へルタースケルターのネタバレ、あらすじと感想!無料試し読みi | やまねこの漫画ブログ

へルタースケルター のネタバレ、あらすじと感想!無料試し読みi

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へルタースケルター のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。

主人公の「りりこ」は、CM、歌手、映画、テレビにと芸能界でマルチに活躍するモデルです。

その美貌やスタイルの良さは、世間の皆からうらやましがれ、憧れの対象となっています。

私生活でも「りりこ」は大手デパートの御曹司と交際していて、公私ともに順風満帆です。

しかし実態は、全身整形手術を受けて作り出された「レプリカント」の存在でした。

事務所の社長(ママ)が、自分の若い時の姿に似せて元々太っていた「りりこ」を「レプリカント」として芸能界に売り出したのでした。

そこから「へルタースケルター」という作品、そして「りりこ」の栄光と悲劇が始まります。

 

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へルタースケルターのネタバレ、あらすじ

helter-skelter 1

「りりこ」は、「可愛いー、スタイルいいねー。」と、憧れの的となっているモデルです。

しかし性格は悪く、マネージャーの羽田みちこに対して、きつく当たっています。

プライベートでは南部デパートの御曹司、南部貴男(なんぶたかお)と交際していています。

 

そんなある日「りりこ」は、自分の額にアザがあるのを見つけ絶叫してしまいます。

事務所の社長(ママ)から、メイク担当のキンちゃんに「りりこ」の秘密が告げられます。

「りりこ」のアザは「整形手術の後遺症」であり、「全部つくりもの」であると。

 

一方、警察の麻田検事は「りりこ」のことを「このこ面白い顔してるね」とその表情の違和感を見抜きます。

雑誌のインタビューでは自然体を装う「りりこ」でしたが、実際は「バーカ!! なわけねーだろ!!」と心の中で思うのでした。

 

「りりこ」は額のアザが前より大きくなっていることに気づきます。

「あたしはもうすぐ使いものならなくなる…」。不安が「りりこ」をおそいます。

 

helter-skelter 2

「りりこ」の仕事は、さらに忙しくなります。

歌手としてデビュー、CM女王3位にランキング、映画に役者として出演等、活動の幅を広げていきます。

 

しかし、その裏では慢性的な睡眠不足と、多量の薬を服用いているせいで情緒不安定な毎日を送っていました。

「あたし どうなるの?」、「あたし 何がしたいの?」と…。

 

ある日「りりこ」の妹ちかこが、社長の会社の事務所を訪れます。

その姿は「りりこ」とは似ても似つかない、太った女子高校生でした。

 

その後、「りりこ」のもとに、ちかこからの手紙が届きます。

「りりこ」はその手紙で初めて、ちかこが自分に会いに来たことを知らされます。

「りりこ」は、「ママはあたしに いつも何か かくしてる」と思うのでした。

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helter-skelter 3

「りりこ」は南部貴男と深夜に密会しているところを、写真週刊誌に撮られてします。

それは、わざと「りりこ」が仕向けたことでした。

キンちゃんはメイクの最中に、「りりこ」のうなじのところに、大きなアザがあるのを見つけてしまいます。

社長は整形手術を行った先生のところでの、集中治療が必要であると判断します。

 

「りりこ」は集中治療の合間に社長には内緒で、妹ちかこと会います。

そこで社長との約束で実家に振り込まれるはずであったお金が、届いていないことを知るのでした。

 

集中治療を終えるころ「りりこ」は、南部貴男が政治家の娘と婚約したことを、雑誌の記事を見て知ることになります。

激しく動揺する「りりこ」でしたが、「止まっちゃいけない 進むのだ 進め!!」と自分自身に言い聞かせるのでした。

 

helter-skelter 4

「りりこ」は集中治療を終えると、ハリウッド映画からのオファーや雑誌では好きな女性ベストワンに選ばれる等、さらに活躍していきます。

 

一方、麻田検事は「りりこ」のことを、「彼女の美しさは イメージのモンタージュだ」「つまり我々の欲望 そのままってことさ!!」と…。

そして「りりこ」が通うクリニックについて疑惑を持ち始めます。「いつか、りりこに会いに行くかもしれないね」と…。

 

社長の事務所に新人として、吉川こずえ(15歳)が入ってきます。「りりこ」は、「私の持っていないものを全部最初から持っている」と。

そして「りりこ」は、「あったまくる!!」と激しく嫉妬するのでした。

 

世間の「りりこ」人気はまだ続いてはいたが、確実に吉川こずえに関心は移りつつありました。
―みなさんは いつも とても 飽きっぽい―。

 

羽田みちこは事務所で、1枚の写真を見つけます。それは「りりこ」によく似ていましたが、実は25年以上前の社長の姿でした。

―そう つまり りりこはママの「反復」もしくは レプリカントだったのである―

 

helter-skelter 5

とある女性の肉体が、崩壊への道をたどります。
その女性は「りりこ」が手術を受けたクリニックで整形手術していたのでした。その後、自殺をしてしまいます。

麻田検事はその現場に向かいます。

―死は いつでも 足音を立てずにこっそりと近づく―

 

「りりこ」自身もひどい頭痛におそわれ、パニック状態にみまわれていました。そして、社長に助けを求めるのでした。

 

