よふかしのうた 19巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
ナズナがコウに電話して放課後の予定を聞くと、何やら用事がありそうな歯切れの悪い返事で、電話は切れてしまいます。
偶然そこに通りかかった目代先輩ことアンコ探偵と、学校帰りのコウを待ち伏せすることになり…。
よふかしのうた 第19巻 には第180夜から第190夜までが収録されています。
よふかしのうた 19巻のネタバレ、あらすじ
第180夜 女だな
ナズナとアンコ探偵はコウが通う学校の校門近くで張り込みをしています。
遡ること1時間前、ナズナがコウに電話をして、放課後の予定を聞きます。
曖昧な返事のまま途切れたところにアンコ探偵が通り掛かり、暇だからとコウの曖昧な返事の理由を探ろうとしていたのでした。
アンコ探偵は冗談でコウの用事とは女だと言いナズナをからかいます。
すると、校門から出てきたコウの後からさっちゃんが付いて来たのを見て、二人は思わず隠れてしまいます。
本当に女を連れていた事に気を落とすナズナ…。
アンコ探偵は頭をフル回転させ、ナズナに大丈夫だからと言いながらコウたちの後をつけていくと、コウを囲んで数人の生徒が見えます。
どうやら期末テストの勉強会だったようです。
それよりもアンコ探偵が気にしていたのは、ナズナが最近、食事である血の入手経路を調べているということでした。
第181夜 グルメにでも目覚めたか?
コウが居るというのに、何故今、血の入手経路を探しているのかをナズナに問い詰めるアンコ探偵。
場所を変えようとコウの居るその場を離れた後、ナズナは探偵に全てを打ち明けます。
事情を知った探偵は、ナズナに以前に忠告したことをぶり返して小言を言い、コウの前から居なくなるようにと言います。
また、探偵が自分が吸血鬼になれなかった時の気持ちと同じ目に合わせるのは良くないと言うと、探偵の口を塞ぐようにキスをして話を遮ったナズナ。
そして、ナズナは探偵にコウの事は任せると言い、自分はコウの前から消えるので、それまではそっとしておいて欲しいと言います。
ナズナが去ったあと、先程の言動や行動が良かったのかと振り返っていたアンコ探偵のところに、勉強会帰りのコウが通り掛かると、何故かコウをデートに誘うアンコ探偵。
第182夜 それでは行ってらっしゃいませ
化け物と人間は住む世界が違うのだという持論を元に、では、夜守コウは人間か化け物か、どちらだ?と思った時に丁度通り掛かったコウをデートと称して連れて行くアンコ探偵。
テーマパークに着いたコウは、今まで縁のなかったテーマパークということで少々テンション高目です。
しかし、コウはアトラクションに乗る気配がないのでアンコ探偵が尋ねます。
テーマパークに興味はないけど、探偵のことが好きなので充分楽しい、とコウは答えます。
探偵は思いました。何故コウがモテるのか理由が分かった。しかし、本人も気付かないうちに人を傷付けていたのだろうと…。
アンコ探偵は少しコウを懲らしめてやろうと思います。
コウと腕を組んで無理やりアトラクションに並びながら、ナズナにお願いされた、コウを任せるという事に便乗するのでした。
ナズナの眷族になれる期限に危機感を持つようにと言いながらも、帰ろうとするコウの腕を離さずアトラクションに乗るアンコ探偵…。
第183夜 夏になったらさ
アンコ探偵に言われたことが気になりつつも冬休みになったコウは、ナズナにデートに行こうと言います。
それから毎日デートと称して、以前と変わらず遊ぶ二人。
ナズナは、期待していなかったクリスマスプレゼントをコウから貰い、嬉しいながらも心苦しく思います。
そして、夏になったら海に行こうとナズナはコウに告げます。
