うどんの女(ひと)のあらすじ・ネタバレと感想を紹介します。
美大の学食のうどんコーナーに働くバツイチの村田チカ(35才)と油絵科の男子学生・木野(21才)が妄想をふくらませながらゆったりと進む恋愛を描いたものです。
そこに村田チカの元夫で木野のゼミの先生の田中が加わり、ストーリーに起伏をもたらせています。
読み始めるとじれったい展開ですが、つい引き込まれてしまう魅力があります。
うどんの女 のあらすじ・ネタバレは?
村田チカは美大の学食でうどんを配膳しています。
木野は連日のようにうどんを村田に注文します。
村田は、木野がうどんばかり注文するので、もしビンボーでお金がないのなら自炊をすれば良い、
もしかすると目的は 私に会うために…!? と妄想します。
一方、木野も注文した素うどんにネギが大量に入っていたり、頼んでいない天ぷらや玉子が入っていることもあり、この人 俺のこと…!? と妄想します。
食堂だけでなく大学の構内でも自然と出会いますが、その度にお互いを意識してしまいます。
村田は木野が学食に来ない日は気になり、学食に来てもうどん以外のメニューを頼むと、一方的にフラられたようなショックを受けるほどです。
ある日、村田は映画を見た帰り道、駅のソバ屋でうどんを食べていると偶然、木野が隣の席に座ります。
お互いにうどんが好きかという話になり、村田はソバよりはうどん派と答えます。
一方、木野はカレーが好きと答えたので村田は驚きます。
ある日、木野はカレーうどんを村田に注文するとき、良かったら名前を教えて下さいと言います。
村田は、名字を伝えますが、下の名前を言わなかったことを悔やみます。
木野も名字だけでは うどん村田 としか分からずがっかりします。
木野はゼミの田中先生にアトリエでうどんの絵を見てもらいます。
田中はいいね、色気がある!と絵を誉めてくれます。
木野はうどんに若干の性的興奮を覚えるようになったことに気がつきます。
木野は、学食で田中先生がアイコンタクトだけで、村田がオリジナルのうどんを出すのを見て、先生と村田は一体どういう関係なんだろうと疑問に思います。
木野は先生の田中に食堂の村田との関係を聞くと元の奥さんと言われ、びっくりします。
ある日、村田は昼食を学食で取っていると田中先生が近づいてきて、最近キレイになった、今夜うちに来ないかと言い寄ります。村田は行くわけないと田中に言い返します。
田中が帰った後、今度は木野が学食に現れます。
木野は、村田を見つけて何か言いかけようとすると、村田は逆に「何かあるならはっきり言ってくれないかな!?」と言います。
木野は村田に田中先生と別れた理由を聞くと、村田はなぜ知っているのかと逆に聞かれます。
木野は田中先生から聞いたが詳しくは知らないと答えます。
村田は別れた理由などは昼間の学食で話す内容ではないと言うと、木野は今日飲みに行きます?と村田を誘い、二人で居酒屋に行きます。
そこで二人は互いの年齢が村田35歳、木野21歳ということを知ります。
木野は村田に田中先生と別れた理由を聞きます。
村田は、田中先生との結婚のいきさつや別れるに至ったこと、田中の美術モデルをしていたことなどを話します。村田はだいぶ酔っている様子です。
村田は途中で話題を変えて木野のことを聞きます。
学食でうどんばかり食べる、かと思えば他のメニューに流れる、うどんは飽きたと思うとまたうどんに戻ってきて、気になってしまうけど、それって好きなの?何なの?など。
村田は私のことが好き、気になるの?と聞いたつもりが、木野はうどんの話と思って答えたため、「ここでうどんの話する?」とがっかりしてうなだれ、眠りに落ちてしまいます。
木野は、眠った村田を起こしてタクシーでチカの自宅へ送ると、母親から夜遅いので泊まっていくように勧められ、結局そうなります。
このことがあって以来、村田は学食で大勢の中からすぐに木野の姿を見つけられたり、木野がうどんを食べに来てくれるのが嬉しくなるとか、そうした自身の変化に気がつきます。
一方、村田は田中が木野との交際のことを「がんばってね💛」とメールを送ったことに腹を立て、大学の田中の部屋を訪れ、文句を言います。
田中は村田に対して、木野の関係が煮え切らなくて見ていられない、村田が後悔するのを見たくない、と言います。
