少年のアビス 3巻のあらすじ・ネタバレと感想!

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田舎町で希望のない毎日を送る高校生の黒瀬令児はアイドルの青江ナギと出会います。

少年のアビス 3巻は、令児がナギ、柴ちゃん、チャコの3人の女性と謎の男・似非森をめぐるミステリアスな物語です。
少年のアビス 3巻のあらすじ・ネタバレと感想を紹介します。

 

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少年のアビス 3巻のあらすじ・ネタバレ

第18話 朔に待つ

黒瀬令児の高校のクラス担任・柴ちゃんは進路指導室で令児にアパートの合鍵を渡します。
これから母親にも誰にもばれずに進学して町を去る、負けちゃダメ私と一緒に戦うのと言います。
そして、令児を背後から抱きしめ、キスをして今日来る?と誘います。

一方、チャコは1か月前に似非森と橋の上で会ったとき、本名を聞かれて朔子(さくこ)、新月の朔と答えます。すると次の新月の日にこの場所で待ち合わせをしようと言われます。

次の新月の夜、橋の上でチャコは似非森と再会します。今からどこへと聞くと似非森は、僕の家と言います。

チャコは、行っていいんですか?と聞くと似非森は大歓迎、奥さんのいるマンションでなく、実家の執筆部屋を見せると言います。

似非森の実家につくとチャコは執筆室に案内されます。散らかっていて退廃的な感じに、チャコはむしろワクワクとした気持ちになります。

似非森は、当初は夫婦で実家に引っ越すつもりが、母親が嫌がるので、奥さんはマンションにいるとのことです。

第19話 seducer

部屋に着くとチャコは先生の本の感想文を持ってきたと言いますが、似非森はその辺に置いてとそっけない様子です。

似非森はベッドの上に腰掛け、おいで朔子!と声をかけます。

チャコは、まずい展開になりそうな気配を感じ、私は未成年なので今度は逮捕されますよ、と言います。似非森は、朔子はそんな気はなかったんだね、悪かった!と謝ります。

似非森は、17歳の時に女性と心中して相手は亡くなり、自分は死に損なった、年を取りこの町に戻ってきて「春の棺」を読んだ17歳の朔子に出会えた。朔子は俺を終わらせる女になってくれ、と抱きついてきます。

すると運よくチャコの携帯に令児からの着信音が鳴ります。
チャコは似非森を手で押し払い、今日でファンは辞める!と言ってその場を去ります。

次の日、令児はチャコの部屋に遊びに行くと、チャコは久しぶりに告解ごっこをしようと言います。
告解とは、二人でそれぞれ頭に布をかぶって秘密や悩みやムカついたことを話すことです。
その場で語った話しは口外してはいけないというルールです。

第20話 告解

告解が始まります。まずはチャコの番です。
チャコは、憧れの小説家・似非森に出会ったことを話します。

先週、家のお茶屋の店番中に似非森がやってきた。話しをして大学卒業後は編集者になり、先生の担当になりたいとの夢を伝えたところ、今から担当になってと言われた。

次に会う約束をして昨日会った。家に行ったらすぐにベッドに誘われて、逃げて帰った。
幻滅したのでファンも辞め、本も全部捨てようと昨日までは思っていた。

しかし、自分の深いところでまた会いたい、このまま縁が切れるのがいやだってずっと叫んでいる、と告白します。

次は令児の番です。

令児は、チャコが会う前に自分も似非森に会った。似非森は母の同級生だったが、母が悪い男だから関わるなと言った、と告白します。

チャコは、似非森は17歳の時に情死ヶ淵で心中未遂して相手女性だけ死んだと言ってたので、令児の母はその女の人の知り合い?と聞きますが、令児には分かりません。

令児は、高校卒業したらこの町から離れた大学に行く、たぶん二度とこの町に戻ってこないとチャコに言います。
チャコが驚いてどうしてと聞くと、令児は全部裏切って全部捨てると答えます。

令児はチャコに東京で会おうと呼びかけ、意気投合します。
令児は、だから似非森に会わないと約束して、あの人に会ったらチャコの夢全部つぶされる、とチャコに想いを伝えます。チャコは、わかった、もう絶対会わないと言います。

