薬屋のひとりごと 11巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
皇帝になるために用意された廟の秘密。皇帝の命により、その秘密を解くことになった猫猫。
果たしてその謎を解き明かせるのでしょうか?
そして猫猫の活躍を聞いた皇太后からも依頼をされてしまうことに・・。
「薬屋のひとりごと」 11巻には第54話から第58話が収録されています。
薬屋のひとりごと 11巻のネタバレ、あらすじ
第54話 選択の廟
皇帝になるための試練である扉くぐりの廟の謎を解いた猫猫は、もう一度、廟の中を通れるかと老宦官に尋ねます。
その問いかけに渋い顔をする老宦官・・。
本来は皇帝となる者が通る事を許される扉であり、過去に妃と公主が通る事は許されたが、赤の他人には許されないと、彼は渋い顔をします。
すると皇帝は猫猫を妃として召し上げようと言い、それを壬氏が慌てて止めに入ります。
では仕方がないと皇帝は、壬氏と猫猫に廟を通るようにと命じてきます。
案内人でもない人物が、皇帝よりも先を歩いて良いのかと、複雑な気持ちで廟の中へと入る猫猫達。
そして青い扉と白い扉を選び、皇帝とは違う扉を開けていき、最後の部屋へと辿り着きます。
そこには、「赤い扉に入れ」と、書かれてはいるも、赤い扉はありませんでした。
白と黒と緑の扉があるだけの部屋で、赤の扉を潜れと書いてある品書き。
猫猫は壬氏に緑の扉を潜るように言い、共に抜けると階段があり、昇れば、そこは宮殿が一望できる廟の屋上となっていました。
老宦官は、正しき道を選ぶことが出来たと壬氏達をねぎらいます。
本来、この屋上は皇帝となった者が最初に宣言をする場所であったと言い、廟にあった門を間違いなくに潜れる人間だけがたどり着ける場所である事を告げてきます。
なんでここに来る事が出来たのか、猫猫に相談を求める皇帝。
はたして彼女が答える答えとは?
第55話 皇太后
壬氏は夢を見ていました。
それは自分が幼い頃の夢であり、鞠(まり)つきをして遊んでいた自分にと近づいてくる一人の老人。
怖いと感じた彼は侍女の後ろに隠れてしまうも、老人はそれでも彼に近づこうとしてきます。
そんな老人から自分を守ろうとする母親に、壬氏は震えていました。
母親があんなにも怖い顔をするのは、なんでだろうと。
そして老人は老婆が引き連れてきたお連れによって連れて行かれ、何かを落として宮殿の奥へと連れて行かれます。
そして目覚めた壬氏は思い出します。
あれはかつての自分の父であり、そして老婆は祖母だったと、そして皇帝である彼は実の兄である。
複雑な出自を抱えていた壬氏は、この事実をいつまでも猫猫には隠せないと考えていました。
もし知ってしまったのなら、彼女は今後どう自分と向き合ってくれるのかと、その事を考えながらに夜を過ごしていました。
そんな壬氏の想いをよそに、翡翠宮では大忙しと、大掃除に明け暮れていました。
今日はやけに厳しいなと猫猫が想う中、訪れてきたのは、なんと皇太后様。
これは確かに気を張る事だと思いながら、皇太后の応対に駆り出された猫猫。
そして彼女は、皇太后からある事を頼まれます。
その頼みとは?
第56話 先帝(前編)
私は先帝に呪いを掛けたのかもしれないと、とんでもない発言をしてきた皇太后に、猫猫は唖然としてます・・。
先の皇帝は、あまり世間の評価が良い人物ではありませんでした。
馬鹿殿と呼ばれ、女帝の傀儡(かいらい)とも呼ばれ、ついにはロリコンとも呼ばれた、愚かな皇帝。
多くの女性を娶る事の出来る立場でありながら、若い娘に手を出し、皇太后はまだ幼いにも関わらずに子を妊まされ、そして難産で産んだと知っていた猫猫。
その時の出産に立ち会ったのは、不幸な我が親父様と、複雑な経緯を知っていた猫猫にとっては、面白くない話でした。
難産で産まれた皇帝は、今では元気に育ち、その次の弟も身体は虚弱ではあるも過ごしているなど、猫猫は複雑な王宮の内部の事情をある程度は察していました。
そんな猫猫に、先帝に呪いを掛けてしまったのかと、その謎を解いて欲しいと頼んできた皇太后。
流石に断ることなどは出来ず、その謎を解くために案内された部屋は、王宮にも関わらず、どこか寂れ朽ちた、ほこりまみれ、絵の具まみれの部屋でした。
その部屋は先帝が身罷(みまか)られ、つまり最後を迎えられた場所でもあったのです。
はたして先帝の死には何が隠されているのでしょうか?
