少年のアビス 5巻のあらすじ・ネタバレと感想!無料試し読み

青年
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少年のアビス 5巻のあらすじ・ネタバレと感想を紹介します。

田舎町で希望のない日常を送る高校生の黒瀬令児。

アイドルの青江ナギと出会い変化が。

アイドルとの心中未遂、幼なじみのチャコとの約束。

令児に執着する女担任教師、母親との関係。

令児は周囲に翻弄されながらも光を見つけることはできるのか、それとも?

 

少年のアビス 5巻には第38話から第47話が収録されています。

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少年のアビス 5巻のあらすじ・ネタバレ

第38話 救いの手

ネットカフェから出てきた令児とチャコ。

令児の前方には、迎えに来たと両手を挙げる担任の柴沢の姿。

令児は、先生!と駆け寄るかと思いきや、チャコの先生?何でいるの?の声に別の方向に歩き出します。

柴沢は2人の前に立ちふさがり、家まで送るので車に乗るようにと言い、2人は車に乗ります。

 

車の中で柴沢とチャコは互いに自己紹介します。

車の中、チャコは柴沢から大学のことを聞かれ、東京の大学を目指していて、令児と一緒にこの町を出ようと話している、と答えます。

柴沢の表情が変わり、ブレーキを踏み車を止め、チャコにがんばってねと言うと、気まずい雰囲気を感じてチャコはここでと車を降ります。

 

柴沢は令児には話があるからと言うとチャコは令児の手をつかみ、車から引き下ろします。

ごめんと謝る令児にチャコは一発、平手打ちをかませます。

先生との関係を問い詰めるチャコに令児は、助けてほしいと言ってしまったと…。

 

チャコは、令児は私が助けると言い、右手を伸ばして差し伸べます。

令児は勘弁して、救われたくないとうなだれます。

チャコは自宅に戻っても、もやもやとした気持ちが続きます。

 

第39話 よすが

令児は自宅の前に戻ると柴沢が待って「おかえり」と声をかけられます。

令児は今日は家庭訪問に来たと言われ、車で話を聞きますと車の中へ。

柴沢は令児にチャコとの関係をしつこく聞きます。

先生にそこまで言う必要はない!と言うと柴沢はいら立ち、感情的になります。

先生はあなたの味方だけど、チャコのことは嫌だと…。

令児は、もう無理ごめんなさいと、その場を去ります。

 

自宅に戻った令児は、スマホを見ると、青江ナギがアイドルグループのアクリルに復帰したことがニュースになっています。

 

第40話 灯火

その夜、令児は母から頼まれた弁当の買い忘れに気づき、コンビニへと向かいます。

買い物を終えた令児は、初めてナギに会ったコンビニの裏を覗くと幻なのか?ナギの姿が見えたようでした。

 

令児は驚き、気が動転して、帰り道を走り出します。

令児はナギに出会わなかったら以前と同様に、いつまでもこの町で生きていけた…。

ナギに出会って自分は変わったが、急に自分の前からいなくなってしまった。

令児はナギとの自殺未遂の川の場所に来て、あの時ここでナギと死にたかったと悔やみます。

 

場面は変わり、先ほどのコンビニでの出来事に時間が戻ります。

店内で令児は似非森から声をかけられます。

驚いた令児は、ナギは東京に帰ったのにあなたはいるのですかと聞きます。

似非森は、死体はまた流れてしまった、と謎めいた言葉を口にします。

 

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第41話 水死体

令児は、ナギは自分で明るい世界に帰っていったと似非森に言い返します。

似非森は、あの子は生き方を知らない、水に浮かぶ死体のようにただ漂うことしかできない、と言います。

令児は、似非森からあの夜はキミがナギを引き寄せたのかと聞かれ、そうではなくあの日はナギの方から心中を誘ってきたことを思い出します。

 

似非森との別れ際、令児はナギがいた部屋の鍵を渡され、熱帯魚に餌をやりに行ってくれと頼まれます。

似非森は、東京に行きたいなら連れていってあげるとも。

理由を聞く令児に、似非森はキミを見届けたい、僕は作家だからと…。

 

第42話 泡沫

令児はナギの住んでいた部屋に行き、カギを開けて中に入ります。

ベッド脇の水槽の熱帯魚は生きています。

令児はナギと心中しようとした日、ナギの方から言ってきたことを改めて思い出します。

 

