復讐の未亡人 9巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
山下晴菜の内には鬼が潜んでいる・・。
彼女の心の闇を見抜いていた祖父の想いは届かず、自分を好んでくれない人間への想いは、ゆっくりと暴走を始めていきます。
自分を不幸へと追い込む相手を破滅へと導き、無垢な殺意で相手を陥れていく山下の身勝手な復讐劇。
内なる鬼が胎動し、そして次なる相手の密へと向かう悪意は、もう止める事が出来ません・・。
「復讐の未亡人」9巻には38話から39話が収録されています。
復讐の未亡人 9巻のネタバレ、あらすじ
第38話 暴れる鬼
5年前・・・山下晴菜はレンタルビデオ店でアルバイトをしていました。
人付き合いが苦手で強面のお客さんに脅されてしまうなど、散々な目に遭いますが、バイト仲間の女子校生の田島に励まされるなど、それなりに充実した日々を送っていました。
しかし山下は、その日の晩に応対した強面のお客の事で頭を悩ませていました。
もしこの映画に怖いシーンがあれば殴ると脅され、もし自分が進めたあの映画に怖いシーンがあればと気になり、その映画を確認する山下。
そして案の定に怖いシーンがあり、思わず悲鳴を上げて取り乱してしまいます。
そんな彼女を慌ててなだめてくれたのは、祖父母たちでした。
幼い頃に両親を亡くし、親代わりに育ててくれた祖父母に守られ生きていた山下。
これからも守ってあげると言われるも、頼りにしていた祖父がある日、脳梗塞で倒れてしまいます。
もう自分を守ってくれる人がいないと、絶望に追い込まれた山下。
これからは自分で何とかしなければと、自分のみを護るのは自分しかいないと、行動を開始していきます。
まずあの強面の男の情報を調べ、どこに住んでいるのかを確認します。
参考資料として犯罪関連の映画を借り、田島からは勉強熱心だと感心されてしまいます。
そして犯罪関連の映画を観ながらに、彼女はあの強面男の排除方法を学んでいきます。
手っ取り早くに片づけるには、周囲の事を考えていてはダメだ、巻き添えは仕方が無い事だと学びます。
強面男の住んでいるアパートには、ちょうど良い汚部屋がある事を思い出します。
老人が独りで住まい、ベランダはゴミまみれ、好都合な条件がそろっていると排除方法をまとめていく山下。
彼女が行おうとする、強面男の排除方法とは?
第39話 超不快
翌朝。
強面男の排除に成功した山下でしたが、テレビを見て愕然としてしまいます。
アパートが全焼し、強面男は火事に巻き込まれて死んだと、ニュースで大々的に報道されていました。
昨日の事がニュースになっている・・。
自分がやってしまった事をようやく理解し、トイレに駆け込み、嘔吐してしまう程、精神を病んでしまう山下。
強面男の住む隣の住人である汚部屋の大量のゴミを利用し、その汚部屋の住人が吸ったタバコの不審火で火事になったと仕向けた放火が、もしバレれば自分は破滅だと怯えます。
犯行時に着ていた衣服をハサミで裁断し、ゴミとして捨てます。
もしかしたら防犯カメラに写っているかもしれない。
変装をしなければと、山下は学園祭の時に使っていた白雪姫のウィッグを付け、メガネを掛け、これでバレないと、安堵します。
ようやく穏やかな生活に戻れると再びアルバイトに励むも、バイト仲間の田島と衝突してしまいます。
店長に好意を抱かれてしまった山下。
密かに店長に想いを寄せていた田島に嫌われたくは無く、彼女に弁明しようとするも、山下は言われてしまいます。
好かれようとしてムカつかせている、と。
友達関係を崩したくは無いと訴えた山下の言葉を切り捨てる様に、無理をして友達をやる必要は無いと言い切る田島。
友達を失い、容赦のない言葉に傷ついてしまう山下。
そのまま強引な店長のアプローチに負けて、彼に映画に誘われ、そのままホテルに連れ込まれ、身体を重ねてしまいます。
彼との性的行為をスマホに撮影されてしまうなど、なんでこんな事になってしまうのかと、絶望に追い込まれてしまいます。
流されるままに、されるがままに、周りに翻弄されてしまった山下は、自分の平穏をかき乱す全てを消してやると、行動を開始します。
第40話 消えてくれよ
山下は店長のパソコンをハッキングし、撮影された自分の痴態を収めた画像を削除しますが、これだけで終わらせる気はありませんでした。
田島のスマホへメールを送り付け、この画像をバラまかれたくなければ10万円を振り込めと脅迫文を送信します。
怖いもの知らずな田島は、店長の悪事を動画で配信し、悪い奴をやっつけようと呼びかけ、店長を晒し者へと追い込んでいきます。
仕事を追われ、婚約者に愛想をつかされ、家族からも見放されてしまい、消えてくれと、全てから見捨てられてしまった店長。
田島は店長をやっつけたと高笑いしていましたが、全てを奪われた店長に刺されてしまいます。
何度も包丁で刺し突かれ、絶命した田島。
彼女を殺害した後、店長は自分の首に包丁を刺し込み、そのまま自殺してしまいます。
そんな二人の顛末をニュースで知った山下は、嬉しそうに笑い、そして泣きます。
田島とは友達でいたかったのに・・、田島が冷たく自分にあたるから、人の心が解っていなかったからこんな事になったのだ。
自分は何も悪くない、自分が成した事は善行だと信じる山下。
かつて自分の両親も同じように嘘で互いを疑い、殺し合いながら自滅した事を思い出します。
そんな過去があり、もう3年も過ぎたのだ・・。
密の周辺を調べていた山下は、監視カメラを探しながら、彼女への報復はどうしてやろうかと考えていました。
静かに近づく悪意に、密は切り抜ける事が出来るのでしょうか?
復讐の未亡人 9巻の感想
山下の過去が明らかになった・・9巻。
やはりすごく危ない女でしたね。
もはや地雷と言うよりは、もはや爆弾女とも言うべき、危険人物です。
今回の内容から見れば同情すべき点も幾つかあるのですが、山下はなんと言えばいいのか、あまりにも不憫な生き方をしています。
友達付き合いに気を使うなど、確かに人付き合いが苦手な人間ならば、あれやこれやと悩んでしまいます。
田島という女子の性格は問題だと思うのですが、あんな女子を相手に必要以上に気を使うなど、山下の人付き合いスキルは低いのでしょうね。
そして店長・・、今回最も被害を受けた彼。
確かに、ざまぁみろという気持ちもありますが、少し可哀想な気もします。
店長は田島の行き過ぎた報復の結果、全てを失ってしまうことになります。
しかし、山下の痴態を写真に取るなど、許されざることをし、結果として自分で死を招いてしまったと考えれば、当然の結末なのですが、哀れな小悪党として少し同情してしまいます。
田島も壮絶な死にざまだったのですが、やり過ぎゆえの身から出た錆と考えたら、自業自得だったのでしょうね。
そんな二人を破滅に追い込み、自分は悪くないと言い聞かせる山下。
彼女の闇の深さは尋常ではありません。
祖父が心配していた鬼がいると言った言葉は、まさにこの事だったのでしょうね。
さて、そんな危険人物な爆弾女の山下。
ついに密に何かしでかすのかと、彼女に近づき始めています。
どんな事になってしまうのかと、山下の暴走する悪意をどう対処するのかと、次回も気になりますね。
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