第57話 先帝(中編)
先帝が亡くなり、葬られるときに、その遺体は腐らずに生前の姿のままだったと、皇太后はそれが呪いのせいではないかと思っていました。
自分が先帝を呪い、彼の身体は腐らずに、魂がまだ肉体に残っているのかと、不安を抱えていました。
最後に残った、あの部屋を取り壊す前に、その真偽を確かめて欲しいと頼まれた猫猫。
壬氏達との立ち会いの下、猫猫は部屋の中を調べて行きます。
床に絵の具の欠片や筆など幾つもが落ちており、猫猫は先帝がここで絵を描いていたのではと考えます。
皇太后に聞けば、一度だけ描いてもらったと告げる彼女の言葉に、先帝はここで絵を描いていたのだと確信し、この部屋の管理をしている宦官を呼んで欲しいと言います。
やってきたのは喋ることが出来ない宦官と、秘密を隠すにはうってつけの人物。
そして猫猫はあるモノを見つけます。
それは壁に広く貼られた一枚の紙。
何かを隠すように貼られた紙に、宦官の反応を見て、猫猫はその紙を剥がしてみました。
するとその下からは、一枚の絵が現われます。
その絵は、一人の女性の絵でした。
第58話 先帝(後編)
先帝の死因は、絵の具に使用されていた雄黄と呼ばれている石が原因だと猫猫は告げ、そして、その毒は防腐効果を持っている事も言い、腐らなかった先帝の死の謎は解けます。
女帝となった自身の母によって皇帝になり、歳上の女性に目を向ける事が出来ずに、年下の女性に想いを向けるようになってしまった先帝の死。
そして部屋に飾られた女性の絵は、女帝であり、その周りに描かれた少女達は、彼が愛した者達なのだろうと、先帝の心の闇を知る皇太后は先帝の不憫を想います。
皇帝としての才能はまるでなく、ただ母親である女帝に人生を振り回され、自分の思い通りに生きる事の出来なかった先帝。
自分の事を愛してはおらず、大人になった自分から常に逃げていたのだと察する皇太后。
しかし壬氏は言います。
あの絵の女性は、本当に女帝なのか?と。
その問いには、先帝の別の想いがあったと感じる事は出来ましたが、彼女はそれ以上の事を考えず、もうこの世を去った先帝の事を想いながら、知らないことを選びました。
先帝はどんな想いで自分を愛し、そしてその子どもである壬氏に想いを向けていたのか?
我が子である壬氏に複雑な出自を不憫に想いながらも、女帝は猫猫の事を大切に想う彼に、彼女を守るように言い、かつての先帝の部屋を後にします。
薬屋のひとりごと 11巻の感想
今回は壬氏がメインなお話となっていました。
やはり彼は高貴な血筋の人間でした。
皇太后の息子で皇帝の弟と・・、壬氏は実に複雑な出自みたいです。
それにしてもなんで彼は宦官として過ごしているんでしょうか?
その謎も今後に明らかになっていくと思うのですが、その時、猫猫はどんな風に接していくのでしょうか。
彼女は変わらずに付き合ってくれると思います。
それにしても今回の先帝の件は、何か人の闇を感じますね。
皇帝の一族だから仕方が無いのは解りますが、母親である女帝に人生を振り回されてしまい、彼が歪んだ性格になってしまったのも解ります。
皇太后にとっては複雑な心中なのは解りますが、先帝も権力者としての人生に振り回された可哀想な人間だったのだと、同情をしてしまいます。
自分の思うように生きられないのは、確かに苦しいものです。
権力があれば好き放題に生きられるかもと考えますが、権力者ゆえに窮屈な人生を強いられてしまうとは、彼も苦しい生き方をしていたんですね。
壬氏も皇帝としての生き方に縛られずに、思うように生きて欲しいです。
皇太后も辛い人生を歩んでいたと思うも、息子の壬氏の事を大切に想っているみたいなので、親子仲に関しては問題は無いと思うのですが、何か雲行きが怪しい雰囲気があります。
皇帝の血を引いている壬氏ですが、今後の彼の動向が気になります。
猫猫は、まあ何も動じずに過ごしていそうなので、色々と彼の心の支えになって欲しいですね。
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