テーブルの上には、「春の棺」の本が置いてあり、そこに挟まれた封筒には令児へと書かれ、ナギの電話番号とお札が入っています。

令児は驚き、ナギに会いに行けると思います。

 

一方、チャコは学校で担任の先生から呼び出しを受けます。

生徒会長の立候補の件かと想像するチャコ、そこには学年主任もいます。

すると担任から昨日他校の男子生徒と漫画喫茶で不適切なことをしたそうですね、と言われます。

 

令児の担任の柴沢がチャコの学校に出向き、バラしたのです。

先方は男子生徒のプライバシーもあり、大事にはしないでくれるとのことです。

こちらも学年主任と担任で今後のことを考える、母親には迎えにくるように連絡すると言われ、落ち込むチャコでした。

 

第43話 咎人

柴沢は、実家の芝沢卓球場で一心不乱に卓球の練習をしています。

祖父からは平日なので学校はと聞かれ、創立記念日で休みと適当に答えます。

柴沢は卓球の玉を打ち込みながら令児から嫌われたことを思い出し、いつか必ず私に感謝する日が来ると自分に言い聞かせます。

 

一方、チャコの家では令児との事件が母から父にも知らされます。

チャコの父は令児と遊ばせるなと前から言っていたのにと母をきつく責め、チャコからスマホを取り上げるように命じます。

チャコは幸いにも高校での処分はありませんが、生徒会長への立候補はやめるようにと言われます。

 

令児はナギに電話をしようとスマホ画面を見ているとチャコから、助けてとのメールが入ります。

令児は驚き、自転車でチャコの家に駆けつけます。

 

家のチャイムを押すと母親が出てきて、令児の顔を見るなり、あなたのせいであの子の将来が台無しになった、もうあの子と関わらないで、と言われます。

するとチャコが玄関から飛び出してきて令児に抱きつきます。

チャコは令児にあの日の約束覚えてるよねと尋ねます。

 

第44話 手段

その約束とは、もしチャコが殺されそうになったら令児がチャコをこの町から救い出す、ということです。

令児は担任の柴沢にチャコに何をしたのかと電話で聞くと、私の生徒に不適切な行為をもちかけようとしたので学校から注意してもらおうとしたと。

令児は、ひどい!あんたと話しても時間の無駄だ!と電話を切ります。

 

場面は変わり、令児の母の勤務する病院の駐車場です。

柴沢は夜勤に出勤する令児の母に少し話せますかと自分の車に乗せます。

そこで、令児の母に向かってお宅の家庭環境は令児にとって最悪だとか、幼なじみのお父さんと長年不倫関係にあることに心を痛めてるなど、失礼なことを言い続けます。

柴沢は思っていることを言い終え、令児の母がどうしろと?との問いに、通帳を見せて1千万円あるので令児くんを私にください、と言います。

 

第45話 その町の聖母

令児くんを私にくださいと言われた母は、ショックで両手で顔面を覆いうなだれます。

令児の母は、その方が令児は幸せになれますかと聞くと、柴沢はかならず幸せにしてみせます!と答えます。

 

そして、まずこのお金でおばあさんの施設とお兄さんの保護先を探す、お母さんはあの家から出ていき、令児の帰る場所をなくすなどと段取りを説明します。

令児君には、ありがとうあなたのお陰で家族みんな幸せになれる、と言ってあげてください。

令児の母は、良く分かっていらしゃる、と答えて車を降ります。

柴沢は、こんなあっさりと母親と交渉が成立するなんて信じられない、ひどい母親と笑い飛ばします。

 

令児の母は、勤める病院では仕事熱心で母の介護に追われる苦労人で良い人との評判です。

その日も休憩時間にお母さんを看に帰ると同僚に告げて、峰岸建設の従業員の寮に通います。
そこは玄の父との不倫関係を続けている場所でした。

令児の母は寮の部屋に着き、鍵を開けて中に入ると、その後に玄が部屋をノックします。

 

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第46話 密会

令児の母は、玄を呼び出したのでした。

玄が部屋に入ると、令児の母がセーラー服を着ており驚きます。

令児の母は、いつも通りに玄の父が一番のお気に入りのセーラー服に着替えていたのです。

 

