復讐の未亡人 2巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
亡き夫・優吾の復讐を終え、真言と共に人生を歩み直すことになった密。
蜜は新しい命を宿し、少し問題のある隣人と関わってしまうも、順調に新生活をスタートさせますが、心と身体に深い傷を負ってしまった一人の少女に出逢ってしまいます。
少女の名前は凛。
死なせてほしいと階段から躊躇なく飛び降りた、彼女の深い傷を知った密は、幼き弱者に復讐の術を教えていきます。
復讐を終えた魔女と出逢った、復讐を抱く少女の出会いの結末の行方は如何に?
「復讐の未亡人」2巻には10話から13話が収録されています。
復讐の未亡人 2巻のネタバレ、あらすじ
第10話 胎動
真言と再婚し、新しい人生を歩む事になった密は、タワーマンションの新居への引っ越しにいそしんでいました。
そんな中、遠くで燃え上がり、立ち込める煙を見詰め、昔のある事をふと思い出します。
血の繋がらない父と兄が寝室へと入り込み、自分を空虚に見つめていた二人。
話しかけても言葉が返らず、無言のまま近づく二人。
そんな辛い過去を思い出していると、ふと真言が話しかけてきます。
彼を心配させまいと、もう過ぎ去った過去を忘れ、引っ越しの荷物を片付けていく密。
しかし今は身重な蜜を過保護に心配し、あれこれと世話を焼いてしまう真言。
優しすぎる彼に彼女は思わず微笑んでしまいます。
再婚をするにあたって、義弟の陽史は真言の過去を調べ上げ、密に全てを報告していました。
父親と離婚した母親に引き取られ、学校に通わせてもらえず自宅に監禁され、その後に母親は精神を病み、施設に引き取られた彼はプログラミングを学び、一人で生きていたと知った密。
彼もまた過去に辛い傷を背負い、それでも尚も強く生きていたのだと知り、復讐を終えた自分と共に人生を歩みたいと告げてくれた彼を繋ぎとめる為に、自らの中に彼の子どもを宿したのです。
新しく胎動する命を愛おしく想いながら、新しい人生を歩み直そうとしていた彼女。
彼女はどんなことがあろうとも、ると、お腹の子にそう優しく囁きます。
第11話 私を殺して…!
隣人の坂本和代は、少し性格に問題のある老婆でした。
夫を失い息子とは疎遠となり孤独な生活をするも、前向きに明るく生きながらに自分の人生を楽しみます。
真言の事は気に入らないと蔑み、密の事は気に入ったと、自分の物差しで人の価値を判断する問題のある人物。以前の隣人もやむを得ず引っ越したようです。
癖のある老人で人に依存する傾向が強く、さっそく朝早くから密と真言の自宅の扉を叩き、助けてほしいと騒いでいました。
警報装置が停まらないと騒ぎ立てる彼女に、真言は関わらない方が良いと言うも、お隣さんだからと親切に応対する密。
彼女の自宅へと赴き、警報装置を解除した密に、お茶を進める和代。
そんな中でふと見かけてしまう、彼女の息子の写真。
そんな密の視線に気づいたのか、和代は息子の自慢話を始めます。
成績優秀で有名な大学を卒業したと自慢するも、育ちの悪い女と結婚し、産まれてくる子供が可哀想だとぼやく彼女。
すると密に子どもの事を訊ねてきます。妊娠している事を告げ、慌てる和代。
紅茶をうっかりと出してしまったと言い、カフェインが含まれているので流産してしまうと、大慌てな和代の声に密は、優吾の事を思い出してしまいます。
まだ学生だった頃に、あの人の子を宿した密。
二人で育てようと誓った子を失った過去を思い出した彼女は、つわりを患ってしまいます。
第12話 すごいね、俊…
密のマンションへと忍び込み、階段から飛び降りようとした少女・凛。
あわや寸前で彼女をからくも助けるも、泣き叫びながらに死なせてほしいと訴える少女は、もう生きる事に限界を感じていました。
学校で陰湿ないじめを受け、それを直情的に暴力で仕返し、喧嘩の絶えない日々を送る凛。
