朝食会 5巻のあらすじ・ネタバレと感想を紹介します。
秋山家の老婦人の依頼により加世子たちは不破鈴江の復讐の準備を完了する。
一方、間宮真珠では不破一家が乗っ取ろうとするも従業員の不満が高まり…。
そして、刑務所から出所した尾藤の妻の殺人犯・溝口保の動きは?
朝食会 5巻には第二十五話から第三十話が収録されています。
朝食会 5巻のあらすじ・ネタバレ
第二十五話
倉庫の高さ約12mの天井のクレーンに目隠しをされて吊るされた不破鈴江。
この女性が行った行為は間違いなく「死」に値します。
加世子のどうぞ…の声で老婦人は、クレーンの電源スイッチをオフにします。
鈴江の体が天井から床にたたきつけられ、老婦人はありがとうございました。これで十分ですと頭を下げるのでした。
三上は、クレーンからの落下を繰りかえさず、この女を生かしておけば、また被害者が増えると言います。
しかし、老婦人はそうするとこの女性の息子は…と思いとどまるのでした。
場面は変わり、生き延びた不破鈴江はタクシーを使って何とか自宅のマンションに戻ります。
玄関の扉を開けて室内に入ると榊一家の華代が、新しい召使候補が来たよ~、とママに連絡します。
鈴江が部屋の様子を見ると榊一家のママがソファーの中央にでんと座り、弁当を食べています。
一方、鈴江の父母と息子の玲はあられもない姿にされて虐(いじ)められていたのでした。
その異様な姿を見て鈴江は、これは一体何事?、人の家で何をするの、出ていきなさいと、注意します。
しかし、華代が女子プロレス仕込みのかかと落としを鈴江の頭部にあびせます。
榊一家のママは、あんたのご主人様なのでここにサインしてと、生命保険の契約書を鈴江に差し出すのでした。
第二十六話
場面は間宮真珠の事務所。
女性事務員は、玲が5日連続で無断欠勤、商品在庫も10数点紛失、お金も足りなくなっていると社長の杏子に報告します。
杏子は、実家へ行き、前社長の母親に報告すると、あなたは騙された、と言われます。
杏子は、お母さんに間宮真珠に戻って欲しいことを申し入れます。
前社長の母親はくすくすと笑い、立ち話もなんだから上がりなさいと部屋に通します。
そこには杏子のやり方に嫌気がさして間宮真珠から逃げてきた人たちがいました
母親は、ここにいる皆さんと新会社「Mスピリット」を設立しました、と言うのでした。
杏子は、お母さんは間宮を潰したいの、創業百五十年の歴史を終わらせたいの、と言います。
母は、あなたも覚悟を決めなさい。間宮直系の血族として間宮真珠を再興させるか、それとも私に頭を下げてMスピリットで一兵卒としてやり直すか…、と厳しく言い返すのでした。
場面は不破鈴江の自宅。
榊一家のママの不破一家への虐げは延々と続いています。
哲から荷物整理ができたとの報告があり、ママは一旦休憩と荷物を見に行きます。
鈴江の自宅には売れそうなバッグなどに加え、間宮真珠の商品もありました。
すると葉介は、ネットニュースでは間宮真珠は実質経営破綻で百五十年の歴史にピリオド、前社長は「Mスピリット」という新会社を立上げと報告します。
榊一家のママは、間宮真珠の持株が溶けた。それなら秋本家の土地と家を売却と言います。
しかし葉介は、おばあさんから土地と家を相続してほしいと言われ、公正証書遺言を作って既に役所に保管済みだからダメと言います。
それを聞いた榊一家のママは、華代に不破一家の4人には総額4億円の保険がかかっているので虐げをしっかり行うように命じるのでした。
第二十七話
調布市妊婦殺害事件の犯人溝口保が出所し、堤自動車解体という会社で働くことになります。
会社は堤社長と奥さん、数名の従業員からなる小さな所帯。
社長は、溝口の犯罪歴が気になり、奥さんには注意するように言うも、奥さんは更生しようとする人を疑ってかかるのはとあまり気にしていない様子。
その日は、社長が夜6時から会合があるのでみんな定時で上がってくれと言います。
奥さんは職場の人たちに今日はウチに飲みに来ないか、料理を作るよと声をかけますが外国人労働者は急なため、断ります。