令児の母は、玄の父親との関係を令児は知ったみたいだけどどうして、と玄に聞きます。

玄は、令児が家族も全部捨ててこの町から出ていく気でいたから母親の現状を話して引き留めるしかなかったと答えます。

令児の母は、あの子は「町を出る」なんて言うはずないのに変わったと言います。

玄は、青江ナギと言うアイドルと知り合って心中未遂を起こしたことを伝えます。

 

令児の母は、令児が玄の父との関係を若い女の担任に相談していたこと、その女は令児をこの町から出そうとしていることなどを話します。

そして私と令児と玄の絆がとても深いことをあの女に伝えてと玄に頼みます。

 

令児の母が病院に戻ると部屋に取り残された玄は、意気消沈してうずくまります。

 

第47話 果てより

令児の母は、女の担任がお金で令児を買おうとしたことが許せない!と玄に訴えます。

そして担任の部屋の鍵を渡し、名前は芝沢、家の場所は知らない、1000万円入った通帳を持っている、と伝えると玄の表情が変わります。

 

場面は喫茶店に変わります。

令児の母は似非森に電話して喫茶店に呼び出します。

似非森の母は勤務先の病院に入院していたので、電話番号を知っていたのです。

 

令児の母は、親の死に目にも帰ってこなかったのにどうして今更、この町に帰ってきたの?しかもこんな異物を持ち込んでと青江ナギの写真を見せて、似非森に聞きます。

更に、この町(わたし)から逃げれなかった?と続けます。

似非森は、キミの言う通り、どこまで行っても”ここ”から逃れれない、そんな”町”が今も昔も大嫌いなんだ、だから壊してしまおうと思って、と難解な言葉を発します。

 

場面はチャコの高校の近くに変わります。

チャコは、父からの指示で母の運転する車で高校の校門近くまで送ってもらいます。

チャコは車から降りると校門とは逆方向に急ぎ足で向かいます。
そこには令児が待っています。

微笑むチャコと令児。
二人は手をつなぎ、行こうと走り出します。

ここで5巻は終わります。

 

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少年のアビス 5巻の感想

5巻も前巻同様に読み進むにつれてやるせない気持ちがこみ上げてきました。

担任の柴沢の令児に対する思いが愛情を超え、不気味なくらいの執着へと変わります。

令児も反発心を抱くようになり、その気持ちが大きくなっていきます。

令児を独り占めしたいという気持ちの反動か、チャコや令児の母に対する言動が酷く、見るに忍びないような場面も多くありました。

 

チャコも令児とのことを学校にばらされ、これまでの学校での良い評価を落とし、家庭内でも親との関係がより悪くなってしまいます。

令児の母も担任の柴沢から言いたい放題の失礼な言葉を浴びせられ、挙句の果てはお金で令児を買おうとします。そうした場面では気の毒に感じました。

しかし、令児の母は玄と組み、柴沢に反撃する様子です。

令児の母は気の強いところもあるようで怒らせると怖そうです。

 

当の令児は、青江ナギと初めて出会ったコンビニの裏で青江ナギのことを鮮やかに思い出し、店内で似非森と再会することでナギの部屋の鍵を渡され、熱帯魚の餌を与えることを頼まれます。

ナギの住んでいた部屋に行き、熱帯魚を見るにつけ、再びナギのことが気になります。
部屋には令児へと書かれた封筒に電話の連絡先と東京へ行くお金があり、ナギに会う気持ちになります。

 

似非森からはただ流されるだけの存在に思われているナギ。

しかし、令児に対しては自分の意志で心中を誘ってきたことを思い出します。

やはり令児はナギと心中したいのかもしれません。

 

最後のチャコと令児が朝、学校に行くふりをして2人で待ち合わせをしてどこかへ行ってしまうシーン。

これは、令児のチャコとの約束である、もしチャコが殺されそうになったら令児がチャコをこの町から救い出す、ということの一環なのでしょう。

令児の願いは、チャコをこの町から救い出して東京の大学へ通うまで支援することです。

 

それが終わったら前巻までは東京の大学には行かず、母に近くにいて安心させてあげるように思いました。

しかし、5巻を読むと令児の心の中のナギの存在が再び大きくなってきており、雲行きは怪しくなってきました。

以前ファミレスで、チャコはナギに「令児を金輪際、心中には誘わない」ことを約束させましたが、その約束は守られるのか?

今後の展開がとても気になります。

 

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