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第21話 未来のある幸福

令児は、東京の大学を受ける幼なじみが一緒にと言ってくれるので自分も東京の大学に行くと柴ちゃんに伝えます。

柴ちゃんは受験費用も入学金も家賃も全部払うと言い、9百万円ほどある貯金通帳を見せます。
そして、近場の大学では家族や地域との縁が切れないので東京に行きなさい、東京に行ってくれたら私ともすっぱり縁が切れるし…と言います。

令児は、お金は必ず返すと言うと、柴ちゃんは返さなくていい、そのかわり私とこういう関係のうちは他の女の子と付き合ったりしないで、と言います。

場面は変わり、チャコは令児に今からがんばったら私と一緒に早稲田を目指せると言うと、令児はそういえばあそこの大学で事件があったと話題にします。
チャコは、サークルの飲み会で女の子が飲まされて悪いことされたことを話します。

その後、チャコとは令児と別れて自宅に戻ります。
すると母から東京の大学に行ってはいけないと言われます。

東京の大学で事件がありニュースになったのを見て、祖父から父に話があり、東京は危ないので自宅から通える大学にしなさいということなのです。

チャコはショックのあまり呆然とします。そして、自分の部屋で悲しみにくれます。

第22話 光

失意のチャコは家を飛び出し走り出します。そして、令児のアパートの前で泣いています。
令児が似非森に何かをされた?と聞くと、チャコはちがう、もっと最悪と、事の次第を令児に話します。

チャコは今度は、令児は東京に行き、自分はこの町から出れなくなり立場が逆になったと言います。
令児は、まだ受験まで1年以上もあり、その間に家族を説得すればよいと言ってくれます。

チャコは、祖父や両親への不平不満を次々と口にして、家族は自分を精神的に殺すのだと泣き出します。

令児は一瞬ナギの顔がよぎり、「殺される前に一緒に死のうか」と言いますが、チャコはハッとして顔を上げると令児は、ごめん冗談、と否定します。
チャコは、令児は今「春の棺」の本の主人公みたいだったと意味ありげに言います。

そして、さっき玄関を飛び出したとき、似非森先生のところに行こうとしていたけれど、気が付いたら令児の家に走ってきてたと言うと、令児は…よかった、と言います。

チャコは、自分が本気で死にたくなったら一緒に死んでくれるの?と聞くと、令児はチャコには死んでほしくない、明るい光みたいな存在だから…、と言います。

チャコが殺されそうになったら何としてもチャコをこの町から出してやる、と令児は言うと、チャコは感極まり令児にキスをします。

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第23話 嫌悪

チャコが令児にキスをすると令児は、ごめんと謝ります。
チャコがそのわけを聞くと、令児は汚いからと答えますが、チャコは私の方が涙と鼻水で汚いよと言い返します。

しかし令児は、そういうんじゃなくて…とナギや柴ちゃん先生との関係など、別のことを気にしていたのですが、チャコには知る由はありません。

チャコは、今日は人生で最低の日になるところが、ファーストキスの日に塗り替えられた、まだ時間があるのであきらめない、と前向きな言葉を口にします。

そしてチャコは令児と別れた帰り道、自分は令児のことを他人事としてかわいそうだと思ってきたけれども、令児は私を何としてもこの町から出してやる、と言ってくれた。

チャコは、令児は汚くなく、汚いのは自分だったことに気づき、令児に好きって言い忘れたことを悔やみます。

一方、令児はチャコとこうなる展開を予想しておらず、オレなんかにやめてくれという気持ちです。

令児はナギが勤めていたコンビニに行って、ナギを尋ねると先々週くらいに辞めたと言われます。

令児は、夜道を歩きながらオレは本当に最低なんだと独り言を言います。
本気で死のうとしていた、担任の先生に助けてもらうためにセックスして、お金もくれると言われた。夢を持ち努力して東京に行こうとしているチャコに一緒に行くなんて言える人間ではない…。

