『推しの子』1巻のネタバレ・あらすじと感想を紹介します。
『かぐや様は告らせたい』でお馴染みの赤坂アカ先生と『クズの本懐』や『レトルトパウチ!』でお馴染みの横槍メンゴ先生がタッグを組み、生まれた『推しの子』は独自の切り口で芸能界や現実社会を描く衝撃的な作品です。
田舎で産婦人科医をしているアイドルオタクの青年、ゴロー。
そんなゴローの「推し」であるアイドルの少女、星野アイ。
決して交わるはずがなかった二人が出会ったとき、運命の歯車が動き出します。
『推しの子』1巻には、第一話から第十話までが収録されています。
『推しの子』1巻のネタバレ・あらすじ
第一話「母と子」
研修医時代に務めていた病棟の入院患者であった少女の影響で、「B小町」の不動センターであるカリスマアイドル・アイを推している産婦人科医・ゴロー。
アイの活動休止に落ち込んでいたゴローでしたが、そんなアイと最悪な形で出会うことになります。
紆余曲折あり、アイの担当医になることが決まったゴロー。
しかしゴローは何者かに刺されてしまい、命を落としてしまうのでした。
中盤から終盤にかけて、非常に衝撃的な展開が続きます。
第二話「兄と妹」
前世の記憶を引き継いで転生をし、芸能人の隠し子となったゴローこと愛久愛海(アクアマリン)。
彼には瑠美衣(ルビー)という名の双子の妹がいました。
ついにアイは活動休止を終え、復帰することになりました。
事務所の社長や愛久愛海から心配をされるアイ。
しかしアイは圧倒的なパフォーマンスを披露し、たくさんの人を魅了しました。
その復帰ライブをテレビ越しに見ていた愛久愛と瑠美衣。
そこで瑠美衣も前世の記憶を保持したまま転生をした赤ちゃんであるという事実が判明したのでした。
第三話「ベビーシッター」
赤ちゃんライフを満喫する愛久愛海と瑠美衣。
そんな中、双子の世話に疲れたベビーシッターが週刊誌に隠し子の情報を売り、金を儲けようと画策します。
愛久愛海と瑠美衣は力を合わせて、なんとかそれを阻止することに成功しました。
その夜、瑠美衣は前世のことを思い出すのでした。
第四話「笑顔の作り方」
給料の少なさや「アイの笑顔は人間臭さがない」という意見に悩むアイ。
事務所の人は、給料の少なさに疑問を抱いた愛久愛海と瑠美衣にアイドルの厳しい現実を教えます。
愛久愛海と瑠美衣はスタッフの子供という設定で「B小町」のライブを生で見ることになりました。
アイは、事情を忘れて自分に夢中になる双子の姿を見て自然な笑みを溢してしまいます。
こうして、アイは人間らしい本物の笑顔を覚えました。
第五話「監督と女優」
アイはドラマの出演が決まるなど順調に仕事を増やしていきました。
目を引く演技をしたアイでしたが、製作側の都合により大幅に出番をカットされてしまいます。
そのことを不満に思った愛久愛海は、監督に抗議の電話をかけます。
その監督はアイの才能を認めており、アイに映画の仕事を振りたいと言います。
しかし愛久愛海はその代わりにとある条件を突きつけられるのでした。
第六話「子役たち」
「アクア」という芸名で子役をすることになった愛久愛海は、現場で有馬かなという天才子役と出会います。
有馬は傲慢な性格で、アクアを「監督のゴリ押し」と罵倒しました。
愛久愛海は前世の記憶をうまく利用し、監督の意図通りに演技をします。
その演技を見た有馬は、悔しさを感じ涙を浮かべました。
そして、アクアという役者を意識することになりました。
第七話「転ぶのを恐れれば余計に転ぶ」
幼稚園に入学をした双子。思い思いに過ごす二人は、どんどん現在の生活を気に入っていきました。
前世のトラウマの影響で上手く踊ることができなかった瑠美衣でしたが、アイの指導によって成功。
瑠美衣のアイドルとしての才能が開花し始めました。
第八話「星野アイ 前編」
「B小町」のドーム公演が決まり、盛り上がる事務所や双子。
感慨深そうにアイドルを語る社長を見たアイは、自身がデビューに至った経緯を回想します。
「嘘が本当になる」ことを信じて嘘をつき続け、アイドルをしているアイはいつかそのの代償が訪れるのではと危惧をしていました。
そしてついに、その時が訪れてしまいます。
第九話「星野アイ 後編」
ストーカーに腹を刺されてしまったアイ。
瀕死状態のアイは、自分を刺したストーカーに対して本音を語ります。
ただ呆然とするしかない愛久愛と瑠美衣。
こうして二人の第二の人生の幕が上がりました。
第十話「イントロダクション」
アイの訃報のニュースに対するネットの反応にショックを受ける瑠美衣。
しかし徐々に立ち直っていきます。
愛久愛海は、犯人にアイの情報を提供した人間が芸能界にいると推測。
自身で情報提供者を探すため、芸能界入りを決意するのでした。
『推しの子』1巻の感想
主人公の突然の死から始まり、メインに据えられていたアイドルの死で終了する第1巻、まさに怒涛の展開。
1巻目とは思えないほど内容が濃く、非常に読み応えがありました。
また、芸能界の現実の描写や芸能人の訃報に対するネットの反応の描写は、あまりにも生々しく思わず目を背けたくなるようなものでした。
特にネットの反応に対して瑠美衣が糾弾するシーンは感情移入をしてしまい、とても辛かったです。
しかし、登場人物たちが懸命に努力をし、藻掻く姿はとても美しく読んでいて清々しい気分にもなりました。
特にアイのカリスマ性は凄まじく、現実世界にアイが存在していたとしたら本当に多くの人が彼女にファンになっていたことでしょう。
終盤の盛り上がりは、読者に続きを読ませる魔法のようで、ページを捲る手が止まりませんでした。
急展開や独特な設定を得意とする原作者と華やかで繊細な絵柄が特徴の作画者という強い個性のぶつかり具合が気持ち良く、とても秀逸な作品です。
第一話の終盤に『推しの子』というタイトルの意味が判明した瞬間、鳥肌が立ちました。
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