます。

第1話のみ発表され、その続きは女史の頭の中にしか存在していないこと。

 

未完作を「未刊作品集 森」として世に出すことに、異論を唱える人もいるかもしれません。しかしこの「森」こそが、岡崎京子女史の最新作なのです。

 

1996年から時は進んで、20世紀から21世紀に。

我々岡崎京子女史のファンは、もしくはすべての漫画ファンは、女史の復活を待とうではありませんか。

そうこの「未刊作品集 森」を読んで。

 

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