ながたんと青と- いちかの料理帖 -3巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
料亭『桑乃木』の長女いちかと大阪のホテルの経営者の三男である周。
15歳年の離れた夫婦となった二人は、初めは衝突しながらもゆっくりと仲を縮めてきました。
2巻ではホテルの仕事を周の勧めもあり、いちかは退職します。
そしていちかは桑乃木の料理長になります。3巻では、桑乃木の料理長となったいちかの奮闘が描かれます。
「ながたんと青と3巻」には、第11話~第15話が収録されています。
ながたんと青と 3巻のネタバレ、あらすじ
第11話
ホテルからの帰り道。田島シェフと帰宅しているいちかを、周が迎えに来ます。
鉢合わせし、気まずい空気になっているのをいちかは感じ取ります。
田島と別れた後、周はいちかの好きな人というのは戦死した旦那とは限らないのか?と考えていました。
桑乃木の料理長となったいちか。お月見会の予約が入ります。
出張料理を希望され緊張するいちか。
そこには、前の料理長である戸川を気に入っていたお客さんがいました。
戸川の料理を期待していたのにと落胆され、料理にも口を着けてもらえません。
いちかは客先へ呼ばれます。そこで「君は戸川はんの足元にも及ばん。不愉快やから早いとこ仲居に戻り」と厳しい言葉を投げられます。
第12話
いちかの父の命日が近づき、毎年命日には家族で嵐山に行くことを周に話します。
当日、いちかの母の計らいでいちかと周二人で嵐山に行くことになります。
「海老の鬼殻焼き」を美味しそうに頬張る二人。
帰り道、いちかがふと象眼の髪留めを手にします。家計を気にし店頭に戻すいちかに、気付いた周が髪留めを購入します。
しかし、髪留めの購入で二人はちょっとした喧嘩をしてしまいます。
急に天候が変わり、二人は店に泊まることになります。
夜、お酒を酌み交わし和やかな雰囲気になる二人。酔ったいちかは以前にした子供だけ作る、という話を周にします。
動揺する周。しかし、いちかは周の返事を聞く前に寝入ってしまいます。
めんどくさと思いながらも周は顔を赤らめます。
第13話
新料理長としていちかのお披露目会を開催しようと周が招待状を作ります。
先代からの常連客を中心に7~8人。その中には以前いちかを新聞に取り上げた女性記者の名前がありました。
驚き心配するいちかに、「もう腹括ってください!」と周が桑乃木の厳しい現状を説きます。
もう後がないことを痛感するいちか。「周さんを信じる」、いちかは決意します。
お披露目会の当日。女性も連れてきてほしいと要望を出したことで、芸妓の市賀も同席していました。
一品目は様々な種類の味を用意したカナッペ。たくさんの味の方向性を提示したいと周と話し合いながら作ったメニューです。
2皿目には野菜料理。3皿目には魚料理。順調に料理が出されます。
第14話
4品目は料理長特製「パイ包みのスープ」です。
招待客一人ずつ違うスープが出されました。味の違いに驚き、喜ぶ招待客。
それぞれの好みに作り替えたのか?という質問に、いちかは否定します。
「ただ、足しげく通っていただけたらその度によりお好みに合わせたお品をお出ししていきたいと思っております」と言い添えました。
女性記者は興奮冷めやらぬといった様子で、記事を書きに帰ります。
その後、招待客の好評もあって桑乃木のランチの予約は入るようになります。
いちかの誕生日。周はいちかをホテルのレストランに連れていきました。
そして、子どもを作ることを提案し実行しようとしますが、不発に終わります。
第15話
ホテルから帰宅すると桑乃木には、見慣れない男子がいました。
いちかの伯母が連れた養子です。呆然とする二人に伯母は笑いながら、桑乃木の親戚の子どもだと説明します。
周といちかは困惑しますが、このまま育てるか、東京に帰すかを相談しあいます。
いちかはこのまま東京に帰すのは後悔しそうだと引き取ることを希望し、周は意思を尊重します。
子どもはみちやと名乗り、コロッケが好きと言います。いちかが作ったチーズクリームコロッケを美味しそうに食べるみちや。
周に山口から電話がかかってきます。
養子の件を聞き、答えによっては援助を打ち切らせてもらう、と兄に言われる周。
そして、一度大阪に帰ることになりました。
ながたんと青と3巻の感想
いちか34歳と20歳の学生である周。15歳差の夫婦の織り成す恋物語3巻。
2巻では、実家である山口の回し者だと警戒されていた周ですが、巻を追うごとにいちかの頼れる存在としてどんどん信頼関係を深めていきます。
年の差もあり、恋愛感情の前に家同士の思惑により結婚した二人。お互い好きな人がいると伝えているからこそ、夫婦でも他人行儀のような距離感がありました。
しかし、3巻では料亭の経営を二人で協力しあううちに夫婦としても二人の仲は縮まっていきます。
特にまだ20歳になって間もない周の経営手腕は、頼もしさが増すばかり。
広報活動や帳簿作りなど料理にまい進するいちかの手の届かない部分を担い、精力的に桑乃木の経営の安定化に尽くします。
経営者としてこれほど頼もしい存在はいないと思う程、大人びた周ですが、年相応にいちかの言動に照れたり動揺する姿が3巻では多く見られました。
特に、普段無表情で口の悪い姿が多い分、照れた際の余裕のない表情がとても可愛らしく映りました。
いちかの自由気ままな部分に翻弄されていく周を見ていると微笑ましく、今後の二人の展開に思いを馳せずにはいられません。
一方のいちかは、年齢を重ねた分落ち着きがあり、周に恋愛感情はないように見えましたが3巻の終わりに山口へ帰る周を引き留める場面があります。
いちかの気持ちにも変化がでてきたのか?という気になる終わり方で物語は次巻に続きます。
次巻では二人にどんな進展がみられるのか。
そして、今度はどんな料理が物語に登場し関わるのか。4巻も引き続き追っていきたいと思います。
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