奥さんは溝口に声をかけると最初は遠慮しますが、奥さんは遠慮などいらないと強引に誘います。
社長は溝口に会社で働いてもらう以上、妊婦殺害事件のことを知りたいので話してもらえないかと言います。
すると溝口は、社長に失望されるのが怖いですが、正直にお話しますと、これまでの生い立ちやその事件のことを話します。
溝口は、あの時は通報を防止しようとして女性と揉み合いになり、女性は破水し、怖くなって逃げ出した。あの時、救急車をすぐに呼んでいたらと今更ながら思います、と語ります。
殺意はなかった、と社長が聞くと、溝口ははいと答えるのでした。
その日の夜、社長が自宅に帰ると食堂テーブルの周辺が荒れており、奥さんの姿が見当たりません。
社長は何事かと階段を下りて作業場に行くと、溝口が薬品の入ったドラム缶をかき混ぜていました。
溝口は、お帰りなさい、オレがやったんスよ、通報しろよ、と言います。
社長は、なんてヤツだ、あんなに目をかけていた由紀子を、と怒りをぶつけます。
そのとき、入口ドアのノックし扉を開けて、すみません…、お取込み中に、と男が入ってきます。
溝口が、おまえはと言うと、弁護士の阿久津次郎です、と名乗るのでした。
第二十八話
溝口は、刑務所出所の時に声をかけてきた男だと思い出します。
溝口は、阿久津に二度とオレの前に姿を現すなと言ったろと言います。
阿久津はでも「私はあなたに話がある」と言ったはず、と返します。
溝口は、みんなまとめて溶かしてしまえば、と言うと、阿久津は計算式を口にします。
溝口が何?と声を発すると、阿久津は必要な苛性ソーダ量と言います。
阿久津は、薬剤は1人分、目撃者は2人。さてどうします…と問います。
溝口はどっちを溶かすかはオレが決める、と返すのでした。
場面は変わり、阿久津法律事務所に溝口が現われます。
応接室で2人は会話を続け、いよいよ阿久津の本題の話になります。
阿久津は、「朝食会」の尾藤があなたの命を狙っています、と言います。
尾藤は、溝口さんが調布市妊婦殺害事件で殺した女性の夫、と続けます。
阿久津は、尾藤は私の母を殺した男でもあり、私たちの利害は一致している、と言うのでした。
場面は翌日の堤自動車解体。
社長と奥さんが行方不明になり、警官が従業員に聞き取り調査を行っています、
加世子は偶然を装って通行人としてその場を訪れます。
加世子は携帯で尾藤と連絡を取り、溝口が堤自動車解体にいることを報告します。
場面は変わり、公園の多機能トイレ。
若い女性が口に布を詰められた状態で溝口より暴行を受けています。
阿久津が扉の外からどうかしましたか?と声をかけると溝口が扉を開き、素早く逃げていきました。
阿久津はその女性を事務所に案内し、弁護士であることを明かして話を聞きます。
阿久津は現場に落ちていた犯人の男のものと思われるガスの領収書を渡します。
阿久津は、女性から男を有罪にできるかと聞かれ、話を聞いた限りは強制性交等は認められない可能性が高いと答えます。
しかし阿久津は、一つ提案がありますと切り出します。
「朝食会」という団体があり、法では救済できない被害者のための復讐支援団体である、と。
第二十九話
朝食会メンバーの男性が溝口の住所の場所をガスの領収書をもとに探しに来ます。
そこには別の人物が住んでおり、不審に思っていると溝口に後ろからバットで殴られ、拉致されます。
男は、堤自動車解体の作業場の柱に裸の状態で縛り付けられます。
阿久津は、朝食会の尾藤春也という会員に関する質問をしていきます。
男は最初は知らないと否定しますが、苛性ソーダの水溶液を足に垂らすと激痛に堪えられずに話さざるを得なくなりました。
阿久津の取り調べはその後も続きます…。
そしてニュースでは、調布市飛田丘の住宅地で死体発見のニュースが流れるのでした。
その後、堤自動車解体の正門には「しばらく休業させていただきます」の看板が掛かっているのを加世子は発見します。
一方、溝口から暴行を受けた女性は朝食会に依頼するも、支部長からはアクシデントがあり、調査に時間がかかると言われます。