「お前に居場所なんてない、早く死ねよ」という声が心の中に聞こえてきます。

令児は気がつくとナギの家の前に立っています。
ベランダで煙草を吸うナギから遅かったね!と声をかけられます。

第24話 静の夜

ナギは家の玄関のドアを開けて令児を招き入れます。

令児があの人は?と似非森のことを聞くと、ナギはいないと答えます。
最近は創作が忙しくて全然こちらにはきていないようです。

ナギは、どうする?行く…?と心中のことを聞いてきます。

令児はあの夜、邪魔をした担任の先生の家に行って先生とやった。そうしたら町を出る手助けをしてくれるって言って、だから高校卒業したら幼なじみと東京へ行こうと約束した、と言います。

ナギはそれを報告しに来たの?と聞くと令児はこれは「告解」と言います。

令児は、自分の幼なじみが東京にあこがれて夢を持って勉強している。
なのにオレは先生と変な関係になって援助してもらい東京へ行こうとしている。

それを知らないチャコは一緒に東京へ行けることを喜んでくれている。
令児はそんな自分がチャコのそばにいるのが嫌だと言うと、ナギはその子を好きなんだねと言います。

令児は、チャコが似非森のファンで家に誘われて誘惑された。逃げて帰ってきたと言ってたが、オレはチャコを守るので似非森がこの町にいる間はオレはナギと死ねない!と言います。

更に、似非森は何を考えているの?二人は本当に夫婦なの?とナギに聞きます。

ナギは、初めて似非森に会ったとき、アイドルに向いていないから辞めて僕の奥さんになりなさいと言われて結婚したこと、似非森とは身体の関係は一度もないこと、を告白します。

令児は、この部屋に来たあの夜、慌てて帰り、自転車のことを忘れてたら、次の日に似非森が自転車に乗って返しに来た。

母と同級生だったみたいで母は似非森のことを「悪い男だから近づくな」と言っていたことを話すとナギの表情が変わります。

第25話 再びの欲望

ナギは、令児の母と似非森が同級生とはそんな偶然があるんだね、と言います。
令児はナギがそのことに驚いたことに気がつき、何かあるのか?と思います。

令児はナギを抱きしめ、激しくキスをします。令児は柴ちゃんのことが脳裏に浮かびます。
令児は我に返り、すいませんと謝ります。

令児はもう帰らないと…と言います。
令児は帰り際、またどこかへ行きませんかとナギを誘いますが、どこへ?と聞かれ情死が淵へ行く約束をします。

図書館に場面が変わり、令児は「春の棺」の本を借り、情死が淵の場所を調べます。
本には神月川の上流、枝分かれした鳴川をさらに上がって溝沢神社の少し手前と書いてありますが、スマホで地図を調べても溝沢神社が見つかりません。

令児は図書館の係員に29年前の古い縮小版の新聞を見せてもらい、心中未遂の記事を探します。
すると心中未遂事件の記事を見つけますが、亡くなったのは男子生徒で女子生徒は助かったと書かれています。

令児がチャコから聞いた話では、女生徒が亡くなり似非森が助かったのでますます似非森のことが分からなくなります。

第26話 情死ヶ淵

令児はナギと約束した朝、自転車でナギの家の前に来ます。
令児はナギを自転車の後ろに乗せて神月川の上流に向かいます。

令児は目印の溝沢神社を見つけ、そこから少し下がったところが情死が淵なので二人は自転車を降ります。
それらしい場所に着くと川の両岸はブロックできれいに整備されています。

ブロックの上に座り、令児はナギにどうして情死が淵で死にたいのと聞きます。
ナギは、そんなこと言っていない、私はただ令児くんに心中しない?って誘っただけ、と言います。
続けて、令児と死ぬなら川がいいと思った、町から連れ出してあげられるから、と言います。

令児は、似非森が17歳の時に情死が淵で心中未遂をして女の子だけ亡くなったとの話をチャコから聞いていたのでナギも情死が淵で死にたいんだと勝手に思っていたことを話します。