麻田検事はクリニックに入っていく「りりこ」と社長の姿を、ビルの屋上から見ていました。「初めましてタイガーリリィ」と…。

タイガーリリィとは麻田検事がつけた「りりこ」のニックネームでした。

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helter-skelter 6

ある日、事件が起こります。それは南部貴男の婚約者が何者かにより、顔に硫酸をかけられたというものでした。

 

吉川こずえの人気は高まっていました。それに反して「りりこ」は世間から、「もうやばめだよねえ」と思われ始めます。

 

麻田検事は「りりこ」の整形手術を行ったクリニックを訪ねますが、断られて簡単に引き下がります。「ジョーカーはまだ向こうにある カードではまだ向こうが上だ」と…。

 

「りりこ」の周りのスタイリストたちが、「りりこ」の体の異変に気付きだします。そして「りりこ」はテレビの生放送で不祥事を起こします。

社長は、「このこはもう駄目かもしれない」と…。「りりこ」の仕事は信じられないくらいあっという間に減っていきました。

 

羽田みちこの彼氏と夜の街に遊びに出た「りりこ」でしたが、乗ってきた自動車が駐車違反で警察にレッカーされてしまします。

麻田検事は警察署で職務質問を受けていた「りりこ」に、初めて対面することとなりました。

 

helter-skelter 7

麻田検事は「りりこ」の妹ちかこに会いに行きます。

最初はだんまりを決め込んでいた、ちかこでしたが、何回か麻田検事に会ううちに「りりこ」のことを語りだします。

そして目を二重(ふたえ)に手術したり、ピアスを開けたり、ダイエットをしたりしているちかこに対して、「りりこ」のしていることはその延長ラインだと指摘します。

 

一方「りりこ」の体にも、頭髪が大量に抜けるという異変が起こりだします。

あわてて先生のもとに駆け込む「りりこ」でしたが、「薬の一時的な作用です」と言われ、薬を変更するだけにとどまります。

「りりこ」は先生に対し、「次は誰をモルモットにするの?」と迫ります。

社長からは「今はゆっくり休んで」と言われ、途方にくれる「りりこ」でした。

 

「りりこ」の家に麻田検事からの電話があり、動揺するも直接会うことになった二人。

麻田検事から、「法廷で証言していただきたい」「あなたの通っているクリニックの不法で不適切な医療行為を」と言われます。

「りりこ」はすべてを否定しますが、麻田検事からは「あなたはアリアドネの糸なんだ」と言われます。

アリアドネの糸とは難しい状況から抜け出すための道しるべとなるものです。

そして麻田検事は、今まで集めた「りりこ」に関する資料を置いていきます。

 

helter-skelter 8

helter-skelter 9

確実に壊れていく「りりこ」と、それを追い詰めていく麻田検事。

この二人は、今後どうなっていくのでしょう。

続きはぜひ、この「へルタースケルター」という作品を読んでみてください。

 

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へルタースケルターの感想

この「へルタースケルター」という作品は、1995年から1996年にかけて雑誌「FEEL YOUNG」(祥伝社)に掲載されたものです。

この連載が終わった1996年5月、岡崎京子女史は飲酒運転の車にはねられ、休筆が続いています(2021年7月現在)。

そしてこの作品が単行本として世に出たのが、2003年4月のことでした。

 

話を作品の内容に戻します。

「りりこ」は元々太っていて、いい方は悪いですが「不細工だった」。それが全身整形手術を受けて、世間一般に言う「美人」となります。

「りりこ」は控えめな性格から、「強い?」女性になっていきます。外見が変われば、人の性格も変わるということでしょうか。

 

「りりこ」の妹「ちかこ」も二重に整形し、ダイエットをしています。耳にはピアスの穴をあけています。

麻田検事は「ちかこ」がしていることの延長ラインに、「りりこ」という存在があると指摘します。

 

正直、誰しもが美男・美女に生まれてきたかったと思ったことはあるでしょう。

私もその一人です。そうすれば、もっと違った人生を送っていたかもしれないと…。

 

吉川こずえは自然な美しさ持った女性として登場しますが、彼女自身は「別に…なんでも…どうでもいいです」と、「いつかみんな あたしのこと忘れてちゃってもいいです」と…。

(美しさを持ち合わせること=幸せ)という方程式は成り立たないかもしれません。

 

「りりこ」に翻弄(ほんろう)される、マネージャーの「羽田みちこ」の人生も徐々に狂い始めます。

犯罪にまで手を染めます。しかるに人間とは、かも弱いものなのでしょうか。

 

徐々に「りりこ」を追い詰めていく麻田検事の沈着冷静さや、俯瞰(ふかん)で世の中を見る姿勢には、ゾクゾクとします。

 

「りりこ」の素性は、あることをきっかけに世間に知れ渡ることとなりますが、私はこれをある種の「救い」だと感じました。

これは「りりこ」本人はもとより、「りりこ」に関わる人々すべてについての「救い」であったのではないだろうかと思います。

 

使い古された言葉で言うならば「壮絶な結末」で終わるこの作品ですが、それは是非この「へルタースケルター」を読んでみてほしいです。

「TO BE CONTINUED」で締めくくられる「へルタースケルター」は、1990年代なかばに岡崎京子女史によって生み出された傑作です。

 

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