心を許せる親友の萌愛が凛の傷を見て、またお母さんに何かをされたのかと心配して訊ねるも、この傷は母親が刻んだものではありませんでした。
凛の母親は弱い人物で、誰かに依存しなければ生きていけない程に、心を衰弱させていました。
ただいまと言っても返事を返さず、依存していた男の帰りを待つだけの母親。
凛はそんな母親を見捨てようとはせず、また小さい弟の俊を護ろうと必死でした。
自分がしっかりとしなければ、この家は壊れてしまう・・。
母の隙を突いて忍び込んできた男に、凛の家庭は狂わされてしまい、彼女自身も深い傷を負っていたのです。
唯一に守るべき存在だった俊も、その男の身勝手な行動で命を落としてしまい、心に限界を迎えていた凛は、もう人生を終わらせようとしていました。
第23話 魔女の笑い
凛が密に抱いた最初の印象は、狼の様な瞳をしていることでした。
綺麗で何かを見透かすかのように見つめてくる瞳を持つ密に、凛は魔女みたいだと感じます。
現に密に訊ねられてしまうと事を全て話してもいいと、口が自然と開いてしまうようです。
この人は間違いなく魔法使いで、自分は魔法を掛けられてしまったと、凛は密の質問に素直に答えます。
死んで祟ってやりたい、祟ってやりたいと願う凛。馬鹿みたいな行為だと解っていても、今の自分ではこんなことしかできないと、彼女は現実を思い知らされていました。
真言は、死んでしまったら何にもならない、そいつよりも幸せになるのが一番の復讐だと言いますが、凛はそんなありふれた慰めの言葉など不要でした。
密は真言に凛の事を話します・・。
彼女の身体は痣だらけ。頭も殴られたのか歪んでおり、首筋にはキスマークがあると、衝撃の事実を告げる密。
真言は凛の問題は、容易なことでは片づけられない程に深刻な問題だと悟り、これは警察に言うべきだと心配します。
もう彼女が関わるべき問題ではなく、危ない事をさせたくないと密を想う真言の言葉に、優吾が見守ってくれていると、密は幸せそうに笑います。
凛の復讐心を知った密は、この幼き子の報復を手助けする事にしました。
復讐の未亡人 2巻の感想
今回も色々とハードな展開を迎えてしまった復讐の未亡人の2巻。
密の復讐も無事に終わり、真言と幸せな生活を送るかと思いきや、何やらと闇を抱えてそうな隣人の老婆の和代に、自殺をしに訪れた少女の凛と、今回も個性的な面々が集まってきましたね。
しかし、今回の登場人物も気になるのですが、所々に見え隠れする密の過去と、密がまだ美月だった頃に、何があったのかという彼女の過去に触れていく個所がより気になりました。
義理の父親と兄に何かされてしまったのか。密の過去は何やら複雑そうで、しかも優吾と子どもがいたのかと、衝撃の展開まである雰囲気・・。
今後の物語の内容で明らかにされていくのでしょうか?
しかも密は、今はなんと妊娠中。真言がパパさんになるとは驚きの状態ですが、いつの間に仕込んだのでしょうか?
彼を引き留めたいとする密の愛の深さも根強いモノがありますね。
自分を愛してくれる人には優しく、それに対して悪意を向ける者には冷遇を。
密の恐ろしさもさることながら、誰よりも愛を渇望している彼女の愛の深さは恐ろしいまでに純粋な愛情なのでしょうね。
そんな密に関わってしまう事となる凛。いやはやこの子、すごく可哀想です。
あんな毒親に散々な目にあわされてしまい、それでも弟を護ろうとしていた健気過ぎる凛。
聡明で賢くとも、年齢という差で苦しめられてしまうとは、まさに不憫です。
次巻ではあのクソな毒親男に鉄槌が下ればと、そう願わずにはいられません。
このまま凛が密の家族の一員になれればと願いつつ、次回に復讐を遂げられればと思います。
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