ナズナのコウへの想いは隠したまま、二人の時間は過ぎ、年が明けます。
初詣の帰り、また明日と言って別れた後、いくら馬鹿な自分でもいいかげん気付くと思います。
何故、血を吸わないのだろうと…。
第184夜 クソみたいな特技
冬休み最後の日、コウはナズナに何時から吸われていないのかと思い返します。
ナズナの部屋へと行き、明日からコウは学校へ行くか行かないかの会議と称した宴会が始まります。
ナズナがコウの気持ち次第だと言うと、コウはナズナと初めて会った時の気持ちと違い、今は充実した学校生活だと言います。
しかし、それではナズナと一緒にいられないとコウが言いますが、眷族になれるかはコウ次第だとナズナが返します。
ならばと、コウはナズナに今血を吸うようにと迫ると、ナズナは酔ったと言って寝転んでしまうのでした。
コウも寝転び、話をしているうちにコウが寝てしまうと、我慢が出来ないとコウの喉元まで迫るナズナ。
しかし、そこで堪えながらコウとは居られないと呟きます。
寝たフリをしていたコウはそれを聞いていたのでした。
第185夜 ナズナちゃんって子がいて
吸血鬼を好きになり、その吸血鬼に血を吸われると眷族として吸血鬼になる。
これは、自分が恋をする物語だとあらためて思うコウ。
昨晩のナズナの言葉が気になり眠れない夜を過ごしたコウは、始業式へ出るために支度を始めます。
途中、アキラが迎えに来ましたが、コウは支度がまだだと先に行くように言います。
そして支度を終え靴を履くために腰を降ろし、ナズナの言葉の意味を考えていました。
仕事から帰ってきたコウの母親が玄関を開けると、そこにはコウが座って居ました。
母親は学校をサボったと言ったコウに事情を聞くと、ひとを好きになるとはどういうことかと逆に聞かれてしまった母親。
母親は、少し答えに詰まりながらも友達とは違うと思えたら恋なのではないかと答え、それを自覚するかどうかだと言います。
気になる子でもいるのかと母親に聞かれたコウは、ナズナのことを話すのでした。
第186夜 言い訳
自分はナズナの事をどう思っているのか、思い返しながらナズナの部屋へ向かったコウ。
しかし、ナズナは居ませんでした。
ナズナの言った言葉が気になりながらナズナを探しに出たコウ。
コウは、仲は良いはずだから話せば大丈夫だと自分に言い聞かせながらも、会えなかったらと心配にもなり、とりあえずナズナの部屋で帰りを待とうとします。
部屋に着くと、そこにはナズナが居てゲームをしていました。
コウは安心しながら、探したのだと言うと、ナズナからは気の無い返事が帰ってきます。
事情を聞こうとするコウに、話したくないと言うナズナ。
コウはその場から離れますが直ぐに戻って来ると、酔わないと本音を言えないなら、言い訳を用意したから本音を話せとビールを差し出します。
第187夜 今までで一番
コウが用意したビール一本では足りないと、冷蔵庫からあるだけを持ってきて飲み続けるナズナですが、いつまで飲むのかと言うコウの一言で止まります。
コウが、急に素っ気なくされてそのまま引き下がるような関係ではないと言うと、どういう関係かと聞き返すナズナ。
友達だと答えたコウに、友達が長すぎていつまでも自分を好きになりそうにないから、今のうちに日常に戻った方がいいとナズナは言います。
だったら、自分はナズナの事が好きなのか確かめるために血を吸って欲しいと言うコウ。
しかし、全力でそれを断るナズナに、コウもムキになって言い争いになります。
すると部屋が真っ暗になり、停電なのかを確かめるためにベランダへと出ます。
コウは、月明かりに照らされたナズナをキレイだと思ったその時、ナズナはコウの事が好きになったと告げます。
驚いたコウは同時に自分の気持ちを自覚するのでした。
第188夜 “ぬるい”ッ!!