ナギは、その女の子って誰なんだろうね…?と聞いてきます。
令児は29年前の新聞記事と違うので何か変だと感じています。

町中に戻ってきてナギが自転車を降り、令児と談笑しているところを、親の仕事の手伝いで車の助手席にいたチャコに見られます。

第27話 汚れた悲しみ

チャコはその日、父の仕事の手伝いで車に乗ってお茶を客先へ届けに行っていたのです。

荷物を届けてチャコは車に戻り、前方を見ると令児が知らない女性と楽しげに話しをしているのが見えます。チャコは令児の視線を感じると慌てて身を隠します。

一方、令児はナギを自宅まで自転車で送り、母に昼には帰ると約束しているので帰ると言います。
するとナギの表情が微妙に変わるのに令児は気がつきます。

ナギはこの町に来る前のことを令児に語り出します。
似非森に母親の介護を頼まれてこの町に来たら母親が嫌がってすることがなくなり、似非森が持ってきたコンビニのバイトで働くことになった。

ナギは令児にあのコンビニよく使っているみたいだった、と言うと令児は家から近いんでと答えます。
ナギは令児のほほに手のひらを当て、今日はありがとうと言います。
令児は、教えてほしいことがあるんですが…と言います。

場面は変わり、チャコは家に帰り、先ほど令児と一緒にいた女性のことを思い出します。
見たことある気がしたけど誰だろう。モデルみたいな体型だった…。
チャコは制服に着替え、似非森からの封筒を持って似非森の所へと向かいます。

一方、令児も似非森の実家を訪ねています。
玄関の扉が開き、似非森が出てきます。

令児は、少しいいですか?話があります、と言うと似非森は、どうぞと上がるように言いますが、令児はここでいいですと玄関に入ります。

チャコは少し遅れてほぼ同時に現場に到着したので、その様子を目撃します。
チャコは玄関に近づき、耳を傾けていると、令児はこれから先、チャコに絶対に近づかないでください、と似非森に言うのが聞こえます。

すると、人の奥さんを寝取っておいてそれ君が言う?どうだった?憧れのアイドル青江ナギと寝た感想は?という似非森の声が聞こえてきます。
チャコは令児と一緒にいた女性が青江ナギだと知ります。

3巻はここで終わりです。

 

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少年のアビス 3巻の感想

全体を通して感じたのは、心に重いものが乗っかってきて何か得体のしれない不安のような気持になりました。

青江ナギは、冥界へといざなう死神のように思えました。
美しい容姿ですが、心は満たされておらずぽっかりと大きな穴が開いているようで、その穴に入ると奈落の底に落とされるような怖さを持ち合わせています。

令児に「おいで、おいで!」と冥界に誘っているようでハラハラしますが、独特の存在感があり魅かれてしまいます。

チャコは、2巻までは勉強をして東京の大学に行き、編集の仕事に就くという夢に向かって前向きに人生を歩んでいる印象でしたが、3巻では親や家族などに対する溜まりこんだ感情が噴出する場面が出てきます。

令児やその担任の柴ちゃんと同じように鬱積した気持ちを抱えて、普段はそれをあえて見せないふりをしていたのでしょう。

チャコが作家の似非森のファンというのはそうした気持ちを昇華するためにストレス発散のような感じで愛読していたのではと思いました。

しかし、リアルの似非森に出会い、不快な経験をして一度は嫌いになりますが、また魅かれてしまうというのは何となく怖い感じがして、あまり近づくなと口出ししたい気持ちになります。

 

柴ちゃんは、令児との教師と教え子という禁断の関係が日常のことになってきました。
誰でも慣れてくると警戒心がうすれてくるものです。

もし、学校にばれたら当然教師をクビになり、その後の再就職も田舎町では簡単ではありません。
心の底には良心の呵責も多少なりともあると思います。
その辺をどう折り合いをつけていくのかが気になりました。

 

似非森の得体のしれない不気味さも際立っています。
退廃的な雰囲気ですが、作家らしく言葉の使い方が上手なので女性の気持ちを巧みに引き付けるのでしょう。

似非森とナギの関係も不思議な関係です。
ナギは似非森のあえて言われるがままに従順に従っているように感じられます。

似非森もナギと同じように近づくと引っ張り込まれ、出れなくなるような怖さを持っているのでチャコには近づいてほしくないです。

令児の母と似非森との関係も気になります。
これまでの流れから過去に何らかの関係があったのでしょう。

さて、令児たちはこの後、どうなっていくのでしょうか。
今後の展開がとても気になります。

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