最果てのパラディン 12巻のネタバレ、あらすじと感想を紹介します。
ヴァラキアカを前にして、その瘴気と圧倒される圧力に気持ちを保とうとするウィル。
そうした状況で思い出したのは、育ての親のマリ―の言葉でした。
果たしてウィルは態勢を立て直せるのでしょうか?
最果てのパラディン 12巻には第55章から第59章までが収録されています。
最果てのパラディン 12巻のネタバレ、あらすじ
第55章 邪竜
ヴァラキアカの圧倒的な威力に抑えつけられ、全ての気を飲まれてしまいそうな状態のウィルは、育て親のマリーの言葉を思い出しながら、先ずは恐怖心を認めることで気を落ち着かせます。
ウィルはヴァラキアカに対し、人に名を問うなら先に名乗るのが礼儀だと言います。
ヴァラキアカはウィルの態度に敬意を払うように自らを名乗ります。
一方、ウィルはヴァラキアカに対し、育ての親3人の通り名を述べた後に自身の名を名乗ります。
すると、ヴァラキアカは先の戦いでの3英傑の事を懐かしいと話しながら、ウィルの生まれの背景をも分かった様子で、ウィルを見据えます。
いざ、開戦と身構えたウィルでしたが、ヴァラキアカは自分をウィルの配下に置く気はないかと言い出したのでした。
一度は正気に答えたウィルですが、ヴァラキアカの言葉に咽まれてしまい次の言葉が出て来ません。
そんなウィルを灯火の神が救い、ヴァラキアカに対して選ぶのはあなたの方だと返すのでした。
第56章 折衝
ヴァラキアカに改心するかどうかを選べとウィルは言います。
配下になったからとしても大人しくしているはずはなく、自身が必要不可欠な乱戦を呼び込んで、ヴァラキアカ自身を手放せなくさせることが目論見のはず…。
ヴァラキアカに平和の定義を確認し返って来た答えに、思っていた通りだと確信したウィル。
ウィルは改心するのであれば、自分の庇護下に置くことを約束すると言い、改めてヴァラキアカに応えを求めます。
ヴァラキアカは高笑いします。
そして、自身が言った謎掛けを解き、かの英雄の後継であることは間違いなく、立ち居振る舞いが良いと誉め、ウィルを勇者と認めると言った上、改心の必要はないと答えました。
ヴァラキアカは自分は竜であり戦乱無くして何が竜かと…。
ウィルたちに挑んで来るように言います。
その時にウィルは、ヴァラキアカと戦うことに恐怖心よりロマンを求めた勝った心が踊高ぶるのでした。
第57章 開戦
ヴァラキアカとの戦いが始まります。
ウィルは魔法の言葉で加速し、ヴァラキアカの腕に刃を立て駆け抜けて行きます。
ヴァラキアカの強固な鱗で覆われた腕には大した傷は付かず、眠気覚ましには丁度いいと言いながら、炎を吐こうとするヴァラキアカ。
メネルが矢を放った事に気を取られたヴァラキアカは炎を誰かに向けて放つことは出来ませんが、それでも辺りは溶けてしまうほどのものでした。
ルゥがヴァラキアカ目掛けて柵を投げつけ、ヴァラキアカの気がウィルから逸れたその時を狙ってウィルはヴァラキアカに足止めの魔法を放ちます。
すると、ガスが得意とし、自身が使いこなせるように鍛錬を積んできた3重魔法投射をヴァラキアカ目掛けて放つのでした。
その場は静まり返り、ヴァラキアカの姿は消えていました。
しかし、風とともに見えない刃がウィル達を襲うと、ヴァラキアカが再び姿を現すのでした。
第58章 絶望
自分は創造の言葉に親しき住人だとヴァラキアカは言います。
人では使うことは叶わない変化の魔法を使い、この地下に入って来たに違いないのに…、何故気付かなかったのだろう。
ウィルは悔やみながら思います。
ヴァラキアカはウィルに配下になれと言います。
先程の攻撃でウィルたちに致命傷を避けた攻撃がそのお膳立てだということは間違いなく、殺そうと思えば出来たはずでした。
配下か全滅か。二択を迫られたウィルに向かいヴァラキアカは、流転の神に愛されているのであれば、死んでも次があるのだろう、自決もありえる、と言います。
ウィルには決定打となる攻撃手段は無く、皆が助かるには配下になるしかありません。
しかし、自分を含め此処に来る時に覚悟は決めてきたので、配下になるつもりはないとウィルは答えます。
勝ち目などないに等しい中で覚悟を決めたウィルは、再びヴァラキアカに挑むのでした。
第59章 激突
ヴァラキアカとウィルの戦い…。
相手が攻撃魔法の言葉を発すれば、それを打消す言葉で返すことを繰り返しながら、ウィルは槍をヴァラキアカに立て、ヴァラキアカは炎のブレスをウィルに放つといった、激しいものでした。
しかし、神代の竜に対し人など脆いものでウィルの身体はボロボロの状態になり、遂には苦楽を共にしてきた槍が折れてしまいます。
ウィルが腰の魔剣を握りヴァラキアカに向かって行こうと踏み込んだその時、ヴァラキアカが仕込んでいた破壊の魔法がウィルの足を粉砕するのでした。
その魔剣は脅威ではあるが、種を知っていれば潰しようもあるとヴァラキアカは言います。
戯れもあったがここまで手こずるとは思わなかった。
最果てのパラディンは真の勇者と認めるが、これは殺し合いだと言い、ヴァラキアカはウィルに向けて炎のブレスを放つのでした。
最果てのパラディン 12巻の感想
ヴァラキアカという、とても大きな存在に圧されてしまう心を必死に保とうとするウィル。
かつて育ての親であったマリーの言葉に助けられ、心を落ち着けることが出来ました。
バトル系のマンガの世界で度々出てくる、相手の強さが分かるといった事象の中で、長命でしかも人間の姿ではなく巨大な竜から漏れてくる圧は相当なものなのでしょう。
ウィルが気持ちを落ち着かせ覚悟を決めてみれば、ヴァラキアカから配下に置かないかという提案がされます。
以前、魔法の師であるガスが話していましたが、交渉するのも手かもしれないと、心のどこかで思っていた部分があったのでしょう。
ほんのひと時ですが、真剣に考えた様です。
しかし、冷静になってみれば、戦いを好む古き竜にとって世界の平和など、全くもって望まないことは分かり切っていることであり、ウィルは逆にヴァラキアカに改心を求めました。
求めながらも答えは分かっていた様で、一応聞いてみるだけ聞いておこうといった感じではなかったかと思います…。
やはり、ヴァラキアカの答えは改心するつもりも無く、非力な人間など容易く潰してくれよう。などと思いながら答えたのではなかったでしょうか。
ヴァラキアカとの闘いが始まり、巨大な竜に必死に攻撃をしていくウィルたちは、ウィルの3重魔法投射によってヴァラキアカを倒したかに思えましたが、隙をつかれウィル以外は瀕死状態にまで持って行かれてしまいました。
ウィルの放った魔法で消えたヴァラキアカを倒したと思ったウィルたちでしたが、そんな簡単には倒せない事は分かっていたでしょうに…。
人は最悪な状況から逃げるためには都合の良い方を選びがちなのかもしれません。
そして、ウィルとヴァラキアカとのタイマンが始まりましたが、遂に追い詰められ、悔しくも身動きがとれない状況になり、今、正にウィル目掛け炎のブレスが放たれようとしています。
果たして、ウィルの運命は…。
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