ナズナがコウを抱えて飛びました。
停電が起きている一帯が分かるほどに飛び、地面に降りてからは辛うじてつないだ手で散歩をします。
初めて人を好きになったコウは、知らなかった感情に今まで自分が人に対して行動してきたことを振り返ります。
自分を好きだと言ってきたサクラの行動力に尊敬をし、サクラのために怒っていたみっちゃんの気持ちがよく分かりました。
コウは自分には恋愛感情が欠落しているのかもと思っていましたが、あって良かったと…。
しかし、気付いたのが遅くてナズナの眷族にはなれないのだと、改めて思います。
ただ、今はナズナと両想いだということを噛み締めていたいという気持ちです。
停電が解消し、自販機で買ったコーヒーとビールはぬるく感じ、また明日…、と二人は別れていきます。
部屋に戻ったナズナはうずくまり、必死に吸血衝動を抑えるのでした。
第189夜 弟離れ
夜更けにアキラを待っていたコウは、缶コーヒーを渡しながら停電の時に寒い中でぬるい缶コーヒーを買ってしまったと話します。
アキラは真冬でもジャージでいるコウが、寒いと言ったことに驚き、聞き直してしまいました。
コウはアキラに、学校へは行かない事を伝えます。
アキラはそれよりも、来そうで来なかった始業式の時の方が気になると聞きます。
コウは、考え事があったが、ナズナの事が好きだということでそれは解消した、ナズナも自分の事が好きだと言ってくれたと言います。
アキラは、コウがなりたかった眷族にはなれないことを、残念そうに思いながらも、コウと一緒に学校まで歩きます。
ひとり教室に入ったアキラは、コウとの関係が特別なものであったことを思い返しながら、もう少しだけ、誰のものにもなってほしくなかったと思うのでした。
第190夜 お別れ会
眠れないのか、寝ていないのか。団地内から聞こえてくる朝の声を聞きながら、憔悴しきった顔で呟くナズナがいました。
夜、珍しくニコたちが集まるところに顔を出したナズナとコウ。
アザミとススキ、ハルカのお別れ会ということで、皆が集まったのでした。
アザミはこちらでの仕事に区切りがついたと言い、ハルカはナズナとの関係が確認出来たからと言います。
ススキはタイミングが掴めず、皆が帰るのなら自分もそうすると言いながら、行ったことがないからとベトナムへ行くことにし、出会った吸血鬼と情報交換するのだと言います。
丁度そこへアンコ探偵も訪れ、セリと一悶着あるかと思いましたが、探偵が謝ると直ぐに落着きます。
団らんの後、タバコを吸いに行くアンコ探偵を見たコウが後を追うと、アンコ探偵も町を離れるとコウに告げます。
探偵が居なくなることでヘコんでいるところへ、ナズナが寝てしまったというので背負って帰るのことにします。
ナズナが目を覚まして別れた後、コウはひとりでもの思いにふけっていると、そこにハルカが現れるのでした。
よふかしのうた 19巻の感想
今巻は、コウの事が好きだと自覚したナズナの気持ちが痛いほどに感じられるお話でした。
アンコ探偵の悪ふざけで放課後のコウの後を尾行することになった時、本当に女の子と学校を出てきたコウをみて気落ちするナズナ。
後で勉強会だと分かった時にホッとするナズナの気持ちがいたたまれません。
アンコ探偵に自分の気持ちを話した時、分かっていながらも、コウの前から姿を消すことを改めて言われた時の気持ちを考えると、辛さが伝わってきます。
コウの冬休み最後の日に呟いた言葉は、コウの事を本当に想って出た言葉だと思います。
マヒルとキクのことで、コウの事を好きになったとコウに知れたら、同じ道を歩む事が選択肢に入ってはいけないとナズナは考えていたのかもしれません。
しかし、停電の時に喧嘩となり、そのまま姿を消そうと思ったのかついに告白しました。
その時、コウもナズナへの気持ちに自覚しました。
お互い両想いとなったコウとナズナ。
二人は直ぐにマヒルとキクのような道を辿ることはしないようでしたが、ナズナの心苦しさは変わりません。
コウの方といえば、自分が人を好きになったことに酔いしれている感じです。
アキラに言われた「付き合う」という言葉に何だか喜んでいるようでした。
コウにはもう少しナズナの苦しさを分かってほしいと思いますが、恋愛感情が乏しいコウには致し方ないのかもしれません。
その頃のナズナは食事である吸血行為をしておらず、これは、コウ以外の人から血を吸うことが、コウに対し悪いと思っているのではないかと思いました。
コウとナズナの気持ちを知らないながらも、お別れ会でのナズナの様子から、ナズナの危機を察したハルカが行動を起こそうとしています。
次巻へと続きます…。
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