クイーンズ・クオリティ 1巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
心に巣食う悪意と病を退治して、汚れを掃う不思議な掃除屋を家業とする堀北家。
掃除屋としての才能を認められ、家政婦兼掃除屋の見習いとして住み込む事になった文。
同級生で同居人の玖太郎と一緒に周りで起こる不思議な事件を解決していく。
幼いころの記憶を無くし、行く先々で呪いの娘と呼ばれ各地を転々としてきた、謎の過去を持つ文に、次第に初恋の『ふゆちゃん』の面影を感じる玖太郎。
そんな時、文の中に眠るクイーンの力が目覚める。
たとえ思いを伝えられなくても、もう二度と離さないと誓う玖太郎の思い、文に眠っていたクイーンの力とは何なのか。
前作「QQスイーパー」から名前を改め新章「クイーンズクオリティ」が始まる。
『クイーンズ・クオリティ』1巻には第1話から第5話が収録されています。
クイーンズ・クオリティ 1巻のネタバレ、あらすじ
第1話
文は掃除屋を家業とする堀北家の家政婦兼掃除屋の見習いとして住み込む事になった文。
日課である掃除をしながら心を整え、穏やかな時間を過ごす堀北家の面々。
絶妙な距離感で接してくる同級生で同居人の玖太郎に不意にときめいてしまうものの、彼には他に好きな人がいるからと恋心は抱かないと誓う文。
そんな穏やかな時間を奪うかのように、文のクイーンの力を引き出す『手品師』と名乗る何者かが現れる。
『手品師』は、君の中にいるクイーンに出てきてもらうための実験と称して大胆な行動でストレスをかけていく。
すると、文に違う人格のスイッチが入ってしまい、思わず玖太郎は、落ち着けと文に駆け寄る。
文がクイーンの力を制御できるよう、玖太郎は、どんなときもそばにいて守り続けると、みんなの前で誓うのだった。
クイーンの力とは何なのか。文が呪いの娘と呼ばれる理由は何なのか。
第2話
誰も逆らえない圧倒的なクイーンの力。
文の意識も介入できないその力に、唯一クイーンを制御できる玖太郎。
その覚悟と強い気持ちを知った文だが、『ふゆちゃん』がいるから勘違いをしてはいけないと、相変わらず玖太郎に恋心を抱きそうな気持ちを押し殺す。
何人も逆らえないクイーンの力を制御するため対峙するのは自分であって、玖太郎に甘えてはダメだと考える文は、黒のクイーンの制御の方法を、精神科医で暗示術の達人の貴也に相談する。
そんな文へ与えられた試練。
貴也は、文に自分の中のクイーンと戦う覚悟が出来ているのかテストをしようと持ちかけます。
お題は、高校の汚染された部室の掃除です。
一人で抱え込もうとしている文に気が付いた玖太郎がとった行動とは。
第3話
何故、呪いの娘と呼ばれるようになったのか、クイーンの力を持つ理由。
幼いころの記憶と両親を失っている文にとって、それはパンドラの箱。
開けてしまえば、黒のクイーンの力を暴走させる可能性がある。
それを開けるトリガーになりうる、記憶のカギであろう『ふゆちゃん』と文への気持ちを、伝えることを禁じられた玖太郎。
文の隣にいるため黙っていると覚悟を決めたものの、その辛さから文を避けるような態度をとってしまう。
自分が何か悪いことをしたのでは、と落ち込む文を見かねた堀北家の面々は、二人一緒に買い物に出かける口実を与える。
買い物は、蚊取り線香、文の夏服(おしゃれ着・かわいいもの)と指令されるが・・。
第4話
すぐムシに憑かれるようなクズが滅びて、やさしい綺麗な世界になればいい。
独自の信念のため、文の黒のクイーンの力を呼び覚まし、目覚めさせようとしているムシ遣いのアタルは、ムシ憑きを育てるような新たな動きを見せ始める。
そのことを察知した貴也から、文に黒ではなく、真のクイーンとしての力を目覚めさせるため、更には玖太郎のクイーンの逑(つれあい)としての成長のために、売られた喧嘩は買ってやれと言われる。
そんな時、文は写真部で才能はあるものの、見た目の地味さから嫌がらせを受けているという、小久保ミキと出会う。
すると写真部顧問の林先生が現れ、ミキに嫌がらせをするので文はやめさせようとするが、逆に先生から罵倒されてしまい・・。
第5話
いじめの首謀者であり、ひどいムシ憑きに侵されている林先生。
その、どす黒い悪意を前に文は深い心の奥の扉を開け、ウチガワの心地の良い空間に落ちてしまう。
文が眠ったことで表に出てきた黒のクイーンは、林先生の強烈な悪意に対して悪意で返し、絶対的な精神支配のもと命令を下して一切の抵抗をできないようにする。
そんな黒のクイーンに対し、一切ひるまず、命令に従うことなく、林先生の精神支配を解除し、文の意識を取り戻そうとする玖太郎。
そのとき黒のクイーンがとった行動とは。
文の心の中の扉、真のクイーンへの通過儀礼など新たな謎が生まれる。
クイーンズ・クオリティ 1巻の感想
前作、QQスイーパーの続編となっており、掃除屋としての序章が終わり、文の中の目覚めた、クイーンの力とは何なのか。
なぜか呪いの娘と呼ばれては逃げてきた、文の謎についての説明が多い巻となっている。
文の幼いころの記憶やクイーンの力と呪いの娘とされるその繋がり。
また、『ふゆちゃん』と玖太郎と文の謎が明かされそうでいて明かされない展開にはもややもやする部分もあるが、何かしらの繋がりがあるのであろう付箋も多い。
また、偶然と縁がつながって堀北家にやってきた文だが、何かしらの縁があったからこそこの場所にいるのであろうと、推測させられる。
玄武の堀北家から、真のクイーンを出したいという大人の事情はあるものの、それ以前に文に対して、どんな過去があっても承知の上で一緒にいるのだから、文を正しく導くだけだと言い切る堀北家に、文と堀北家の絆が強くなっていそうである。
しかし、文はまだ少し距離を置こうとしている印象がある。
QQスイーパーの頃から文が初恋の女の子『ふゆちゃん』と、同一人物だと確信している玖太郎。
コミュ障という設定を最大に活かして、いい感じに近い距離感で文と接するシーンや、人とのコミュニケーションが苦手ながらも、一生懸命文江の気持ちを伝える描写に、内心それ告白だよと思いながら玖太郎を応援したい気持ちにさせられる。
そんな二人のやり取りがあるからこそ、クイーンが登場し、文と玖太郎の絆がどんどん強くなってきているのに、玖太郎が文に好きと伝えてはいけないと言われる設定がとても切ない内容となっている。
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