支部長は、その女性に朝食会を知ったきっかけを聞くと、女性は弁護士の阿久津の名刺を差し出すのでした。
加世子は、堤自動車解体がオーナー夫婦失踪により休業していることを病院にて尾藤に報告します。
先日の朝食会員の死の話題になると、尾藤は死体が遺棄された場所は以前、私が妻と住んでいたすぐそばなので、間違いなく私への挑発だ、と言います。
そこに支部長が現われ、先日の会員死亡は尾藤の言う通り、溝口の単独犯ではなく、組んでいる相手はこれだよと阿久津の名刺を出します。
尾藤は、彼らは私をおびき出そうとしており、私の代わりに溝口の所へ行ってもらえますか?と加世子に言います。
そして、加世子は支度をして阿久津の名刺の場所へ向かいます。
加世子は名刺のビルに着くと、尾藤からのアドバイスに従い、目的の場所に行くとそこは法律事務所ではありませんでした。
第三十話
その時、加世子の背後には男がハットを持ち、まさに殴りかかってこようとしていました。
加世子は、素早く身をかわし相手の懐に入り、バランスを崩して投げます。
逃げる男を三上が後ろから両手で頭部を締め上げると男は崩れ落ちますが、溝口とは違う人物でした。
一方、エレベーターの方を見るとを見ると溝口がいます。
加世子がスタンガンを向けようとしますが、それじゃあな、尾藤によろしくと言い、エレベータのドアが閉まり、逃げられます。
支部長は、尾藤の病室で一緒に携帯電話で状況を把握していました。
支部長は一杯食わされた上、顔バレちまったよ、どうするつもりなんだいと言います。
尾藤は、ワクワクしますね、どうやって溝口の息の根を止めるか…と言うのでした。
一方、阿久津と溝口は阿久津の事務所で話をしています。
溝口は、朝食会の情報が徐々に分かってきたが、尾藤が姿を現さないのは不自然。ひょっとして入院しているのかと言いますが、阿久津はそれはこれからの調査によりますと答えます。
阿久津は、今後については次なる爆弾を仕掛けた。戦の基本は分断工作、朝食会による共食いショーの始まりです。と溝口に語るのでした。
一方、朝食会の事務所には女性がやってきます。
支部長の先日依頼された峯さんですね、と声をかけるとその女性は依頼ではなくて朝食会に入会したいと言うのでした。
朝食会 5巻の感想
5巻では、さまざまな展開があり、ハラハラドキドキとさせられました。
秋山家の老婦人からの依頼による不破鈴江の復讐では、老婦人はクレーンからの落下を繰りかえすことはせず、鈴江を生かしました。
落下を繰り返すことを勧められても老婦人は、そうするとこの女性の息子は…と思いとどまるシーンは印象に残りました。
自分が復讐される危険があっても相手の息子を思いやるのは、自分の息子を殺された母親ならでの心情だと感じました。
不破一家の間宮真珠の乗っ取りでは、杏子は不破鈴江の強引なやり方に次第に違和感を感じますが、前社長の母親との確執もあり、心を許せる相談相手がおらず孤独で大変だと思いました。
そうした中、間宮真珠の従業員の気持ちが離れてしまい、前社長を立て、新会社設立となりますが、やはり働く人の気持ちを大事にしないといけませんね。
また、榊一家は不破一家に戦いを仕掛けます。間宮真珠ではやりたい放題の不破鈴江も榊一家のママの手にかかると、いとも簡単に服従されてしまうのは少し意外でした。
不破一家はこのまま一方的に負けてしまうのか、機を伺い反撃するのかと気になりました。
更に、尾藤の妻の殺人犯・溝口保が出所し、弁護士の阿久津と組んで朝食会に挑んでくる姿は非常に不気味です。
尾藤が入院しているため、さまざまな場面で加世子が前線に立つ場面が多くなってきました。
危険な場面も増えてきますが、一段と強くたくましく成長している姿は素晴らしいです。
この強敵を朝食会の支部長、加世子、尾藤たちはどのように戦っていくのでしょうか。
続きが楽しみですね…。
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