チワワちゃんのネタバレ、あらすじと感想!6作品の傑作短編集 | やまねこの漫画ブログ

チワワちゃん のネタバレ、あらすじと感想!6作品の傑作短編集 

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「チワワちゃん」のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。

岡崎京子女史による「チワワちゃん」は6つの作品からなる、短編集です。

執筆の時期は、「リバーズ・エッジ」終了後から、「ヘルタースケルター」直前までの作品が収録されており、90年代中期の傑作短編集といっても過言ではないでしょう。

比較的明るいテイストの作品が多いので、岡崎漫画の入門編としておすすめできる一冊です。

 

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チワワちゃん のネタバレ、あらすじ

LOVE,PEACE&MIRACLE ―紙の上のスライドショウ―

わずか6ページの短編です。単行本化されるにともない、書き下ろされた作品です。

1ページ1コマ、しかも余白は大きく取られ、黒く塗りつぶされています。その中に、簡略化されたイラストと、短い文章が添えられています。

 

一見、関連性のないイラストや文章群ですが、読み返すたびにその意味を深く考えさせられる、まさに「スライドショウ」です。

 

「チワワちゃん」という短編集は、この印象的な作品で幕を開けます。

 

夏の思い出

199X年、夏。バブル真只中の時代。女子大生の森田セーコと港野ヨーコは、同じアパートに住む仲です。

夏休みにハワイに旅行に出かけた二人がアパートに帰ってみると、電気もガスも電話も止められていたのでした。

 

所持金8,420円で、次の仕送りまで10日間以上生活しなければならなくなった二人。

金策のため友人にお金を借りようとしますが、ハワイで楽しく過ごしていた二人に対して、誰も相手にしませんでした。

 

行き詰った二人は、はっと気が付くと焼肉屋で食事をしていました。そこから「くいにげ」をした二人は、トラックの荷台に逃げ込むのでした。

二人が寝てしまった後そのトラックは走り出し、全然知らない海辺についたのでした。

そこでひょんなことから、海の家で働くこととなった二人。そして、そして…。

 

チョコレートマーブルちゃん

鈴木裕子と田中優子は、互いに付き合っていたと思っていた男のアパートで出くわした間柄です。その後仲良くなった二人は、つるんで遊んでいます。

ある日、鈴木裕子は急に、昔行った一面にお花が咲いている野原に行こうと、田中優子を誘います。でも、そこに広がっていた景色は…。

 

見開き1ページで描かれるそれに、なんとも言えない気持ちにさせられるでしょう。

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GIRL OF THE YEAR

山田律子(17歳)は、ボルネオ帰りの帰国子女です。

花園学園という女子校の二年生に偏した彼女は、他の女子生徒から憧れの眼差しで見られています。山田律子はそんな状況に違和感を持っていて、ただ一人できた友人である近田チカとよく学校をさぼる日々です。

 

花園学園では、年一回「ガールズ・オブ・ジ・イヤー」と呼ばれるミスコンが開催されています。

冷泉寺アンネは今年こそはと、その座を狙っています。これに対して学園内では山田律子の人気が、本人の意に反して高まっていきます。

はたして、今年の「ガールズ・オブ・ジ・イヤー」は誰になるのでしょうか…。

 

チワワちゃん

この単行本のタイトル作品であり、最も特筆すべき作品です。

バラバラ殺人事件の被害者として、「チワワちゃん」が新聞やテレビのニュースで報道され、初めてその本名を知る仲間たち。

「チワワちゃん」の実像を、夜遊び仲間たちがかわるがわる登場して語る形で、ストーリーは展開します。

テレビの報道では、評論家と称される人が、「チワワちゃん」のことについて「むもくてきな若者」と表現し、カテゴライズしていきます。

 

これに対し仲間たちからは、「チワワちゃん」の様々な側面が語られますが、誰一人として彼女の「本当の姿」を知っている者はいませんでした…。

この作品に関しては、多くを語るのは野暮というものです。

一読の価値がある短編作品です。

 

好き?好き?大好き?

スコットランド出身の医学者、精神科医、精神分析家のR・D・レインの詩、「DO YOU LOVE ME?」(好き? 好き? 大好き?)をサンプリング(?)した作品です。

この作品で、「チワワちゃん」という短編集は、幕を閉じます。

 

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チワワちゃんの感想

比較的明るいテイストの作品がそろった、良作ぞろいの短編集です。

しかし注目していただきたいのは、「あとがき」です。

岡崎京子女史の単行本には、必ずと言っていいほど「あとがき」が記されています。

この「チワワちゃん」という短編集にも、「空を見上げる」と題したあとがきがあります。

注目していただきたいのは、その記された日付が「1996年3月31日 日曜日」となっているところです。

 

ご存じの方も多いでしょうが岡崎京子女史は、1996年5月19日午後6時35分頃、自宅近くを夫婦で散歩中に、前から来た飲酒運転の乗用車にはねられてしまいます。

一命は取り留めたものの、現在も休筆が続いています。(2021月7月現在)

くしくも、この「チワワちゃん」という短編集の初版が発行されたのが、1996年7月1日のことです。

 

あとがきを書き終えた直後に、交通事故に遭い、その後この「チワワちゃん」という短編集は、世に出たことになります。

従って、この「チワワちゃん」という短編集と、その「あとがき」の重要性がおのずからわかることでしょう。

 

「あとがき」の追記として、このような一文があります。「それから読者のみなさまからときどき手紙をいただきます。ほとんど返事は書けませんが、どうもありがとう。では、また。」とあります。

岡崎京子女史のファン、またはすべての漫画ファンは、女史の復活を願ってやまないのです。

 

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