そしてチカに木野のことを「好きなんでしょ?」と問いかけると、村田はやや苦悩の表情を浮かべ、その後、落ち着いた表情で「好き」と答えます。
そこへ木野が部屋に入ってきますが、田中先生と村田が一緒にいるのを見て、その場から逃げるように走り出します。
村田は、田中に木野のことを聞かれて「好き」と言ったのを木野に聞かれたと思いましたが、木野は逆に村田が田中のことを「好き」と言ったのだと思い、その場から逃げたのです。
村田は、木野に田中はあくまで友人だと説明しますが、木野は少し疑っている様子です。
すると木野はチカの手をつかみ、アトリエへと連れていき、自分の絵の前に立たせます。
チカは絵を見て「…うどん?」と聞くと木野は「うどんです」と答えます。
チカは「キノ君さあ ほんっとに好きだよね うどん」と言います。
木野は「うどんも好きですけど 何つーかあの これ… 村田さんなんです…」と言います。
チカは「そっか…何か そーやって見ると 何か… やらしーかんじ …でも うれしーなこれは」と言い、それを聞いて木野は涙ぐんでしゃがみ込みます。
そして木野は村田に「好きです」と気持ちを伝えます。
その後、村田は木野から好きですと告白されたきりで何も進展がないことが気がかりです。
休憩時間には必ず学食に来てうどんを食べるので心変わりはないようですが…。
村田は、そうやすやすと誘えない気持ちも分からなくはないものの、「でもさ 気づいてくんないかな!? こっちはその気でスタンバってるですけど…!?」という気持ちです。
一方、木野は「きっかけがわからない、一緒にレポート…はナシ、ナベやるけど一緒に…ってのも違うだろ、俺の部屋 汚いけどよかったら…」などと悶々としています。
更に木野は村田に近づこうとするとどうしても田中先生の顔が脳裏にチラついてしまいます。
迷った末、木野は「今日 うち来ませんか?」と伊丹十三のDVDを一緒に観る見るとの口実で村田に電話します。
村田は木野の部屋に来てくれます。
DVDは単なる口実でそれではどうしようということになり、村田がお腹が減っていない何か作ろうかということになり、冷蔵庫にあった冷凍うどんを二人で食べます。
村田は言います。「結局さあ ほんとに好きだよね うどん」
さてさて、じれったいくらいにゆっくりと進む二人の恋は、この先、どうなるのでしょうか、楽しみです。
うどんの女 の感想は?
この漫画のおもしろさは村田と木野がお互いに妄想を膨らませていくところです。
お互いのことを意識し始めて、妄想が段々と広がっていくところ、読んでいて思わずクスっと笑ってしまいます。
恋愛の感情は村田の方が木野よりも少し先を進んでいて、木野が後からついていく印象です。
そのため、村田は木野から話しかけられるとドキッとして木野からの愛情表現を今か今かと期待して村田の表情はときめきます。
しかし、その都度、期待外れの言葉をかけられてがっかりしてしまうことが多く、思わず村田に同情してしまいました。
一方、木野が一気に恋を前に進められない気持ちも分からなくはありません。
21歳の男子学生の木野にとって35歳の村田は大人の女性です。
村田と田中先生が元夫婦で別れた今も同じ大学の中でそれぞれ働いており、親しげにしているのも気になるでしょう。
木野は、村田が否定しても田中先生と村田が親しげに会話をしているのを見るとやはり二人は何かあるのではと思ってしまうのは不思議ではありません。しかも田中は自分のゼミの先生です。
そんなこともあり木野は村田に告白することにためらいがあったのでしょうが、最後の方で自分の気持ちを打ち明けることができて良かったと思いました。
また、木野がうどんの絵を村田のこととして描いているのは美大生ならでの感性を木野に設定していて面白いと思いました。
うどんの一本一本があたかも村田から出ている触手のようで妙に生々しく感じました。
その他、村田と木野の表情、特に村田の恋愛感情に揺れ動く細かい表情が上手く描かれている点も素敵です。
恋愛を描いた漫画にしては終わり方が中途半端なような気もしますが、これはこれで余韻があってよいのかなとも思いました。
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